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2010年6月17日 (木)

Google booksでアメリカの教科書を覗き見

 昨日、とある図版を探していてGoogle booksで"Plant breeding"(植物育種)を検索してみました(育種という言葉にはなじみのない方もいらっしゃるでしょうから説明しますと、”品種改良”のことを農学分野では昔から育種(breeding)と呼んできました)。

 農学分野の大学や大学院には育種学研究室があるところも多いし、日本育種学会という学会もあります。私も、育種学が専攻で仕事として作物の育種をしていた時期もありますし、現在の仕事も広い意味では育種の一部といえるものです。

 様々な工業製品がモデルチェンジを繰り返して白熱電球が電球型蛍光灯に進化し、それがLED電球に変わっていくように、実は農業生産に使われている作物もモデルチェンジをしています。植物育種学はそのモデルチェンジを支える裏方仕事と言うところです。

 さて、Google booksで見た"Plant breeding"に関する本ですが、結構凄まじいものが出版されています。

 アメリカのトウモロコシ育種の大御所Arnel R. Hallauerの名前を冠した国際シンポジウムの要旨集ですが、過去、現在、未来のPlant breedingとは何かに答えるべくまとめられた野心的な一冊です。Google booksのpreviewで多くの部分が読めますが中でも、p.20では一般的な新規の遺伝子組換え作物開発のスキーム(育成過程の何年目あたりから各種の規制のクリアに取りかかるか)が示されていたり、p.31では、allozyme, RFLP, RAPD, STR, SNPの効率と利用の経過が示されていたり、日本の植物育種関係の出版物ではなかなかお目にかかれない先進的なテーマが扱われています。
 植物の育種に携わる人口が日米では大きく違うので、その人材供給に関わるアカデミアの層の厚さも当然違っています。なおかつ育種分野における産学の距離も両国では大きく違うので、そのあたりの事情がこういうところにも反映されているのかもしれません。
 あと、教科書ですね。

 Future of plant breeding in society (将来における植物育種の社会的位置づけ)というセクションの最初にこうあります。

The technology for using plants as bioreactors to produce pharmaceuticals will advance; this technology has been around for over a decade. Strategies are being perfected for use of plants to generate pharmaceutical antibodies, engineering antibody-mediated pathogen resistance, and altering plant phenotypes by immunomodulation.

 私たちが現在挑戦している仕事は、アメリカの育種の教科書の描く未来像でもあるんですね。こうでなくては研究開発は挑む価値がありません。・・・あまり未来だと困るんですけどね。

 ともあれ、Previewとはいえ、こういう教科書を只で読めるなんて、今時の学生は幸せです。

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