2020年4月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

最近のトラックバック

どこからきたの?

  • なかのひと

Google Analytics

« 2010年6月 | トップページ | 2010年8月 »

2010年7月の記事

2010年7月25日 (日)

豪雨

Photo_2 Photo
(グラフはウエザーニュースより)

 19:10くらいまで29℃あったつくばの気温は雨が降り出す前から急降下。最初の10分間に7℃、20分間に9℃下がりました。9時現在の気温は21.9℃。エアコンなしで十分眠れます。
 雨が降り始める直前から気温が下がり始めた様子は寒冷前線の通過を連想するのだけれど、天気図では等圧線の間隔がもの凄く広くてそんな感じではありません。おそらく、ダウンバーストの一歩手前の積乱雲からの下降気流でしょう。

人気blogランキングへ←クリックして いただけますと筆者が喜びます!

2010年7月19日 (月)

日本のナレッジ・ワーカーに将来はあるか?

 私は経営学には暗いのだが、ナレッジ・ワーカー(knowledge worker、知識労働者)という言葉は、ピーター・ドラッカーの造語らし いということは辛うじて知っている。意味は、

The term was first coined by Peter Drucker ca. 1959, as one who works primarily with information or one who develops and uses knowledge in the workplace.

  この定義によれば、研究者、技術者、経営者、官僚、政治家等がナレッジ・ワーカーに含まれることになる。以下、ドラッカーの著書を引用する。

 しかもいまや知識労働者は、アメリカ、ヨーロッパ、日本など高度の先進社会が、国際競争力を獲得し、維持するための唯一の生産要素である。

 これは、特にアメリカについて言える。アメリカが国際競争力を持ちうる唯一の資源が教育である。アメリカの教育は理想にはほど遠い。しかし、たの貧しい国よりははるかに進んでいる。教育は、最も高価に付く投資である。自然科学の博士号には、一人につき10万ドルから20万ドルの社会投資を必要とする。そのようなものは、きわめて豊かな社会でなければ手に入れられない。
 したがって、教育は、知識労働者の生産性さえ確保できれば、最も豊かな国であるアメリカが真の優位性をもちうる唯一の領域である。そして知識労働者の生産性とは、なすべきことをなす能力のことである。成果を上げることである。

ピーター・ドラッカー著、上田惇生訳「経営者の条件」、ダイヤモンド社 p. 22

 この本が最初に出版されたのは1967年、昭和42年である。当時アメリカに住んでいた経営学者(出身はオーストリア)の目から見て、「アメリカが国際競争力を持ちうる唯一の資源が教育である。」と指摘したことに、私は大きな違和感を覚える。日本と比較すれば、今日のアメリカは広大な国土を持ち、鉱物資源は豊富で、農業生産性は今や非常に高い。その相対的な関係は40年以上前とさほど変わっていないだろう。

 それでもなお、この高名な経営学者は「アメリカが国際競争力を持ちうる唯一の資源が教育である。」と指摘していた。

 翻って、では今日の我が日本はどうなのだ?と考えてみると、広大な国土を持たず、鉱物資源に乏しく、農業生産性はお世辞にも高いとは言えない。40年以上前のアメリカと比較して、こうまでも恵まれていない今日の日本が「国際競争力を獲得し、維持するための唯一の生産要素」は、40年以上前と同様に、やはりナレッジ・ワーカーではないのだろうか?

 この文章なのかで興味深いもう一つの点は、ドラッカーが国際競争力の礎となる教育に対する投資の例(あるいは、資源としての知識労働者の代表)として挙げたものが、「自然科学の博士号」であった点である。我が国は、今や高等教育に対する社会投資を削減しようとしており、しばらく前から「自然科学の博士号」を持った人材の就職難が社会問題となってさえ居る。

 あるいは、今日の日本はドラッカーが40年以上前に予想した社会の未来像をはるかに超えて、「自然科学の博士号」を持った人材が普く社会に行き渡り、その結果余剰になっているのだろうか?私はそうは思わない。残念なことに、日本は貴重な資源の適切な使い方を知らないまま浪費しつつあり、しかもその再生産能力さえも失いつつある様に思う。なぜならば、知識労働者となりうる人材は「きわめて豊かな社会でなければ手に入れられない」ものであり、日本はそのための社会投資の余裕を失いつつあるのだから。

人気blogランキングへ←クリックして いただけますと筆者が喜びます!

2010年7月16日 (金)

blog再開します。(さて、どうやって血栓を予防するか)

 予定通り退院しましたのでblogを再開いたします。
 このblog、別に私の生存証明のつもりではないのですが、日常的に他の手段での生存確認をしていない人達にとっては、ある意味の生存証明なのだなぁと思うこともあり・・・。

 今回の入院中に施術していただいた経皮的冠動脈形成術(PCI)は、いわゆる橈骨アプローチ -手首の動脈からカテーテルを挿入する- で施術されました。前回の鼠経部からのアプローチから見ると、挿入できるカテーテル(+ステント)の直径は少々小さくなる様ですが、施術後の回復が早い(止血の時間が短い+痛みが少ない、施術後当日中に早く動けるので自力でトイレに行ける)ので、体への負担は小さくて済みます。
 今回使用されたステントはSypherと、Xience Vが合計4本 。Xience Vは今年2月から国内で使用できる様になったステントなので、私が初めて経皮的冠動脈形成術をうけた昨年10月にはまだ使用できませんでした。医療技術の日々の進歩を身を以て感じます。ただ、前回の治療(6カ所留置)と併せると、私の冠動脈には、Sypher + Endaevor + Xience V という日本国内で使用可能な薬剤徐放型の3種類のステント、合計10本が留置されています。こういう患者は、恐らくそう多くはない(し、普通は統計処理の対象にはならない)ので、予後がどうなるかは神のみぞ知ると言うところでしょう。糖尿病や腎臓病で血管壁がもろいと言うこともなく、心おきなくステントが留置できるのでしょうね。ただ、ステント同士の相互作用の有無については知見がないと思います。

# 結局、現時点で私の冠動脈には10本のステントが留置されています。これ以上の治療は対症療法としては有効でしょうが、狭窄のコントロールという意味では根本的な問題解決にはならないと思います。

 長期的には、新しい世代のステントの使用から予想される予後に対しては、旧世代のステントが足を引っ張る傾向があると考えられます。医療の現場では、その時々ベストを尽くして選択肢を選んでいる(と考えられる)ので、だからといってその選択が間違っているとは思いません。今の私の心臓の寿命は、最も旧世代のSypherステントにかかっているのかもしれません。
 私の場合、前回の治療後の8ヶ月後のフォローアップ造影検査では、ステント内の再狭窄と血栓に関しては再発が見られなかったことから、ステント留置部位については特に高リスクではなかった様ですので、DESについてはどの種類 x 世代の製品でも、ステント留置に起因するリスクは、製品の世代によらず、そう変わらないように思います。
 ともあれ、今回の治療でも最も重症であった、昨年10月末からの8ヶ月の間に90%狭窄が起きた部位(ステントは留置されていない)では血栓の発生が見られましたので、今後の再発防止の方向性としては血栓の防止が特に重要であると考えられます。

# さて、血圧とコレステロールは投薬でコントロールされています。あとはストレスの回避?どうする?

 既にバイアスピリンとプラビックスを常用して血栓をコントロールしている現状、この上、どうやって血栓の発生を予防するか、有効な手だてがあるとも思えないのですが・・・?再検査までの向こう8ヶ月間、期間限定ですが、命がけですので私にとっては日常業務よりも重要なトライアルです。さて、どうしたものか。東北・北海道の沿岸部で暮らしてきた私の先祖の食生活にならって、タンパク源は魚以外は口にしないとか・・・(出血しても止まらなくなりそうなんですけど・・・)。

人気blogランキングへ←クリックして いただけますと筆者が喜びます!

2010年7月 7日 (水)

blog中断します

 

予定通り7/8-15の間、冠動脈疾患の治療のため入院いたします。その間、blogの更新はいたしませんので予めお知らせいたします。

# とはいえTwitterがあるので、”点滴中なう。右腕が動かせないので携帯が操作しにくい”なんてつぶやいているかもしれません。

人気blogランキングへ←クリックして いただけますと筆者が喜びます!

2010年7月 6日 (火)

コア・コレクションのPooled DNAからSNPsをさがす

 先週の金曜、土曜とイネ遺伝学・分子生物学ワークショップ2010に参加した。最近、アカデミックな集会にはご無沙汰しているのでやけに新鮮だった。
 ともあれ、この分野では、次世代シーケンサーの利用はまだ”はしり”なので、生物研関係の発表に限られていたけれど、そこからあれこれ見え始めたものがある。

 測定器の感度、分解能が向上するとこれまで問題にならなかった微細な違いが見えてくる。たとえば、品種内のSNPs。変異体の全ゲノム解析をする場合、リファレンス・シーケンスにないSNPを見つけたと思ったら、リファレンスシーケンスを作成した際の元の品種内にすでに多型が生じていることがあるらしい。特に、集団育種で育成した品種の場合は要注意。単なるシーケンスの読み取りエラーと区別するノウハウの確立も今後の課題。

 ・・・という事実から推論して、イネやムギの様に表現型で選抜を受けながら比較的純粋に維持されている作物でも、在来品種のような遺伝資源は、一つのアクセションは遺伝的な多様性を維持した集団であると仮定して、コアコレクションを作成する際も、ある程度の遺伝的多様性を許容したほうが現実的なのだろう。

 でもそういう場合、多型的な塩基をデータベース上に上手くアノーテーションとして記録するためのシステマティックな方法は開発されていないようなので、どう記録して、知的基盤としてどのように共有するのかは今後の課題だろう。多分、ヒトのパーソナル・ゲノミクスが進展した際にも同じ壁にぶつかる。個人のゲノム情報を疫学的データと結合させるための記述方法についてのコンセンサス会議みたいなものはまだ行われていないのだろうか。

 次のテーマ、われわれはQTLの本体を単離するために、いつまでchromosome walkingをしなくてはいけないのか?とある情報では、早くも北京ではイネの分離世代の複数の個体の全ゲノムシーケンスをしてQTLの本体を単離しているとか。いちいち分離世代のマーカー遺伝子型を決めたりBACのスクリーニングをするよりも、全ゲノムの配列を決めるほうが手っ取り早い時代に既になっている。あとはお金次第。いずれ、もうすこし次世代シーケンスの単価が下がれば、現実的なプロジェクト予算の金額で解決できるようになって、これまで研究者が何年もかけてchromosome walkingをしていた部分の仕事が、数週間で、しかも外注でできてしまうようになるだろう(研究者の人件費を考えると既に・・・)。

 今のところ、分離世代の個体ごとに全ゲノムのシーケンスをしているようだが、今年に入って以下のような論文や、類似の研究が続いている。

Andreas Futschik and Christian Schlotterer, “Massively Parallel Sequencing of Pooled DNA Samples--The Next Generation of Molecular Markers,” Genetics (May 10, 2010): genetics.110.114397.   

 ヒトの集団遺伝学的なサーベイを目的に、多数の個体由来のDNAをpoolし次世代シーケンサーでまとめてシーケンスすることで集団内の全SNPsの種類と頻度を一気に決めるとする。この論文は、その場合に検出可能な低頻度のalleleの検出限界や集団内の遺伝子頻度(と誤差)の推定、どの程度のリードの厚さがあれば個体別に全ゲノムを決めるよりも経済的に問題を解決できるのか、という数学的フレームワークに関する研究。正直なところ、難しかったのでMethodsを飛ばしてResultsに飛びついてしまったけれど、オチはわかった。pool DNAの方にもそれなりの利点はある。
 極低頻度のalleleであればエラーに埋もれる危険性があるけれど、厚く読めばそれは回避できる。では、その厚さと集団の個体数はどのくらいが妥当かという問題には今のところクリアカットな解はない。・・・というか、エラーの特性はシーケンスをするプラットホームにも依存するので、実験的な側面からの検討も併用しないと、シミュレーションだけで答えは出せない。上記の論文のように理論面からアプローチするグループだけでなく、ウエットな方面から攻めるグループも出始めている。
 このあたりの検討を済ませた上で、F2集団やBIL, RILのPooled DNAの全ゲノムの塩基配列を決めれば、いちいちwalkingする必要はなくなるはずだ。分離集団の場合は、pool内のalleleは基本的に2種類で、レアなSNPsなど存在しないので話はもっと単純だ。
 ついでに言うと、この種のPooled DNAでの全ゲノム配列の決定はイネのコア・コレクションのGWASにも影響する可能性が高い。現実的なコストの範囲で、系統数 x 数倍の厚さでPooled DNAのゲノム読めるのであれば、全系統のゲノムを決めるよりも経済的だ。ただし、この方法では、系統ごとのハプロタイプを決めることはできない点が大きな欠点なので、集団構造の推定もできない。したがって、集団構造を推定するためには、改めて測定したいSNPsを絞り込んでタイピング・アレイを使ってハプロタイプを決める必要があるだろう。

 遺伝・育種方面への次世代シーケンサーの使い方を今のうちに考えておこう。

人気blogランキングへ←クリックして いただけますと筆者が喜びます!

« 2010年6月 | トップページ | 2010年8月 »

twitter

  • Bernard_Domon

Ranking

  • にほんブログ村 科学ブログ 生物学・生物科学へ
    日本ブログ村
無料ブログはココログ