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2010年3月10日 (水)

認可まで13年 - BASF開発の遺伝子組換えバレイショ -

 2010/3/5 EU委員会はBASFの開発した工業用の遺伝子組換えバレイショ, Amfloraの商業栽培に同意した。Amfloraの商業栽培の合意までには13年もかかっており、その間にBASFは難防除病害である疫病に抵抗性のある組換え品種Fortunaも開発している。おそらくBASFの次の関心は、Fortunaなど他の品種認可に向かっていることだろう。Amfloraは工業用のデンプン原料になるのだが、分別流通や EUの共存施策にかかるコストを考慮すると商業的に成算があるのか若干不透明だ。

 ちなみに、AmfloraはGBSS遺伝子のantisenseを導入して遺伝子発現を抑制している。GBSS遺伝子はデンプンを構成する直鎖状の 分子であるアミロースを合成する酵素をコードしている遺伝子である。GBSS遺伝子の発現を抑制すると、植物体内で合成されるデンプンは枝分かれ構造を持ったアミロペクチンのみからできあがる。米で言えばモチ米、トウモロコシで言えばWaxy cornがこれにあたる。

 バレイショはゲノムの構成が同質4倍体であるため、突然変異処理で4重劣勢変異体を作成することが非常に難しい。しかし、最近は TILLING(Targeting Induced Local Lesion. IN Genomes)という、DNA多型を利用して表現型では隠れている劣勢突然変異を選抜する方法も開発されているので、バレイショではGBSS遺伝子の4重劣勢変異体を作成した例も報告されている(ちなみにこちらの論文、resultsを見ると私の論文を引用してくれております。お役に立てて何より)。

 代替技術で解決できるものは、外的な要因で技術開発にブレーキがかかると、とってかわられてしまう可能性があるという事例。もっともTILLING 自体は新しく優性の遺伝子を作出する技術ではないし、設計通りの新規の遺伝子を導入する技術でもないので、作物育種においても遺伝子組換え技術を代替でき る適用範囲は極めて限定的である。

 しかし、13年という期間は長すぎる。たとえば日本で開発される、イネ、ムギ、ダイズの並の品種であれば、10数年あれば新しい主力品種に交代され てしまうのだ。種苗法の定める品種としての保護期間は25年なので、どの時点で登録するかによって、補償金のもらえる期間が大幅に短くなってしまうので育成者のインセンティブを殺いでしまうことになりかねないのだから。

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