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2009年11月15日 - 2009年11月21日の記事

2009年11月18日 (水)

[お詫びと訂正] 事業仕分けに対して意見募集、ではなく・・・

私、昨日のエントリーにおいて一つ、大きな誤解をしておりました。

原因は昨日、「文科省、仕分けの“反論”募集 政務三役が指示、HPで 」と言う見出しの記事を読んで事実誤認してしまったためです。今日、分子生物学会から次のようなメールを受け取り、さらに、なんだかしっくりこない感じがして考えてみたのですが・・・

日本分子生物学会 会員の皆様

重要なお知らせ 「行政刷新会議の競争的資金の評価について」

              特定非営利活動法人 日本分子生物学会
                    理事長    岡田 清孝

現在続行されている行政刷新会議の事業仕分け作業の中には、我々研究者にとって研究の支障につながる重大な変更となる可能性のあるものがあります。

<参考>
行政刷新会議ホームページへのリンク

http://www.cao.go.jp/sasshin/index.html

11月13日に行われた行政刷新会議の事業仕分け作業の内に、
事業番号3-20  競争的資金(先端研究)
事業番号3-21  競争的資金(若手育成研究)
事業番号3-22  競争的資金(外国人研究者招へい)
があり、評価コメントには頷けるものもありますが、評価結果はいずれも厳しく、競争的資金(先端研究)については「一元化も含めシンプル化」と「予算の縮減」を、競争的資金(若手育成研究) と競争的資金(外国人研究者招へい)については「予算の縮減」となっています。

これらの評価結果は直ちに来年度予算に反映すると思われます。
文科省の担当部署でも危機感を募らせており、研究者からの意見を求めています。

(文部科学省ホームページへのリンク)
http://www.mext.go.jp/a_menu/kaikei/sassin/1286925.htm

意見のある方は、担当副大臣・政務官(中川正春・後藤斎)へのメール
(宛先: nak-got@mext.go.jp)で意見を連絡して下さい。
(様式自由、必ず「メールの件名(タイトル)」に事業番号、事業名を記入してください)とのことです。

また、文科省のホームページでは、意見送付の期限を「予算編成にいたる12月15日までに」としていますが、効果のあるのは、今週末までの意見分布だとのことです。

”意見送付の期限を「予算編成にいたる12月15日までに」としていますが、効果のあるのは、今週末までの意見分布だとのことです。 ”という情報は非常に重要ですが、このメールでも、「行政刷新会議の競争的資金の評価について」として、文部科学省が”行政刷新会議の評価に対する意見募集”をしているように読めます。

しかし、それは違うんです。

文部科学省の意見募集の表題は、

行政刷新会議事業仕分け対象事業についてご意見をお寄せください

・・・文科省の行なう「対象事業」に対する意見募集なんです。他省庁の業務に対して意見募集なんてできませんから、事業仕分けのコメントそのものに意見募集する訳が無い。

なので、メールで文科省に対して、事業仕分けのやり方がどうのとか、対象の選定方法が不明瞭とか、仕分け人の選定がけしからん、と言ってもノイズにしかならないんです。そうではなくて専門的な視点から、(事業仕分けの論点とコメントを意識しつつ)その事業の意義を強調する意見を寄せるのではなければ。

昨日の時点で新聞各社の報道が少ないと思っていたのですが、今日になって各誌で報道されています。しかも、

  • 仕分け事業の意見募集=文科省 (時事通信): これはまとも。
  • 事業仕分け、一般から意見募集…文科省 (読売新聞): ×
  • 文科省:仕分けに抵抗? HPで国民の意見募集  (毎日新聞): ×
  • 文部科学省、“事業仕分け”に関する意見募集ページを公開  (RBB Today): ×
  • 事業仕分けに反撃?文科省、HPで意見募集 (朝日新聞): ×

といった具合に事業仕分けに対する意見募集のように読めてしまいます。もし、あえて読者を誤読させるように誘導しているのであれば非常に悪質な報道です。

皆様も誤解のないようにご用心!

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2009年11月17日 (火)

事業仕分けに対して意見募集

「求む応援団」と言ったところでしょうか。文部科学省が行政刷新会議の事業仕分けに対する国民意見の募集をホームページでしています。

文部科学省の意見募集

行政刷新会議事業仕分け対象事業についてご意見をお寄せください

(募集期間は予算編成にいたる12/15まで、とありますが早めの方が文科省の理論武装に役立つでしょう)

新聞であまり取り上げられないところに新聞社の阿りを感じましたので、このblogではあえて取り上げます。

文科省、仕分けの“反論”募集 政務三役が指示、HPで

 文部科学省は16日、「廃止」など厳しい判定が相次ぐ行政刷新会議の事業仕分けの結果について、ホームページ(HP)で意見募集を始めた。川端達夫文科相ら政務三役が指示。ネットで“反論”を集め、年末の来年度予算の編成で巻き返しを図りたいとの思惑があるようだ。

 HPには、今月11日と13日に仕分け対象となった文科省の16事業と行政刷新会議の判定結果を記載。意見の提出先として副大臣と政務官のメールアドレスを明記しており、締め切りは12月15日。   

 文科省は募集の理由について「国民の声を財務省との折衝など予算編成に生かしていくため」と説明している。

  文科省の事業では、これまでに次世代スーパーコンピューター開発事業(来年度概算要求267億円)が「予算計上見送りに限りなく近い削減」とされたほか、 子どもの読書活動の推進事業などが「廃止」と判定された。省内では「短時間の議論での乱暴な判定だ」などと不満が高まっている。

2009/11/16 22:12   【共同通信】

事業仕分け対象のステークホルダーに研究者が多い文科省では、これは有効な対抗手段だと思います。一般のパブコメの場合も関連学会や業界団体などから意見が寄せられる場合もありますが、それもまた国民の意見の一つのかたちです。

「短時間の議論での乱暴な判定だ」という見解自体は間違っては居ないと思いますが、問題はむしろ一種の見せ物めいた議論のプロセスではなく、議論の結論です。短時間の議論だから判定が乱暴なのではなく、ものの見方自体がそもそも乱暴なものが混じっています。

”競争的資金(若手研究育成)”に対するコメント、

●若手研究者が安定して働き研究できる場所を見つけるための国の政策を若手にこだわらず再構築。

これなどは、研究者も何時まで若手で居られる訳ではないので、もっともな意見だと思いますが、今ある制度を縮める前に新しい施策を展開しないと、制度の乗り換えができません。

一方、

●ポスドクの生活保護のようなシステムはやめるべき。本人にとっても不幸。(本来なら別の道があったはず)。

こちらはまるで、”道を誤ってポスドクになってしまった”ような言いぶりが混じっています。この時代、ポスドクを経ずにテニュアにつけるなら僥倖というべき。それとも、科学を志すこと自体が人生の無駄遣いだとでも考えているのでしょうか。何なんでしょうかね、この俯瞰的な視座に立った大所高所からの議論は(・・・上から目線とも言う)。しかも匿名だし。

日頃から思うのですが、研究者は匿名では研究できません。論文を書くにしろ学会発表するにしろ、自分の名前でものを言います。つまり、研究者である限り、社会に対して自分の名前(責任)で情報発信をする宿命を負っているのだと私は考えています。それは、個人的な一種の思いこみに過ぎないかもしれませんが、それが私がこの私的なblogを実名で書いている理由です。

今回の意見募集は、研究者が自分の名前で行政にもの申す一つの機会です。状況は決して良くありませんが、ポスドクであれ、教授であれ、一人の国民として、そして一人の科学者として、公平な立場で意見を述べることができる希有の機会です。

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2009年11月16日 (月)

事業仕分け2:Spring-8、植物センター、バイオリソース事業

11/13に行なわれた行政刷新会議第3WGの理研SPring-8、植物科学研究事業とバイオリソース事業の事業仕分けのコメントが公開された(こちら)。

植物科学研究事業とバイオリソース事業へのコメントを一つずつ見ていこう。訳の分からないコメントには逐一反論する。

(植物科学研究事業)
●事業の必要性。事業概要から判断して妥当な基礎研究かどうか不明。大学における研究との違いを明確にすべき。全体的科学研究予算の配分との整理。

← 大学単独でメタボローム解析に取組んでいるところがあるのか?「妥当な基礎研究かどうか不明」と、研究の妥当性を判断する能力がないことを告白されてもなぁ・・・。

●応用研究については農水等にまとめて競争的資金へ。

← もっぱらアラビドプシスを材料にした研究に農水の競争的資金を投入することはありえないでしょう。それこそ支出の理由がたたないのでは?

●食料増産等に役立つ植物科学研究をうたっていながら、食料産業ニーズを意識しない基礎研究に陥っている。必要最低限の国費に抑えて、不足分は競争的資金でカバーすべきである。

← 食料産業ニーズを謳っているのであればたしかに良くない。もともと食糧増産には直結しない基礎研究なのだから(しかし、”陥ってる”って・・・)。だが、「必要最低限」という線引きをする合理的な方法は無い以上、恣意的な経費削減も可能ではあるけどね。

●他機関と強調すべき。

←完全長cDNAライブラリ作成を受託したり、イネには進出しないなど、特徴を生かして協調的に住み分けできていると思う。それから、「強調」ではなく、「協調」だね。

●収益向上可能な部分をカット。

← もっともだ。どこがカットできうるか具体的に指摘するべき。

●コスト削減の余地はある。アウトプットに対するコスト、絶対にやるべき基礎研究にどのくらい投じていくべきか、投じる額とアウトプットの関係の説明がない。

← 事業運営に関するコストは計算できるが、論文1本あたりのコスト計算は意味が無い。その計算でアウトプットとしての科学的に対する貢献の重要性が評価できるとでもいうのか?

●独法事業を極力減らすこと。NIAS との一本化も検討。

← NIASのミッションは農業生物の研究。ナズナはツールとしては使うが、それを主たる研究対象にはできない。そして農水省予算であるNIASの運営費交付金を充てる判断は文科省の権限ではできない。

●成果評価を明確に。また、運営費交付金全体の評価も明確に。

← 運営費交付金に関する理研の機関評価は文科省としてやっているはずだが・・・。しかも、評価結果は公表されているのでは?

●応用部分について収益増を見込むべき。

← そもそも、非営利団体なんだけどね。電話、鉄道、郵便と一緒にして欲しくない。

次に、バイオリソース

(バイオリソース事業)
●応用研究については各省庁を横串でまとめて競争的資金にするべき。政治主導が必要と考える。

← で、そうすると研究推進の効率が上がるというのだろうか?バイオリソースは生命科学の基礎研究のためのインフラ整備なのだ。

●ライフサイエンス研究に役立つバイオリソース拠点といいながら、産業ニーズを意識しない基礎研究が行われているので、必要最低限の国費投入に抑えて、不足分は科研費等の競争的資金でまかなうべきである。

← だから、生命科学の基礎研究のためのインフラ整備なのだ。科学技術政策の戦略上、基礎研究に対する研究資金投入は「必要最低限」に押さえるという方針を総合科学技術会議で決めた上で、その方針を徹底するなら仕方ないが、「事業仕分け」のような総合的な戦略を欠いた議論で意思決定をして産業ニーズに研究リソースをシフトするべきではない。

●リソースの確保は国がやることにしても、一般に安く供給する必要はないのではないか。

← 大方のリソースの配布は大学、独法などのアカデミア向け。そうなると、その原資は税金。結局、リソースの提供元に税を投入して価格を下げるか、リソースの購入先に税を投入して購買力を底上げするか、の違いしかない。

そもそも、バイオリソースは研究のインフラだ。そのリソース開発はいわばアカデミアにおける道路整備のようなものだ。高速道路の無料化を公約した政党の「下請け」をしている仕分け人達は、一方ではSPring-8の利用料金を上げろといい、バイオリソースの価格を上げろという。本当にそれでいいのか?

●理化研の運営費交付金の適正さについて今一度精査する必要あり。

← それは独法の評価委員会でコメントすべし。

●受益者負担を大幅に増やすべき。

← 大学、独法などが受益者である限り、原資は税金。結局、リソースの提供元に税を投入して価格を下げるか、リソースの購入先に税を投入して購買力を底上げするか、の違いしかない。一見、個別の事業の収支が良くなって見えるだけで税の使い道が変わるわけではない。

●必要性は認めるが、費用が妥当かどうかを検討すべき。

← リソースを値上げして収益を上げても原資が税なら個別の事業の収支が良くなって見えるだけで税の使い道が変わるわけではないのだよ。で、高速道路は無料化するんだね。

●成果評価を明確に。また、運営費交付金全体の評価も明確に。

← アウトプットは論文の本数で評価? それともインパクトファクターで評価? 配布点数で評価? で、結局それを金銭に換算する訳か。運営費交付金のことは独法の評価委員会でコメントすべし。

●コスト削減努力をすべき。収入増をすべき。

← コスト削減の努力は当然だが、収入増しても、それが税金の還流であれば個別の事業の収支が良くなって見えるだけだ。それでは税金の使い道が変わるわけではないのだよ。分かっていますか?で、高速道路は無料化するんだね。

●収益向上可能な部分をカット。

← そもそも、非営利団体なんだけどね。収益向上のインセンティブをどうする?

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