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iPS

2009年10月 7日 (水)

センダイウイルスベクターによるiPS細胞作成

10/6の毎日新聞より。同様のアプローチを取っていた産総研はどうなっただろう。

iPS細胞:作成、安全性向上成功--茨城・つくば市の企業

 ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)を、がんになりにくい安全性の高い手法で、従来よりも効率よく作り出すことに、ベンチャー企業「ディナベック」(茨城県つくば市)が成功した。14日発行の日本学士院紀要10月号に発表する。

 山中伸弥・京都大教授は、体細胞にレトロウイルスを使って四つの遺伝子を導入し、iPS細胞を開発した。だが、レトロウイルスは遺伝子を細胞の核 の染色体に組み込むため、がん化しやすい問題があった。このため、別のウイルスを使ったり、導入する遺伝子を減らすなどの手法が国内外で研究されている が、いずれも作成効率が低い。

 新手法は、遺伝子治療などに使うセンダイウイルスによって4遺伝子をヒトの皮膚細胞に導入、従来の約10倍の効率でiPS細胞ができた。作成した iPS細胞からは、心筋細胞や神経細胞などの細胞ができた。センダイウイルスの場合、遺伝子が核内に入り込まず、iPS細胞になった後に導入した遺伝子がウイルスとともに消失するため、がん化の恐れも少ないという。【永山悦子】

センダイウイルスのゲノムはRNAなので、宿主細胞のゲノムへの転移の可能性はまず無視して良い。ただ、細胞指向性はどうなのだろう?あまりえり好みが激しいと感染効率が下がってしまうのだが。

# ちなみに、この「ディナベック」の研究所は私の自宅から徒歩15分圏内にある。

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2009年8月10日 (月)

p53遺伝子の発現抑制でiPS細胞の誘導を効率化できる

p53遺伝子の発現抑制でiPS細胞の誘導を効率化できるというニュース。
朝日新聞より。

iPS細胞の作成、数十倍効率化 京大・山中教授ら成功

2009年8月10日3時5分

 身体のあらゆる組織や細胞になりうる人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作製効率を数十倍高めることに、京都大学の山中伸弥教授らのグループが成功した。特定の遺伝子の働きを止める方法で、課題だった作製効率の低さを改善した。この遺伝子の制御法を改善すれば、安全で効率のよい作製法の確立につながり、再生医療や難病治療など実用化を加速すると期待される。

 9日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表する。激しい研究競争を背景に、山中教授らとは別に同様の成功をした京都大の川村晃久・特定助教と米ソーク研究所など他の4グループの研究も同時掲載される。

 山中教授らは、がん抑制遺伝子「p53」が、iPS細胞の作製時に活発に働くことに注目。がん化のおそれがある細胞の増殖を止めたり、細胞死に導いたりするp53が働かないようにした皮膚細胞からiPS細胞を作製した。

 その結果、06年に山中教授らが開発した4遺伝子を細胞に組み込むマウスを使った最初の作製法で、数%だった作製効率が約20%に向上。ヒトの皮膚細胞を使っても、千個の細胞から数個だった作製効率を数十倍高める効果があった。

 さらに、遺伝子の組み込みにウイルスを使わない安全性が高い方法でも、マウスの実験で、約10万個の細胞から、p53が働いたままではほとんどできなかったiPS細胞を約100個作ることができた。

 がん化を防ぐ役割のp53の働きを止めた状態が続くと、iPS細胞ががん化する可能性が高まるが、特殊な操作や薬剤でp53の働きを一時的に抑える方法は確立されている。山中教授は「iPS細胞を作るときだけp53を抑えるよう工夫すれば、安全で効率の高いiPS細胞の作製法につながる」と話している。(林義則)

日本の新聞では”日本人の研究”ということで価値を見出しているのだろう。

しかし、驚くべきはこちらのニュースのもあるように、Natureの同じ号において、独立の研究グループによる5本の論文でp53遺伝子が細胞の初期化を妨げていることが延べられている点だ。ちなみに、このニュースに対する読者コメントもなかなか興味深い。

DOI: 10.1038/nature08235

DOI: 10.1038/nature08311

DOI: 10.1038/nature08285

DOI: 10.1038/nature08287

DOI: 10.1038/nature08290

その競争の如何に苛烈なことか。そして、私は、これらの研究の科学的な価値は”iPS細胞誘導の効率が上がって実用化が近づいたこと”ではなく、"発がん抑制遺伝子として知られているp53遺伝子は細胞の初期化を抑制し、細胞のidentityを維持するのに一役買っていることが分かった"と言うことにあると思う。

しかし、p53のノックダウンをしてしまうと後でがん化を抑えられなくなるし、分化も誘導も上手くいかないかもしれない。siRNAやshRNAでは、p53遺伝子のメチル化の影響が残ってしまうかもしれない。しかも、サイレンシングによる発現抑制までには結構時間がかかるような気もする。

薬剤でp53遺伝子を押さえられるならそれでよいのかも知れないが、いっそ、p53遺伝子の特徴を利用して、ドミナント・ネガティブを起こす変異型p53遺伝子発現ベクターなんてどうだろう。

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2009年4月24日 (金)

ちょっとヤな感じのペプチド

CPPと総称されるペプチドがある。Cell-Penetrating Peptides(細胞を貫通するペプチド)の略だ。

発見当初は、細胞膜を貫通するペプチドというのは真贋の程が疑わしいとされていたようだが、最近では細胞内にRNAを届けるための手法としても注目されている。

色々な種類があるようだが、有名どころはHIV(エイズウイルス)のTATタンパク質の一部(11-12 AA)の領域。11アミノ酸残基のうち8アミノ酸までがアルギニンでできている。これを全てアルギニンに変換したアルギニン11量体にも強いCPP活性があるという。このペプチドを細胞に導入したいタンパク質のC末端に融合させておくと様々なタンパク質を細胞内に導入できる。

このCPPを利用して、山中教授がiPS細胞の誘導に必要と同定した4種類の転写因子(山中因子)タンパク質を細胞内に取り込ませてマウス胎児の体細胞からiPS細胞を誘導した論文が発表されるようだ。

iPS細胞:「遺伝子なし」で成功 「がん化」防ぐ手法--米独チーム

 さまざまな細胞に分化できるマウスの人工多能性幹細胞(iPS細胞)を、遺伝子を細胞内に入れずに作る新手法を米独の研究チームが開発した。遺伝 子の影響で起きうる細胞のがん化を防ぎ、治療に使える安全なiPS細胞の作成法につながる重要な成果で、世界の研究者が目指していた「遺伝子ゼロ」のiPS細胞が初めて実現した。24日、米科学誌「セル・ステムセル」で発表した。

 米スクリプス研究所のシェン・ディン准教授、独マックスプランク分子医薬研究所のハンス・シェラー教授らのチームが開発した。山中伸弥・京都大教授が開発したiPS細胞は、ウイルスを使い四つの遺伝子を細胞の核に入れて作られた。しかし、遺伝子や導入に使うウイルスが予期せぬ働きをして、細胞ががん化する恐れが高く、遺伝子やウイルスを使わない方法が模索されてきた。

 米独チームはまず、大腸菌を使って4遺伝子から、それぞれたんぱく質を作成。このたんぱく質にアミノ酸の一種のアルギニンを11個つなぎ、細胞膜を透過しやすい性質を持つように改造、ウイルスを使わずにマウスの胎児の細胞内に入れた。

 その結果、たんぱく質が細胞核に入り、iPS細胞ができた。心臓、肝臓、生殖細胞などへの分化も確認。四つのたんぱく質は細胞の核に入って48時間後まで存在するものの、その後は自然に消滅するため、がん化の心配が少ないという。

 たんぱく質(プロテイン)の頭文字を取り、「piPS細胞」と命名。今後、同じ手法がヒト細胞でも可能かどうか、研究が続くとみられる。

【奥野敦史】

これまでのiPS細胞の誘導法と比べて、

  1. ガン化を誘導する可能性の高いレトロウイルスベクターを使っていないこと
  2. 動物細胞用の複製開始点を持たないプラスミドでも核に取り込まれる可能性が否定できないが、DNA自体を使っていないこと
など、ガン化のリスクを下げる上では良い着眼点だ。しかし、「遺伝子なし」っていう見出しはねぇ。そんなに遺伝子が嫌いなのかな。誰でも2万個くらい持っているのに。

日本の研究グループも同じ手法に挑んでいる(熊本大学富澤先生ほか)だけに、先を越されてしまったのは残念なところ。しかし、海外のグループも、まだネズミの胎児の細胞でしか実現していないので、この手法がヒトの成人の体細胞に適用できるようになるまでには、この先、まだ色々な条件検討が必要だろう。

山中因子は、転写因子なので通常、細胞質で翻訳された後は核に移行する。CPPを末端に融合した山中因子も同じように、細胞に侵入した後は普通の転写因子と同じように核に移行していることだろう。

表題の、”ちょっとヤな感じのペプチド”というのは、このCPPの性質に関連する。CPPのように細胞に侵入するペプチドがその辺に転がっていると、それに接触した体の様々な細胞に侵入してしまいそうなものだ。想像するとちょっと怖い気がする。

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2009年1月23日 (金)

Simple and Effective Induction of Plant iPS cell.

A simple and effective method for inducing plant pluripotent stem cell was developed.... really?

 表題は、ウソです。

 検索エンジンで”植物”と”iPS”をキーワードにこのblogにたどり着いた方がいらっしゃいますのでちょっと乗ってみました。

 植物の場合は、体細胞から分化全能性のある細胞を増殖させることは、30年以上も前から普通に行われてきております。それも、2,4-dichlorophenoxyacetic acid (2,4-D)のような安価な合成オーキシンを含むMurashige & Skoog培地に種子や組織片をおいて置くだけのことです。

 それだけで分化全能性のある細胞の固まり(カルスといいます)を誘導できます。遺伝子の導入も、ウイルスベクターも必要ありません。クローンを作成しても倫理的な問題も何等発生しません。

 植物は動物とは違って、茎の先端や根の先端、表皮の内側など、体の様々な部分にある分裂組織(meristem)で細胞分裂を生涯続けます。例えば樹齢5,000年の屋久杉でさえ、枝先や根の先端、樹皮の下の層では新しい組織を作り続けており、枝先を適当な部分で切り取って地面にさせばクローン個体になります。

 つまり、植物の体細胞には生涯を通じて、柔軟にプログラミングされている部分が分裂組織として固まって残っており、植物ホルモンで簡単にリプログラミングできるのです。ですから、植物の場合はわざわざstem cellを誘導するまでもありません。

 ちなみに、アメリカ、Cold Spring Harbor laboratoryでは幹細胞研究の一連の動きの中に、植物の幹細胞研究も位置づけられているようです。今年のCold Spring Harbor Symposia (先週でした)でも採り上げられております。

http://symposium.cshlp.org/content/early/recent

 ちなみに昨年のスピーカーのインタビューはこちら。

http://meetings.cshl.edu/chats/symposium08/index.htm

 MP3やWindows videoで見られます。

 ま、私共、日本の植物科学の研究者は謙虚なのか、「幹細胞研究は科学として重要な領域だ。動物の幹細胞研究は重要だが、植物の幹細胞研究もそれに劣らず重要だ。」なんて言う人は見たことがありません。

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2008年10月10日 (金)

ウイルスベクターを使用しないiPS細胞

毎日新聞より。

iPS細胞:ウイルス使わず作成、実験成功…山中教授ら

 さまざまな細胞に変化する可能性を持つ「人工多能性幹細胞」(iPS細胞)を、ウイルスを使わずに作ることに、山中伸弥・ 京都大教授らが、マウスの細胞を使った実験で成功した。従来は、ウイルスの一種(レトロウイルス)の使用が必要で、 細胞に発がんなどの遺伝子異常をもたらす危険が指摘されてきた。ウイルスなしで作れたことで、 今後iPS細胞から作った細胞を移植する際の、患者に対する安全性向上につながるとみられる。

 10日、米科学誌「サイエンス」電子版に論文が掲載される。

 iPS細胞を作るには、皮膚細胞など基になる細胞に4種類の遺伝子を導入する必要がある。 従来はこの4遺伝子をレトロウイルスの内部に組み込み、ウイルスごと細胞に注入していた。このウイルスは、 細胞が元々持っている遺伝子の集まり(染色体)に入り込む。この際に細胞の遺伝子に異常が生じ、がんなどが起きる心配があった。

 山中教授と沖田圭介・京大助教らは、レトロウイルスの代わりに大腸菌などが持つ環状の遺伝子「プラスミド」 を使ってiPS細胞を作ることに成功した。プラスミドは一般に染色体内に入らず、遺伝子異常を起こす心配がないとされる。

 4遺伝子のうち、細胞作成に欠かせない3遺伝子を一つのプラスミドに、 作成効率を上げる1遺伝子を別のプラスミドに組み込んだ。これらをマウス胎児の皮膚細胞に4回に分けて注入すると、 実験開始から25日目にiPS細胞ができた。染色体を調べ、外から遺伝子が入った形跡がないことを確認した。

 今後はヒトの細胞で同様の方法でのiPS細胞作成を目指す。山中教授は 「iPS細胞を患者の治療に使うために重要なワンステップだ」と話している。【野田武】

論文はこちら

いきなり余談ですが、iPS細胞化のマーカーにはノーベル化学賞で一躍有名になったGFPの融合タンパク質を使っています。

プラスミドベクターを使用して、CAGプロモーター(サイトメガロウイルス、チキン・アクチン由来の強発現プロモーター)でOct3/4, Klf4, Sox2の3遺伝子の間を口蹄疫ウイルス2A遺伝子由来の自己開裂ペプチドで繋いだポリシストロニックなタンパクとして発現させている。 第4の遺伝子c- Mycは別のプラスミドに組み込まれている。

# この方法だと、本来の内在性の遺伝子に対してちょっぴり余計なペプチドを付けてしまうようなので、 最終的な導入遺伝子の機能については検証が必要なところは面倒かも知れない。引用文献はこちら。 これによると、
口蹄疫ウイルス2A遺伝子は翻訳中にリボゾームを滑らせる機能があるようなので” 自己開裂ペプチド(・・・自己消化などで分解するペプチド) という言い方はあまり正しくないような気がする・・・。

プラスミドベクターの場合、ウイルスベクターよりも遺伝子の導入効率は低くなりがちだが、 導入する遺伝子を一つのプラスミド上に構築することで、全体としては遺伝子導入効率を高くすることができる。たとえば、 A,B,Cの3種類の遺伝子を個々に発現ベクターに載せて細胞に導入する場合、最終的にA,B,Cの全てが細胞に導入される効率は、 それぞれの導入効率の積になる。つまり、A,B,Cの導入効率がそれぞれ10%(=0.1)の場合、 3つとも導入される効率は0.1x0.1x0.1=0.001=0.1%程度になる。従って、 最初から一つのプラスミド上に導入したい遺伝子を全て載せておく方が効率は良い、と言う発想だ。

そのかわり、大腸菌や酵母でもプラスミドの分子量が大きくなると導入効率は下がる傾向にあるので、サイズの効果による導入効率の低下と、 単一のベクター上に遺伝子を集積することによる導入効率の向上のバランスの上で戦略を選択することになるだろう。
c-Mycについてはがん遺伝子ということもあり、そのうち使わずに済ませたいと考えて、分けているのかもしれない。

なお、この論文ではプラスミド導入を4回分けて行うことで、プラスミドの核ゲノムへの組込を抑えることに成功している。 たとえウイルスでないプラスミドでも核ゲノムに挿入してしまっては発がんリスクがあるため、それを抑える技術は重要だ。 論文では上手くいったケースと同様のプラスミドを最初に導入した実験で、核ゲノムへの組込が起こってしまっていたのだが、 最終的には導入プロトコルを改良することで克服している。なお、 プラスミドの検出にはバックボーンにプライマーを11カ所設定してPCRを行ってチェックしている。

# ・・・だが、どうしてそのあたりを改良できたのかは素人目には結構謎です。それから、 導入されたプラスミドはどこへ行っちゃうんでしょうね。

カルタヘナ法との兼ね合いで言えば、細胞に感染性の組換えウイルスを使用する場合は大抵P2レベルの拡散防止措置が必要だが、 プラスミドの場合はそのステップで拡散防止措置を執る必要はない。従って、学内・病院内での手続きが若干楽になるメリットはある。

いずれにしても、遺伝子導入の効率を確保しながら発がん性をおさえると言う点では、アデノウイルスを使った方法と同様、 まだ効率に課題があるようです。

 

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2008年8月26日 (火)

ヒトES細胞への遺伝子導入技術の改良

産経ニュースより。

 

ES細胞の遺伝子操作改良 iPS細胞への応用も

 
    2008.8.26 19:42  
 
   

 あらゆる細胞に分化するヒト胚(はい)性幹細胞(ES細胞)     の遺伝子操作を大幅に効率化できる技術を埼玉医科大と京都大、新エネルギー・産業技術総合開発機構が開発した。     特定の細胞への分化誘導や、遺伝子の改変が自在にでき、京都大の山中伸弥教授らが開発した人工多能性幹細胞(iPS細胞)     への応用も見込まれる。再生医療の実現や創薬研究に役立つ成果で、米科学アカデミー紀要に9月9日付で論文が発表される。

   

 ES細胞やiPS細胞を再生医療や臨床研究に応用するには、特定の遺伝子を高い効率で組み込む技術が必要とされる。     研究グループは、感染力が強く毒性の低い「アデノウイルス」を遺伝子の運び屋とする従来の技術を改良。     ウイルスから遺伝子部分を除去した“抜け殻”を作り、代わりに分化誘導や研究に必要な改変遺伝子を組み込んだ。

   

 この運び屋によって導入された遺伝子は、ES細胞でもiPS細胞でもほぼ100%の確率で正常に働くことが確認された。     従来法よりもウイルスによる毒性は低く、神経や肝細胞など治療や研究に必要な細胞への分化誘導が可能になるという。また、     ES細胞の遺伝子の一部を組み替える遺伝子改変の成功率は、従来方法の1%から45%へと大幅に向上した。

   

 マウスES細胞では、遺伝子改変技術を応用した「ノックアウトマウス」がさまざまな疾患研究に貢献しているが、     ヒトES細胞での遺伝子改変は困難とされていた。開発された遺伝子操作技術はノックアウトマウスを作るより確実で、     埼玉医科大の三谷幸之介教授は「研究の促進に結びつく」と話している。

 

この記事では何が画期的なのか分かりにくいので、    技術的な内容についてはNEDOのプレスリリースを見た方が良いでしょう。こちら。    

発表される論文ではどんな研究を行い、どのような事実が示されたのかは、記事によれば、次の通り。    「研究グループは、感染力が強く毒性の低い「アデノウイルス」を遺伝子の運び屋とする従来の技術を改良。    ウイルスから遺伝子部分を除去した“抜け殻”を作り、代わりに分化誘導や研究に必要な改変遺伝子を組み込んだ。    

 この運び屋によって導入された遺伝子は、ES細胞でもiPS細胞でもほぼ100% の確率で正常に働くことが確認された。従来法よりもウイルスによる毒性は低く、 神経や肝細胞など治療や研究に必要な細胞への分化誘導が可能になるという。また、ES細胞の遺伝子の一部を組み替える遺伝子改変の成功率は、 従来方法の1%から45%へと大幅に向上した。

とある。NEDOのプレスリリースも概ねその通りなのだが、ちょっと違う点がある。それは、

この運び屋によって導入された遺伝子は、ES細胞でもiPS細胞でもほぼ100% の確率で正常に働くことが確認された。

と言う点。プレスリリースではこのように書かれている。

ほぼ同様の結果が、 京都大学で樹立された複数のヒトES細胞株とカニクイザルES細胞株で得られることが確認されました。すなわち、 改良型アデノウイルスベクターを用いた遺伝子発現と遺伝子操作技術は、 霊長類ES細胞やES細胞と同様の性質を持つと考えられている人工多能性幹細胞 (iPS細胞)において広汎に応用可能である事が示唆されました。

「示唆されました」というのは、つまり、ES細胞で研究をしたけれど、iPS細胞については実験していない、 けれども予想としては上手くいくだろう、ということです。従って「iPS細胞でもほぼ100% の確率で正常に働くことが確認された。」という記述は間違っている。

 


 

「ヘルパー依存型アデノウイルス・ベクター」というウイルス・ベクターの仕組み自体は、1996年にはもう出来上がっていて、 今回の論文の目新しいところは、ただのヒト体細胞ではなくES細胞を使ったこと。 NEDOのプレスリリースはそのあたりも良く分かるので、非常に良く書けている。ES細胞を使う研究は計画の倫理審査があり、 研究を実施すること自体のハードルが非常に高いがそれに関しては触れられていない。

技術的には、外被タンパク遺伝子を持たない代わりに大きな遺伝子断片を運べるアデノウイルス・ベクターと、 外被タンパク遺伝子を持つけれども自律増殖に必要なE1遺伝子と外被へのパッケージングに必要なシグナルを持たないウイルス・ ベクターの二種類を併用しているところがミソ。パッケージされて細胞から飛び出してくるウイルスには、 ウイルス自身の遺伝子は含まれていない(以下NEDOで公表されている画像)。

これは、山中先生の使ったレトロウイルスや、産総研でiPS細胞の誘導に使ったRNAウイルス(センダイウイルス)とは違って、 DNAウイルスだ。レトロウイルスはランダムにゲノムに組み込まれるので、宿主細胞の思わぬ遺伝子破壊を起こすことがあり、 発ガンリスクがある。一方、センダイウイルスは、iPS細胞の誘導後に除去する方法も開発されているので痕跡を残さない。 発ガンリスクも極めて低い。そのかわり、宿主細胞のゲノムを改変することはできない。

その点、ヘルパー依存型のアデノウイルスであれば、狙いをつけた宿主細胞のゲノム上の特定の領域に、 相同組換えによってDNA断片が導入される。つまり、 患者から採取した細胞で作成したiPS細胞に対して遺伝子治療を行なうことができる。これは、 二本鎖DNAをゲノムに持つウイルスならではで、これまでの他のウイルス・ベクターには無い特徴だ。単に、 高効率で遺伝子を導入するのではなく、霊長類で安定的なジーン・ターゲティングができること、それがこの成果の特徴だ。

この研究はiPS細胞の誘導のその先、細胞分化の誘導のそのまた先、遺伝子治療済みの細胞をヒトへ移植する際の基礎技術になるだろう。 ・・・HLA抗原型の変換ができると画期的なんだけど、的が大きすぎるか。

# ヒトES細胞の高効率ジーン・ターゲティングはそれだけで十分すごい仕事だ。今のところ、 iPS細胞と言う名前を出したのは話題提供以上の意味は無いのだが、一般受けをねらったのかな。

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2008年7月26日 (土)

がん化しにくいiPS細胞

RNAウイルスベクターを使用したiPS細胞の作成が産総研から公表された。

 

がん化しにくいiPS細胞作製に道、産総研が新タイプ

 

 京都大の山中伸弥教授が開発した新型万能細胞(iPS細胞)に近い細胞を、山中教授とは異なるウイルスを使って作ることに、   産業技術総合研究所の中西真人(まひと)・研究ラボ長らが成功した。

 

 がん化しにくい安全なiPS細胞作製に結びつくと期待される。

 

 25日、都内で開かれたシンポジウムで発表した。

 

 山中教授の手法は、3~4個の遺伝子をレトロウイルスを使い皮膚細胞に導入してiPS細胞を作製する。しかし、   細胞のDNAにウイルスが組み込まれるため、がん化などの危険性が指摘されていた。

 

 中西ラボ長らは、細胞内に長期間とどまり、DNAを傷つけない新型のセンダイウイルスを開発。このウイルスを使い、   3個の遺伝子をマウスの皮膚細胞に導入したところ、遺伝子の働き方や細胞内のたんぱく質がiPS細胞と似た状態になった。

 

 中西ラボ長は、センダイウイルスを容易に除去できる方法も開発し、「今後、様々な細胞に変化できる万能性を確認したい」   としている。
  (2008年7月26日03時06分  読売新聞)

レトロウイルスでがん化がおこるのであればセンダイウイルスを使えばいいのに、というのは誰しも思いつくところ (関連する昨年11月のエントリーはこちら) 。効率はどのくらいなんだろう。また、「センダイウイルスを容易に除去できる方法」というのが味噌ですね。また一歩前進という感じです。 次は、ヒト細胞ですね。

あと、「3個の遺伝子」を一つのベクターに入れられれば感染効率の3乗倍ほど効率的なのですが、 センダイウイルスベクターではあまり大きなサイズのインサートは入らないような。かといってコロナウイルスを使うのはちょっと・・・。

またDNAウイルスに逆戻りしても良いのであれば、 哺乳動物細胞では増殖できないバキュロウイルスでも発現ベクターには使えますし、大きな遺伝子断片が入れられます。 ネガティブセレクションができるマーカー遺伝子を入れておけば、ベクターの除去もできるかもしれません。

そうこうしているうちに、薬剤でiPS細胞を誘導すると言う話もちらほらあったような。

 

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2008年6月14日 (土)

iPS細胞・人工万能細胞の遺伝子組換え実験の法規制

カルタヘナ法の規制とiPS細胞を使った実験の兼ね合いを論考したblogがあった。

http://plaza.rakuten.co.jp/sphigomonas/diary/200801260001/

トラックバック先のURLが見つからないのでとりあえずリンクしておく。

規制対象かそうでないかは具体的なケースを並べてみないと分からないので。以下に列挙する。

 

規制対象

 
       
  • レンチウイルスベクターの構築から培養細胞へのトランスフェクションまで。
  •    
  • キメラマウスの作成。
  •    
  • マウス成体へのiPS細胞、iPS細胞から分化させた細胞の移植。
  •    
  • ヒトへのiPS細胞、iPS細胞から分化させた細胞の移植。(治療プロセス)
  •  
 

規制対象外

 
       
  • 樹立させたiPS細胞の培養などin vitroでの実験。
  •    
  • iPS細胞、iPS細胞から分化させた細胞の移植されたヒトの日常生活。 (治療後)
  •  

トランスフェクションできるように外被を被せた組換えウイルスや、そのベクター構築のための大腸菌の組換え実験は当然、 カルタヘナ法の規制対象。

一方、遺伝子導入用のウイルスベクターの多くは(全てではない!)は、 ウイルスとして自立的に粒子を増幅する能力が無い様に欠損変異の導入などがしてあるので、 培養細胞に感染させた状態では、法律上は”遺伝子組換えウイルス”ではない。また、培養細胞も法律上の” 生物”ではないので規制対象にはならない(ただし、 HEK293細胞+アデノウイルスベクターのように明らかに遺伝子組換えウイルス粒子を放出する組合せの場合は規制対象になる)。

ただし、厄介なのは、ウイルスベクターの構造によっては複製可能なレトロウイルス(RCR)が生成する場合があるので、 これが残存する場合には規制対象となってしまう(増殖性のウイルスが生成する場合は他の種類のウイルスベクターでも同様)。

iPS細胞の場合、将来は細胞バンクのような形で医療用の細胞株を樹立しておいて、その時点でRCRの発生が無いことが確認できれば、 いずれは、それを使った移植に関してはカルタヘナ法の規制対象から除外できる可能性はある。・・・厚労省の対応如何ですが。

キメラマウス作成や、マウス成体へのiPS細胞・iPS細胞から分化させた細胞の移植は、 レンチウイルスベクターがマウスゲノムから見て異種生物の核酸であるため、 遺伝子組換え生物の作成に当たるので規制対象

・・・と言う具合に、規制対象になるケース、ならないケースがモザイク状になる。原則は規制対象だが、 培養細胞とヒトを規制対象から除外するルールだと理解すると分かりやすいかもしれない。

なお、遺伝子治療として先行事例のあるウイルスベクターについては、ここに11件の第一種使用の事例が登録されている。 個別の事例の「遺伝子組換え生物等の使用等の方法」の欄を見ていただくと分かるのだが、 いずれもウイルスベクターを導入した細胞を患者さんに投与して数日目以降は第一種使用等には含まれない。

そう。ヒトは”カルタヘナ法の規制対象となる生物”ではないので。

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2008年6月13日 (金)

細胞分化誘導へのアプローチ

6月12日、読売新聞より。

遺伝子3種類で「インスリン」細胞を作り出す

マウスで米大教授ら成功

  【フィラデルフィア(米ペンシルベニア州)=矢沢寛茂】膵臓(すいぞう)に3種類の遺伝子を入れるだけで、血糖値を下げるインスリンを分泌するベータ細胞を作り出すことに、米ハーバード大のダグラス・ メルトン教授らのグループがマウスの実験で成功した。  

 11日、当地で始まった国際幹細胞研究学会で発表した。様々な組織の細胞に変化する胚(はい)性幹細胞(ES細胞)   や新型万能細胞(iPS細胞)を使わずに簡単につくることができ、ベータ細胞が破壊され、インスリンを作れない1型糖尿病の治療への応用が期待される。

 メルトン教授らは、遺伝子操作でベータ細胞を作れないようにしたマウスの膵臓に、ウイルスを運び役にして膵臓に関連した遺伝子を注入。1100種類を試し、受精卵から膵臓ができる過程で働いている3遺伝子がベータ細胞を効率よく作るのに欠かせないことを突き止めた。

 この3遺伝子を入れた2割のマウスで、膵臓の95%を占める外分泌細胞の一部が、ベータ細胞と極めて似た細胞に変わった。インスリンが分泌され、血糖値が下がるのも確認された。直接、ベータ細胞の状態に変わったとみられる。

 1型糖尿病患者は、インスリンを注射するしか血糖値を調節できないため、ベータ細胞をES細胞やiPS細胞などから作製する研究が世界中で行われている。メルトン教授は、「狙った細胞を体内の狙った場所に作れることが分かった。とてもミラクル。神経や肝臓細胞などにも応用できるのでは」と話している。  
  (2008年6月12日  読売新聞)

 論文が出るまで詳細は分かりませんが、「ウイルスを運び役にして膵臓に関連した遺伝子を注入。 1100種類を試し、受精卵から膵臓ができる過程で働いている3遺伝子がベータ細胞を効率よく作るのに欠かせないことを突き止めた。」 という記述からは、iPS細胞の誘導の際に行ったように、遺伝子導入の試行錯誤で辿り着いた成果のようだ。

 この種の切り口がもう少しスマートにやれるようになると色々応用範囲も広がるのだが、 絨毯爆撃方式はお金がかかるしマンパワーもいるしで、社会的なインパクトが大きな成果が見込める場合以外は、 普通はなかなかやれるものではない。

 ちょっと考えてみても、 レトロウイルスに1100種類のcDNAを組み込んでCMVプロモータなどで過剰発現させるとして、コンストラクトを1100種類用意して、 いつでも使える状態にしておくのは結構大変だ。技術的には、Gateway systemのおかげで、 完全長cDNAのライブラリーがEntry vectorに載った物がフルセットあれば過剰発現用のレトロウイルスベクターもシリーズで作るのが比較的簡単なってきてはいる。

 これまでは、例えばiPS細胞の誘導のように、 未分化状態の誘導のためにウイルスベクターでcDNAを過剰発現させるアプローチがとられてきた。今回のニュースでは、 分化誘導のために同様の手法が使われている。考えてみると、未分化状態の細胞というのは遺伝子発現の様相から言えば、おそらく一種類 (あるいは数種類)の状態しかない。逆に、分化した状態の細胞はもの凄く多様だ。上のニュースで上手くいったのは、 ランゲルハンス島β細胞様の細胞だが、これは神経や肝臓細胞どころか、 あらゆる細胞の分化誘導が同じような手法でできる可能性があることを示している。

 となると・・・ レンチウイルスベクターにヒトやマウスの完全長cDNAをのせた過剰発現用ライブラリーをリソースとして網羅的に整備すれば世界的に引く手あまたではないか? ゲノムネットワークもH20で終わるようだし、 FL-cDNAのリソース整備の次はトランスフェクション可能なFL-cDNAライブラリの整備に向かっては。 iPS細胞からの分化制御のキーテクノロジーになりそうです。

 shRNAでは各種遺伝子のノックダウン用のセットが販売されているが過剰発現用のレンチウイルスベクターのセットはまだ見たことがない。 個別の研究者が、ちまちまと完全長cDNAをレンチウイルスに載せ換えている時代でもないだろう。

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2007年11月23日 (金)

ヒトiPS細胞の衝撃

ヒトiPS細胞の実現によって、本格的な再生医療に向けた新たな時代が幕を開ける。

昨年8月、京大再生研の山中伸弥教授と高橋和利特任助手がマウスのiPS細胞の誘導に初めて成功したとCellに発表。体細胞を形質転換することで発生の初期化を行い未分化の状態を作り出す技術だ。

# 植物ならさ、”カルス化”に近い。

これまで、受精胚やクローン胚を作成・破壊しなければならないES細胞と比べて、生命の出発点とも言うべき「胚の破壊」を行なわないので、キリスト教社会においても倫理上の制約は少ないため、研究が進めやすいと考えられてきた。

今般、山中伸弥教授らは、同様の手法でヒトiPS細胞の誘導に成功したと11/20のCellに発表。 Wisconsin大学のグループも11/22のScience (On line)で同様の成果を発表。ただし、導入した遺伝子のセットは半分が違う。

山中グループ           Oct3/4、Sox2、c-Myc、Klf4 

University of Wisconsin-Madison  Oct4、Sox2、Nanog、 Lin28

初期化の際に動く遺伝子群にも数段のカスケードがあると仮定するならば、上流・下流の違いがあるのかもしれない。また、ある種の個人差もあるのかもしれない。そこはまだわからない。

今のところ、遺伝子導入にレンチウイルスを使っているので、作成されたiPS細胞の株ごとに組み込み位置を確認しておかないと、思わぬノックアウトやネガティブ・ドミナンスが起こらないとも限らないので要注意だ。レンチウイルスベクターを使用した遺伝子治療と同様のがん化も懸念されている。

技術的な課題としては、細胞株樹立の効率化と、がん化の抑制がある。がん化抑制のためにアデノウイルスベクターの利用も検討されている様だが、こちらもDNAウイルスであるのでその辺はどうなんだろう(核外で増殖する分には問題ないとは思うが)。センダイウイルスの方が良いかもしれない。

科学的な問題としては、両グループの採用した遺伝子セットの違いの原因、及ぼす作用の究明がある。こっちも重要なのだが、こっちのファンドを大きくすると技術開発のほうが遅れをとるかもしれない。

さて、アメリカはこれまでヒトES細胞を使用する研究予算案に対して大統領が署名を拒否してきた。選挙の基盤であるキリスト教会に対する配慮がその背景にあると考えられるのだが、今般のヒトiPS細胞誘導の成功はその躊躇の理由を一掃するものだ。ホワイトハウスも早速声明を発表し「科学の高尚な目標と人命の神聖さの双方を傷付けることなく、医学的問題を解決できる方法」と持ち上げた。ちなみに、ローマ法王庁も「現時点でわれわれはその研究を合法的とみなしており、それ以上の検証は行わない」とコメントしたらしい。

一方、日本も文科省が5年間で70億を投入と言う報道が読売新聞から出ている。多分、観測記事だろう。平成20年度概算要求はとっくに出ている。果たして、単年度で14億の予算を受けられるキャパが日本の研究機関にあるのか?実際に文部科学省のホームページから予算関係の文書の数字を拾ってみると、そうではなくて、再生医療実現化全般と言う意味で、第二期予算の20年度分が1,510百万円計上されている。この予算枠であれば、記事とはだいたい数字があう。

もし、このことを指すのであれば、

「文部科学省は、京都大のグループが、あらゆる臓器・組織の細胞に変化する能力を持つ「ヒト人工多能性幹細胞 (iPS細胞)」の作製に世界で初めて成功したのを受け、 iPS細胞利用を中心に据えた再生医療の実用化研究に本格的に乗り出すことを決めた。」

という、読売新聞の記事は前提が間違っている。再生医療実現のためのプロジェクト研究は基礎研究段階から連綿と続いており、再生研の業績で急に実用化予算を組んだ訳ではない。それに、現段階では、先端医療としての実用化に入る前に解決しなくてはならない問題が山ほどあることも、プロの行政官たちは良く分かっている。

アメリカの反応?受精卵を破壊するというタブーがなくなったからには、多額の政府予算が投入され、今後爆発的な勢いでこの分野の研究が進められるだろう。日本のように再生医療を目指した研究ばかりではなく、コラーゲンを生成する細胞の自家移植でシワ取りアンチエイジングやら、脂肪組織の幹細胞の移植による美容整形、あるいは膵臓以外の臓器でインシュリンを産生させてI型糖尿病を治療する遺伝子組換え治療など、 QOLを普通以上に向上させたいお金持ち向けのニーズもまた沢山あるのだろうからそれを専門に手がけるベンチャーも生まれてくるに違いない。なにしろお金さえ出せばペットのクローンを作る会社まで現れる国なのだ。SFまがいの近未来はもうすぐかもしれない。

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