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2009年1月18日 - 2009年1月24日の記事

2009年1月23日 (金)

Simple and Effective Induction of Plant iPS cell.

A simple and effective method for inducing plant pluripotent stem cell was developed.... really?

 表題は、ウソです。

 検索エンジンで”植物”と”iPS”をキーワードにこのblogにたどり着いた方がいらっしゃいますのでちょっと乗ってみました。

 植物の場合は、体細胞から分化全能性のある細胞を増殖させることは、30年以上も前から普通に行われてきております。それも、2,4-dichlorophenoxyacetic acid (2,4-D)のような安価な合成オーキシンを含むMurashige & Skoog培地に種子や組織片をおいて置くだけのことです。

 それだけで分化全能性のある細胞の固まり(カルスといいます)を誘導できます。遺伝子の導入も、ウイルスベクターも必要ありません。クローンを作成しても倫理的な問題も何等発生しません。

 植物は動物とは違って、茎の先端や根の先端、表皮の内側など、体の様々な部分にある分裂組織(meristem)で細胞分裂を生涯続けます。例えば樹齢5,000年の屋久杉でさえ、枝先や根の先端、樹皮の下の層では新しい組織を作り続けており、枝先を適当な部分で切り取って地面にさせばクローン個体になります。

 つまり、植物の体細胞には生涯を通じて、柔軟にプログラミングされている部分が分裂組織として固まって残っており、植物ホルモンで簡単にリプログラミングできるのです。ですから、植物の場合はわざわざstem cellを誘導するまでもありません。

 ちなみに、アメリカ、Cold Spring Harbor laboratoryでは幹細胞研究の一連の動きの中に、植物の幹細胞研究も位置づけられているようです。今年のCold Spring Harbor Symposia (先週でした)でも採り上げられております。

http://symposium.cshlp.org/content/early/recent

 ちなみに昨年のスピーカーのインタビューはこちら。

http://meetings.cshl.edu/chats/symposium08/index.htm

 MP3やWindows videoで見られます。

 ま、私共、日本の植物科学の研究者は謙虚なのか、「幹細胞研究は科学として重要な領域だ。動物の幹細胞研究は重要だが、植物の幹細胞研究もそれに劣らず重要だ。」なんて言う人は見たことがありません。

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2009年1月22日 (木)

重回帰分析もしないのか?

よく勉強すると学力が伸びる、あるいは良く運動すると体力が向上する・・・科学的に必ずしも実証されていない場合でも、学力と学習時間の関係、あるいは体力運動時間の関係において重回帰分析的なアプローチがとられているようだ。この場合、解析というよりはモデルへの当てはめと考えるべきだろう。

朝日新聞より。

体力と学力に相関関係も 秋田ともに上位、大阪は危機感

2009年1月22日

 21日に発表された文部科学省の「全国体力・運動能力・運動習慣調査」。都道府県ごとに示された結果に対し、担当者は全国学力調査に続いて「一喜一憂」し、敏感に反応した。早くも、体力増進を目指して新たな大会を企画する教育委員会が出ている。

 中2で男女とも全国1位だった千葉。07年度から始まった県教委の取り組みでは、休み時間などを使い、子どもたちがリレーや連続馬跳びなどにグループやクラスで挑戦する。上位に入るとHPで発表し、表彰するという。

 県で毎年実施している体力調査では、小5と小6で好成績を収めると「運動能力証」という賞状を出す。県教委は「遊びながら競い合って体を動かし、運動能力を伸ばすことにつなげてもらいたい」。

 学力調査で2年連続全国トップクラスだった秋田は、今回の調査でも小5の男女で2位に入った。始業前に全校児童でマラソンや縄跳びなどに取り組み、特に小学校で体育の授業以外の運動を推進しているという。

 県教委は、学力と体力は「関連あり」とみる。県の07年度の調査でも、小6で学力が県平均より良かった14自治体のうち、13自治体は体力でも県平均を上回った。県教委の神居隆次長は「体力も学力も、朝食をきちんと食べるといった生活習慣があってこそなのだろう」と話す。

 一方、低い結果だった北海道は、授業以外に縄跳びやかけっこなどをしている割合が低い。道教委の担当者は「冬が長くて外が使える期間が限られていることも背景にあるのではないか」という。

 学力調査同様、全国平均を大きく下回った大阪府。橋下徹知事は21日の定例会見で言った。「学力も体力も低い。大阪はどうすんねん」。全国学力調査同様、文科省は今回の調査についても、過度な競争を招かぬよう市町村別や学校別の結果を公表しないよう求めている。しかし、知事は「体力増強に向けた課題を分析し、学校現場に奮起してもらうためにも、市町村教委は結果を自主公表すべきだ」と言い切った。

 府教委は来月にも各市町村教委の担当者に自主公表を呼びかける予定だ。今回の結果で持久力が低かったことを受け、来年2月には小学生を対象にした駅伝大会を企画。学校ごとに出場し、児童1人につき1千~1500メートル走らせる案が出ているという。

 ただし、8種目にしぼっている調査結果が子どもの体力を判断する絶対的な指標になるのか、疑問の声はある。「順位を上げるため」だけの競争が広がることへの不安も強い。九州の小学校教諭は「教師も子どもも、学力向上で追いまくられているところへ『体力向上』が降ってくるのだろうか。運動が嫌いな子を増やすことにならないか」。多くの項目で平均を下回った東京都内のある区の教委関係者は「現場にプレッシャーをかけて結果を上げるような動きが広がっては、ますます教師が疲弊する。学校や自治体としての条件整備を考える必要がある」と話した。

この記事では何かというと「平均値」を云々しているが、平均値が集団の代表といえるかどうかはデータの分布にも関わっている。個人差と地域差を比べて個人差の方がデータのばらつきが大きい場合には、平均値で地域間の比較を論じるのはデータの取り扱い方として適切ではない。

文部科学省の行った「平成20年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査の調査結果」はこちら

調査の趣旨は次の通り。

① 子どもの体力が低下している状況にかんがみ,国が全国的な子どもの体力の状況を把握・分析することにより,子どもの体力の向上に係る施策の成果と課題を検証し,その改善を図る。
② 各教育委員会,学校が全国的な状況との関係において自らの子どもの体力の向上に係る施策の成果と課題を把握し,その改善を図るとともに,そのような取組を通じて,子どもの体力の向上に関する継続的な検証改善サイクルを確立する。
③ 各学校が各児童生徒の体力や生活習慣,食習慣,運動習慣を把握し,学校における体育・健康に関する指導などの改善に役立てる。

要するに、調査によって「体力」(日常的に使われる言葉だが、定義からしてちょっと怪しい)を把握し、問題があればその原因を究明して適切な対策をとるための資料とするということだ。

そのための調査プランは次の通り。

ア 実技に関する調査
測定方法等は新体力テストと同様
[小学校8種目]握力,上体起こし,長座体前屈,反復横とび,20mシャトルラン,50m走,立ち幅とび,ソフトボール投げ
[中学校8種目]握力,上体起こし,長座体前屈,反復横とび,持久走(男子1500m,女子1000m),20mシャトルラン,50m走,立ち幅とび,ハンドボール投げ
※持久走か20mシャトルランのどちらかを選択して実施
イ 質問紙調査 生活習慣,食習慣,運動習慣に関する質問紙調査

学校における体育的行事の実施状況,体育専科教員及び外部指導者の導入状況,屋外運動場の状況,運動部活動の状況等に関する質問紙調査

実技に関する調査結果(実技データ)が変動する時には、生徒の生活・食事・運動習慣あるいは学校の体育指導等が変化した結果であると考えることになる。個々人の実技データについて回帰モデルをあてはめるのであれば、目的変数が「実技に関する調査結果」、説明変数が「生活習慣、食習慣、運動習慣」と「学校における体育的行事の実施状況,体育専科教員及び外部指導者の導入状況,屋外運動場の状況,運動部活動の状況等」である。

重回帰モデルへのあてはめを考えているのであれば、たとえば個人の「体力」の合計値を目的変数Yとすると、

Yijkl = X1 + X2 + X3 + X4 + X5 + X6 + X7 + σ

i, 個人番号; j, 学校のID; k, 市町村のID; l, 都道府県のID
X1, 生活習慣; X2, 食習慣; X3, 運動習慣; X4, 体育的行事の実施状況; X5, 体育専科教員及び外部指導者の導状況; X6, 屋外運動場の状況; X7, 運動部活動の状況
σ, 残差

という感じのデータの成り立ちだろうか。

ところが、これを都道府県内の学校ごとのデータや県別のデータにまとめると、X1-X3までの個人的な要素で変わってくる変数が、全部誤差に放り込まれてしまうおそれがある。実は、上記の新聞記事のように平均値でものを言うというのはそういう恐ろしいことをやっているのだ。少なくともX1-X3については階層化して、生徒の習慣と体力の相関を見てから全体の体力の評価をしないと、重要な情報が失われてしまう。

・・・と思って調査結果の概要を見たのだが、驚いたことに、データのとりまとめのPDFには体力と生徒の生活・食事・運動習慣あるいは学校の体育指導の相関については何ら考慮されていない。これでは個々の測定データ間の関連性も評価できないではないか。ものすごくがっかりした。関係者にはデータの解析になじんだ理系の人はいないのだろうか?これでどうやって「各学校が各児童生徒の体力や生活習慣,食習慣,運動習慣を把握し,学校における体育・健康に関する指導などの改善に役立てる。」ことに繋がるのだろう。

ひょっとして、自治体の首長さん達が公開するのどうのと騒いでいる学力テストの結果も、こういうとりまとめをされているのだろうか。いやはや。

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2009年1月19日 (月)

クローン動物の安全性評価、続報

食品安全委員会のワーキンググループの議論が終わった。朝日新聞より。

体細胞クローン牛「安全性問題なし」 食品安全委WG

2009年1月19日21時49分

 体細胞クローンの牛と豚を食用にすることについて、内閣府食品安全委員会の新開発食品専門調査会のワーキンググループ(座長=早川堯夫(たかお)・近畿大薬学総合研究所長)は19日、「一般の繁殖技術で生産した牛・豚と同じ安全性を持つ」とする報告書をまとめることを確認した。

 食品安全委員会は、この報告書を基に健康影響評価書を作り、年度明けに厚生労働相に通知する見通しだ。クローン由来の食品の流通を認めるかどうかは、厚労省・農林水産省が最終判断する。

 すでにいる個体の遺伝的コピーといえる体細胞クローンの牛は、国内では研究目的に限り生産が認められ、昨年9月末までに557頭が生まれた。死産や生後まもなく死ぬ率が3割と高く、懸念する声もあるが、専門参考人として呼ばれた塩田邦郎・東京大教授(発生生物学)は「遺伝子のスイッチのオン・オフが、混乱した状態になったため」と説明した。

 また、順調に育ち生後6カ月を過ぎたクローンは一般の牛・豚と生理機能に差がなく、肉・乳の栄養成分、アレルギー誘発性などについても「一般と相違ない」とする研究報告が確認された。

 体細胞クローンの食用について、欧米ではリスク評価機関がそれぞれ「安全性に問題はない」と報告を出しているが、まだ流通していない。農水省などによると、米国農務省は消費者や流通業界の理解が得られるまで販売自粛を出荷元企業などに求めている。欧州では生命倫理の観点から食料供給目的に動物のクローンを認めることに慎重姿勢を見せており、実際に流通する見通しは立っていない。(熊井洋美)

 日本の評価対象はウシとブタ。ちなみに、アメリカFDAのクローン動物およびその生産物の安全性評価は、ウシ、ブタとなぜかヤギだった。ドリーで有名なヒツジはイギリスでの先行事例はあったものの、その後の知見があまりなかったのかだろうか。

 アメリカでなぜクローン・ヤギの評価がおこなわれたのか、想像がつかない。ヤギは肉としてはあまり食べるところはないが、ヤギのの乳のチーズと言うものもあるので、そのせいかもしれない。

 ちなみに、日本では沖縄でヤギをヒージャー(ヤギ汁)にして食べることがある。以前、那覇に行ったときにヤギ汁の専門店があったので驚いたっけ。これも食の方言?

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