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2010年3月21日 - 2010年3月27日の記事

2010年3月25日 (木)

出芽酵母のRNAi

出芽酵母でRNAiをおこさせる系を再構築できていたんですね。私は、数年前にパン酵母(Saccharomyces cerevisiae)ではRNAiが起こらないらしいと知って驚いたものですが、これはそれをひっくり返す研究でした。    

Drinnenberg, Ines A., David E. Weinberg, Kathleen T. Xie, Jeffrey P. Mower, Kenneth H. Wolfe, Gerald R. Fink, and David P. Bartel. “RNAi in Budding Yeast.” Science 326, no. 5952 (October 23, 2009): 544-550. http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/326/5952/544 .

 論文の力点はまず数種の出芽酵母でRNAiが起きていると言う証明にあります。次に、パン酵母の近縁出芽酵母のDicerとArgonauteのキャラクタライズ。そして、パン酵母(Saccharomyces cerevisiae)にRNAiをおこす能力のある近縁出芽酵母のDcr1Agoのホモログを導入して、RNAiを再構築・・・。

 裏を返せば、パン酵母でもRdRやRNAヘリカーゼ等RNAiに必要な他の遺伝子群は-若干のバリエーションはあるかも知れないけれども-おそらくは一式保存されているということになります(この論文ではヘアピンRNAを使っているのでパン酵母のRdRの活性については本当にあるのかどうか注意が必要)。

※ "Alternatively, overexpression of Ago1, Dcr1, and a hairpin precursor might be sufficient to enact RNAi in S. cerevisiae, but they might require additional factors for efficient silencing when expressed at physiological levels in S. castellii." と言う記述がありますので、Ago1とDcr1を過剰発現させるとRNAiが起きるものの、RISCのようなcomplexを作れないために、あまり効率が良くないということなのかもしれません。

 しかし、パン酵母ではRISCを形成しなくてもRNAiが起きるのであれば、他の生物種のArgonauteやDicerが機能するかどうか、出芽酵母に導入して検定することができるかもしれません。

 以下メモ。
---
 パン酵母(Saccharomyces celevisiae)の近縁種にあたる3種類の出芽酵母Saccharomyces castelli, Kluyveromyces polysporus, Candida albicansについて、small RNAライブラリの大規模シーケンスから、他の種はRNAiに関与している塩基配列に似た約23塩基の配列を検出した。ゲノム上へのマッピングから、これらの配列の幾つかがタンデムに並んでおり、ある分子の3'末端の生成は同時に隣接する分子の5'末端を生成すると考えられ、3’側に2塩基のオーバーハングが見られた。これはDicerで切断されたdsRNAの特徴に一致する。

 これらの酵母はAgoホモログは持っているが、真性のDicerホモログは持っていなかった。ではなぜRNAiが起きるのか?

 結論から言えば、これらの酵母のコードするDcr1(RnaseIII様の酵素)がDicerの役割を果たしていた。
S. castelliの RNAiの解析の話は省略。

S. castelliのAgoとDcr1をSaccharomyces cerevisiaeに導入しGal10プロモーターで発現させ、リポーター遺伝子(GFPとURA3)のヘアピンRNAも同時に発現させると、リポーター遺伝子をサイレンシングさせるRNAiを再構築することができた。しかも、内在性のTyトランスポゾンにサイレンシングが生じていた。 著者らは、S. cerevisiaeのRNAiの喪失は、進化途上でトランスポゾンがRNAiの喪失に正の淘汰圧が働いた結果ではないかと推定している。

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2010年3月24日 (水)

家族ゲノム

20年ほど前だったか、松田優作主演の家族ゲームという映画があったっけ・・・そうではなくて、4人家族のゲノムをそっくり解読しましたというのがこの論文。

Roach, Jared C., Gustavo Glusman, Arian F. A. Smit, Chad D. Huff, Robert Hubley, Paul T. Shannon, Lee Rowen, et al. “Analysis of Genetic Inheritance in a Family Quartet by Whole-Genome Sequencing.” Science (March 10, 2010): science.1186802. http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/science.1186802v1 .

何かの変異について原因遺伝子を特定しようとすると、作物など栽培できる植物の場合は雑種集団を作って表現型と遺伝子型の分離を調べてゲノムウォーキングをして・・・と言う手順で原因遺伝子候補にたどり着き、最後は遺伝子組換えで野生型の遺伝子を導入してコンプリメンテーションを確認することで一件落着させている。

しかし、ヒトの場合は研究者が雑種集団を勝手に作る訳にはいかないし、遺伝子組換えでコンプリメンテーションを確かめるわけにも行かない。そこで、これまでは家系図を辿って数世代の親子関係と親戚の関連を確かめて、DNAマーカーで特定の領域まで狭めると言う戦略が永く採られてきた。 連鎖解析あるいは連鎖不平衡マッピングと言われる解析手法だ。

最新型の超高速のシーケンサーを使って親子のゲノムを一気に解読すると、ホモ接合で遺伝病(この論文の場合は、ミラー症候群と原発性線毛運動不全症)の発症と関連する領域が特定できる。もはや質的形質の原因遺伝子の特定については(物質の量に換算すると何でも量的形質にはなるのですが)、家系をたどってSNPで染色体の保存領域を同定する分析手法や自然集団を利用したゲノムワイド・アソシエーション解析さえも過去のものになりつつあるようだ。

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