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2010年4月4日 - 2010年4月10日の記事

2010年4月 9日 (金)

寒天も栄養になるのか?

各社でこのニュースを扱っていますが、時事通信のこの記事がbestでしょうか。

のり食べる生活に適応=日本人の腸内細菌群-消化遺伝子取り込む・仏大学

 のりやワカメ、昆布などの海藻をよく食べる日本人の腸には、海藻に含まれる多糖類の分解酵素を持つ細菌がいて、消化に貢献している。この多糖類の分解酵素遺伝子は、海藻に付着している細菌から取り込まれた可能性が高いことが分かった。フランスのピエール・マリー・キュリー(パリ第6)大学の研究チームが8日付の英科学誌ネイチャーに発表した。
 この多糖類分解酵素「ポルフィラナーゼ」の遺伝子や、寒天の主成分アガロースの分解酵素「アガラーゼ」の遺伝子は、米国人の腸内細菌群からは見つからなかった。腸内に共生する細菌群は、人間の食生活に適応しているとみられるという。
 日本人の母と乳児では、ともにこれら2種類の遺伝子が腸内細菌群から検出された。細菌群が母から子へ伝わる経 路もあると考えられる。(2010/04/08-07:00)

 酵素の名称まできちんと書いているのは時事通信だけ。他社の記事を見ながら、寒天など紅藻由来の多糖は海苔などの褐藻の多糖とは違うので、一つの酵素では説明が付かないなぁと思っていたところ。しかし、海洋の細菌の遺伝子が人の腸の細菌に水平伝播したという風には読めないところは残念。そこの推定が一つのポイントなのに。

 ちなみにNature newsの見出しは、

A genetic gift for sushi eaters (すし食いへの遺伝的贈り物)

 まあ、海苔を使う料理といえば国際的には"Sushi"なんでしょうかね。Google Newsで"Seaweed"で検索すると結構出てきます。
  • BBC News: Sushi may 'transfer genes' to gut (おいおい・・・すしを食べると形質転換するのか?)
  • ABC Science: Intestinal germ helps sushi digestion (すしじゃなくって海苔だよ)
  • Los Angeles Times: Japanese found to host seaweed-digesting bacteria (日本人が特異なような書きぶり)
 ちなみに論文はこちら。
 海草由来の多糖を栄養にするということについてつらつら考えるに、Agarase遺伝子とアガロースをAgaraseで分解した分解産物であるガラクトオリゴ糖を分解する酵素の遺伝子を組み合わせると、バクテリア用の選抜マーカーになりそうだな。形質転換対はグルコース抜きのLB培地でも繁殖できる。コロニーが大きくなると寒天培地が凹むという・・・。液体培地には炭素源としてクラッシュタイプの寒天培地を混ぜておけばOKとか。
 酵母のツーハイブリッド用のベクターにはものごく向いているかもしれません。アガロースの最終的な分解産物であるガラクトースまでいけばGal10プロモーターを活性化するし。

 植物細胞はガラクトオリゴ糖を分解できるので、Agarase遺伝子単独で組換え植物の選抜マーカーになるかもしれません。

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2010年4月 6日 (火)

”ゆめぴりか”を食べてみた。

 近所のスーパーで調達できるコメといえば、茨城県産コシヒカリか、あきたこまちと相場が決まっている。時には、最近食味が向上していると評判の北海道産米を食べたいと思っても近所では売っていない。

 ということで、ネットで買うことにした。調達先は”どさんこハヤシ商店”。上川農試育成のゆめぴりかと、北濃試育成のおぼろづきのセット、各5kgで合計\5,350、しかも注文後精米という、お得なセットがあったので買ってみた。これなら金額的にも近所のスーパーでコシヒカリを買うのとほとんど変わらない。というころで、食感レポート。

---

 食べた感じですが、この”ゆめぴりか”、育成者、佐藤毅さんの”畢生のマスターピース”となるべき一品かもしれません。少なくとも食味では。コシヒカリのようにべたつかず、それでいてふっくらと軽い口当たり。低アミロースなのにあまり固まりにならないという、これまであまり食べたことがない食感でした。

 持ち上げた後でアレですが、炊飯米の外観上の特性としては、あまり艶がありません。もしかすると可溶性のデンプンが少なめなためかもしれませんが、そうであれば、べたつかない食感とのトレードオフなので仕方ありません。
 実は我が家での最初の1回目の炊飯では、米びつに残っていた0.4合ばかりのコシヒカリをブレンドして2合にして炊いたのですが、炊飯後の米粒の長軸方向の「のび」がゆめぴりかの方が大きかったように感じました。欠点と言うよりは特徴なのですが、見た感じコシヒカリよりも1割強飯粒が長く、粒幅が若干狭いようでした。外観上ちょっと細長く見えますが、ひょっとすると、この形状が軽い口当たりと関係があるのかもしれません。しかし、この見栄えは鮨屋さんにはあまり受けないかもしれません。

 品種はオールラウンダーでなければいけないので後でぼろが出ることもあるのですが、そうならないことを期待しています。普及面積が増えてからの品質の維持が一つの勝負所かもしれません。来年は産地銘柄指定できるゆめぴりかを買いたいと思いました。

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2010年4月 5日 (月)

「大腸菌問題」って・・・

 内部告発された”出来事”の事実関係も含めて微妙な案件。生命倫理・安全対策室の皆様もご苦労様。

香川大:大腸菌問題 違法処理の疑いで文科省が調査  /香川

 香川大医学部の研究室が遺伝子を組み換えた大腸菌の培養液を違法に処理した疑いがある問題で、報告を受けた文部科学省は2日、職員2人を派遣して 現地調査をした。

 調査は非公開。大学側は阪本晴彦・同学部長や調査委員会のメンバーら8人が対応し、事実関係の確認や調査の進み具合、問題となった実験の現場を視察した。

 同省ライフサイエンス課生命倫理・安全対策室の井上俊樹・室長補佐は「大腸菌は安全性が高く、施設内で滅菌処理されていると報告を受け、安全面では大丈夫かと思う」と感想を述べ、違法行為があったかどうかについては「引き続き大学側に調査をお願いしたい」とした。

 阪本学部長は「全部説明してご理解いただいたと思う。今後の調査もなるべく早急に行って報告したい」と話した。【三上健太郎】

別の報道では、

香川大、違法廃棄の疑い/遺伝子組み換え培養液

2010/03/31 10:04

 香川大医学部の生体情報分子学の研究室が、実験で遺伝子を組み換えた大腸菌の培養液などを滅菌処理せず、流しに捨てて処分し続けていた疑いがあるとして、香川大が調査していることが30日、分かった。遺伝子組み換え生物は生態系に影響を及ぼす恐れがあり、「遺伝子組み換え生物使用規制法」で処理方法が定められている。文部科学省も近く実地調査に乗り出す方針。

 香川大によると、18日に「医学部の実験室で、遺伝子の実験に使った溶液などを違法処理している」と阪本晴彦医学部長へ関係者が内部告発した。大学は26日、学内での遺伝子組み換え実験をすべて停止するとともに、調査委員会を立ち上げて学校内外の水質検査などの実態調査を開始、29日に文部科学省へ報告した。

 調査では、遺伝子組み換え実験は学長に申請していた実験室とは異なる部屋で行われ、学内規程に違反していたことも判明。水質調査の結果や大腸菌の培養液などの処理方法について同大は「まだ調査が始まったばかり。何もコメントできない」としている。

 文部科学省は省令で、遺伝子組み換え生物の拡散防止措置として、実験室内での飲食を禁止している。関係者によると、香川大医学部の実験室内では、実験中の飲食が常態化していたという。

 香川大の担当教授は四国新聞の取材に対し、「研究室内でそのような違法行為は一切ない」と答えた。

 うーん。漂白剤やUVで不活化した大腸菌も生きている大腸菌も同じように見えるし、組換え大腸菌もコンピテントセル作成のために増殖させたホストも同じに見えるので、「大腸菌の培養液などを滅菌処理せず、流しに捨てて処分」した有様を目撃しただけでは、その場で違法かどうかまでは判断できない・・・何を捨てたのか熟知している、捨てた当事者なら話は違うが。

# 最近はホストセル自体が組換え体という株もあるので、ホストセルだからといって安易に流しには捨てられないものもある。

 プラスミドや組換えタンパク質の調製のために培養した大腸菌の培養液をそのまま流しに捨てることはない。プラスミドもタンパク質も回収しないなんて、第一もったいない。しかし、集菌後の遠心上清を滅菌せずに流しに捨てたのなら、違法の疑いがある。

 「組換え大腸菌」一般を単離する方法は無いが、流しのトラップの水を遠心分離して沈殿を、研究室で使っている数種類の抗生物質を1種類ずつ入れたLBプレートにスプレッドして培養すると、なにがしかの予想はできる。一晩培養してコロニーが生えている様なら液体培養に回してプラスミドを抽出するか、pUCベクター用のユニバーサル・プライマーでコロニーPCRをすれば、運が良ければ(あるいは、”運が悪ければ”、だが)組換えDNAが検出できるだろう。

 とりあえず実験中の飲食はやめましょう。これは一目でわかるので。

 ともあれ、全学的な組換え実験中止というのは非常にダメージが大きいし、はた迷惑だ。日常業務の点検の呼びかけの意味ならまだ意味はあるのだが、それ以外の意味はない。文科省でもそういう指導はしていないことだろう。

 さて、この件、どう決着が付くだろうか。

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