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2009年5月17日 - 2009年5月23日の記事

2009年5月22日 (金)

ドクター・カルタヘナの賞賛

タイトルは海堂尊先生の小説とは関係ありません。

環境省が” (カルタヘナ法)の施行状況の検討に関する意見の募集(パブリックコメント) ”を募集している。カルタヘナ法に組み込まれている5年目の見直し規定に基づいて、施行状況をレビューして改善方策を探るための取り組みの一環だ。

検討案からいくつかの文章を抜粋する。

---

(法律の施行状況)

○法律の枠組みの修正は必要ないが、運用方法や情報提供に関して、下記に示すような改善の検討が必要である。

(第一種使用に係る生物多様性影響評価)
○第一種使用規程の承認件数について、学術研究を目的として申請されるものは、産業利用を目的として申請されるものと比較して極端に少なく、学術研究目的での承認申請がしにくく、研究の妨げになっているのではないかとの懸念も示されている。
○一定条件の管理下で行う研究開発目的の第一種使用と、一般栽培等の産業利用における第一種使用とでは、管理手法、使用スケール及びそれに伴う生物多様性影響が生じた場合の影響の程度が異なる。
○今後、遺伝子組換え技術に関する研究開発は、地球環境問題などへの対応方策の1つとしても、その重要性が高まっていくと考えられることから、研究開発として行う第一種使用に関し、産業利用における第一種使用との使用の態様の違いを踏まえた評価を行っていく必要がある。
---

よくぞ気づいてくれました。たしかに改善点はある。特に

一定条件の管理下で行う研究開発目的の第一種使用と、一般栽培等の産業利用における第一種使用とでは、管理手法、使用スケール及びそれに伴う生物多様性影響が生じた場合の影響の程度が異なる。

というところは、あまり規制が厳しいと研究開発のの活力を損なう恐れがあるので、実態に応じた規制に変えていくべき、という点でよい着眼点だ。試験研究用のGMOとコモディティーとでは、栽培のスケールも違うし、流通実態の有無も全然違うので同じ規制をかけるのはあまり合理的な対応ではない。

似たようなケースでは、厚労省マターだが、日本で医薬品開発のための治験に関する規制を強化して、文書整備や治験薬の製造ガイドラインを厳しくした結果、国内の治験が減ってしまったという事例がある。最近は治験薬製造上のガイドラインが改正されて良くなってきたが。

我が国の組換え体開発が”空洞化”しないようにするためにも、こういう視点での規制の改正は是非とも必要だ。国内でも研究開発目的での遺伝子組換え作物の栽培が、手続きを適切に踏めば、現実的なタイムコースで実施できる様にするべきだ。

今後は、この取り纏め方針が確定したら、各省での改訂作業が始まることだろう。
是非、日本の研究者を奮い立たせるような改正を行ってほしいものだ。

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本日21時現在の新型インフルエンザ感染例は361名(成田検疫の4名を含む)。5/16のヒト-ヒト感染国内初確認から7日目。(本日のニュースソースは朝日新聞)

# 治った人は差し引いてほしい。

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2009年5月20日 (水)

論文のゲラ送付

論文のゲラのチェックが終わった。また、よりによって、たった1回しか登場しない植物の学名に脱字を発見。OMG!です。修正依頼後、版元のホームページでは”Proof Comments Received”と表示されているので、あとは先方の修正確認待ち。

しかし、48時間以内にゲラを返送しろっていうのは結構厳しいものがある。地球上のみんなが合衆国に住んでいる訳でもないし、地球上の誰もがインターネットを使える訳でもない。この締め切りはちと厳しい気がする。運悪く出張してたらアウトではないか。

私は研究活動にしばらくブランクがあったので、電子出版の形態で論文を出すのは実は今回が初体験(最後に論文を書いたのが2004年)。かつては、レフェリーとのやりとりも、うんうん唸ってあれこれ考えあぐねて、あげく手紙を書いて、プリントアウトして、海外郵便で送って、アクセプトされてからも、ゲラを送ってもらって校正記号を書き込んで・・・一往復10日以上というのもざらだったのを思えば、なんと早くなったことか。Editorとメールで気軽にやりとりできる様になったのも実にありがたい。今回は、"Received February 3, 2009. Revised Manuscript Received April 3, 2009."の60日(ゲラにアクセプトの日付は入ってないなぁ)なので、私としてはこれまでの最速ではない。ちなみに、これまでの最速は国内に編集部がある国際誌で受理まで42日でというのがあった。

電子化されたおかげで、今や切手代もかからないし、レフェリーのコメントの悪筆に悩まされることもない。そう言えば、以前居た九州の試験場の近くの郵便局が閉鎖されたと聞いたことがある。夏の盛りに3.5 inのフロッピーディスクの入った封筒を持ってクマゼミの大音声に押しつぶされそうになりながら、牛舎の脇の小径を郵便局に向かって歩いた日のことがが鮮明に思い出される。

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本日22時現在の新型インフルエンザ感染例は263名(成田検疫の4名を含む)。5/16のヒト-ヒト感染国内初確認から5日目。(本日のニュースソースは毎日新聞)

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2009年5月19日 (火)

季節性インフルエンザの感染者数は?

感染研から季節性インフルエンザに関する、定例のインフルエンザ流行レベルマップが公表されたこれによると、

2009年第19週のインフルエンザの全国レベルでの定点当たり報告数は、1.68(報告数7,963)となり、3週連続で減少した。

患者数は報告数よりも多いと考えられるので、5月4日~5月10日の1週間の感染者数だけで8,000名ほどは、”旧型”インフルエンザに感染していることになる。

これらの患者さんのうち、糖尿病や腎臓病などの慢性疾患を抱える方と、妊婦さんは重症化のリスクが高い点は、新型インフルエンザも旧型も同様であると考えると、新型だけ入院して治療を受けることができるというのは如何なものだろうか。ちょっとアンバランスな対応だと思う。

この記事も、ある意味注目。

「日本はモデルケース」WHOが注目 新型インフル

2009年5月19日10時9分

 【ジュネーブ=田井中雅人】 新型の豚インフルエンザの感染者急増への日本の対処法に世界保健機関(WHO)が注目している。途上国に比べて検査態勢や医療態勢が充実している日本での急増だけに、未知の病気との戦いのモデルケースになるとの指摘が出ている。

 WHOで新型インフル対策にあたる進藤奈邦子医務官は「(患者が急増している)神戸や大阪は検査・報告態勢がしっかりしており、学校閉鎖やイベント中止などの措置がきちんととられている。日本については、感染拡大で危機的状況になるような心配はしていない」と話す。

 さらに進藤氏は「日本で数多くの治療経験を重ねるなかで、どういう人が重症化するかや、危険因子があるのかといった、未知のウイルスについての情報も集まる。世界に先駆けて新型インフルに対処するモデルケースとなりうる」と期待を口にする。

 最近のWHOの専門家らの注目は、英国、スペイン、日本の3カ国だ。海外渡航歴がなく、だれからうつされたかわからない「地域社会レベルの持続的感染」 が、米州以外で確認されれば、警戒レベルを現在のフェーズ5から最高度の6(パンデミック)に引き上げる要件が整うからだ。

 英国やスペインは「感染者の大半は北米への渡航歴があり、持続的感染にはあたらない」と主張。感染確認者数が急増する日本に注目が集まる構図になっている。

”モデルケース”といっても、こういう場合は”模範となる”という意味合いは薄いように思う。検査体制や医療水準で言えば、アメリカやカナダだって整っている。日本のケースがアメリカやカナダと際立って違うところがあるとすれば、

  1. 最初の感染源が”ピンポイント”に近いほど小数であるため、国内の地理的な感染の拡散が追跡可能
  2. 検査技術が普及しており、感染拡大初期の状態ではかなりの高頻度のサンプリングが行なえる
  3. 現場からの感染報告が律儀に行なわれ、信頼性の高い統計的データが政府のレベルで収集される
  4. 保険制度が整っていて(他国と比べればと言う話だが)、慢性疾患の患者さんが治療されずに放置されているケースが少ないので、余病がある場合の新型インフルエンザの転帰の高精度のケース・スタディーができる可能性が高い

ということだ。疫学研究者から見て、非常に質の高いデータが集まる絶好の(・・・と言ってよければだが)機会であるという意味では、モデルケースなのだろうが、決して理想的な治療が受けられるという意味ではない。見出しの先頭に”モデルケース”と書いてあると無邪気に喜んでいる記事のようにも見えるのだが、それほど暢気な状況ではない。

・・・ではあるが、このところ、高校生くらいの”体力のある感染者”が増えているようであるし、集中的に治療する体制が整ってきているので、日本ではこのウイルスによる感染症の致死率は、WHOの公表した2%くらいという値を大きく下回ることになるのではないだろうか。

# ところで、WHOの皆様は、”モデルケース”と持ち上げておけば、几帳面な日本人の国民性から言って「感染性も、感染した場合のリスクも季節性インフルエンザと同じなら、わざわざPCRで確定診断なんてしなくたっていいじゃん。めんどくさいし。」・・・と、流行期の途中で言い出さないだろう、という目算もあるんでしょうね。当然のこと保険適用外だが、患者の依頼でする検査ではないので患者負担は\0。確定診断は全額税金なのだよね。PCRで確定診断するのに、1検体幾ら投入されるのだろうか。

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 本日22時現在の新型インフルエンザ感染例は178名(成田検疫の4名を含む)。5/16のヒト-ヒト感染国内初確認から4日目。

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2009年5月18日 (月)

”夢想花”ではないけれど

その昔はやった円ひろしの夢想花という曲を思い出してしまった。

忘れてしまいたいことが今の私には多すぎる-なんてね。

以下、畝山さんのブログより。

我々はツナ缶で記憶喪失になる?我々は何を忘れつつあるのか?Add Star

The Lancet

Correspondence

Volume 373, Issue 9676, 16 May 2009-22 May 2009, Page 1672

Can one get amnesia from canned tuna? What are we forgetting?

GJ Myers et al.

Lancet 1月号でRoger Hoらがマグロを食べることで健忘症になると断言した症例報告は毒性学的にも臨床的にも問題がある。成人で症状が出る最小暴露量は200microg/L で、この値はほとんどの国の規制委員会でも採用されている。Hoらの報告した症例は28 microg/Lで、この値は毛髪では5.5ppmに相当し、魚をよく食べる集団では普通に見られる。セイシェルでは母親の平均毛髪濃度は6.9 ppmで、記憶喪失の報告はない。

さらにメチル水銀中毒による神経機能欠損は不可逆的であるがHoらの報告では患者は改善している。血中水銀濃度の9 microg/Lへの低下は血中水銀の半減期44日と一致する。

従ってこの患者がマグロを食べてメチル水銀中毒になったという主張は受け入れがたい。

著者(シンガポール)はマウスでの実験を持ち出してMyersを無知だと反論している。水銀はあちこちにあるので医師は常に水銀中毒を疑う姿勢が必要だと。

(マグロ食べるたびに記憶喪失になってたら大変だ)

彼のLancetにもこんな論文が載るんですね。一生に一度くらいは可逆的な健忘症になるほど高級魚を食べまくってみたいものです(メチル水銀中毒はイヤだけど)。

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本日22時現在の新型インフルエンザ感染例は139名(成田検疫の4名を含む)。

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2009年5月17日 (日)

新型インフルエンザ国内感染拡大中

この時期、季節性のインフルエンザはそろそろ影を潜める頃なのだが、新型は感染拡大中の様相。

5/17現在、阪神方面では海外渡航歴のない高校生とその家族を中心に55人の感染が確認された。まだ潜伏期間にある潜在的な患者も想定されるので、この地域でもまだ感染者は増える可能性が高い。

それにしても、最初に新型インフルエンザへの感染が確認された高校生のケースを新型と疑った医師はGJ!でした。その影には、単なる季節性のインフルエンザと診断した他の医師も居るのかも知れないが。読売新聞より。

新型インフル感染、国内すでに1千人規模か…感染研センター長

 【ジュネーブ=金子亨、高田真之】国立感染症研究所の田代真人インフルエンザウイルス研究センター長は17日、滞在先のジュネーブで記者団に対 し、日本国内で新型インフルエンザの感染が確認されたことについて、「(感染者数は)すでに1000人レベルを超えた可能性がある」と述べた。

 田代氏は、新型インフルエンザの警戒レベル引き上げの是非を世界保健機関(WHO)事務局長に提言する緊急委員会の委 員。感染は北米地域で広く確認されており、レベルを現行の「フェーズ5」から世界的大流行(パンデミック)を意味する「6」に引き上げるには、北米以外で 感染が継続していることが要件になる。

 田代氏は「(今後の日本の状況が)フェーズ6に引き上げる判断材料になる可能性があり、WHOは注視している」と指摘した。

(2009年5月17日21時47分  読売新聞)

病院で診断される感染例を一種の”サンプリング”だと考えれば、母集団の規模は今、こうしている間にも拡大している可能性はある。・・・あるというよりも、高いといった方が良いだろう。

ところで、厚労大臣はまだ記者会見で感染例を発表しているのだろうか?そろそろ、”感染例の確認された地域が増えたら公表する”というスタンスをとる方が良いように思う。また水際対策は、国内感染の水準がどこまで上がれば中止する判断をするのか。

国内での感染拡大の阻止には、一般の病院の協力も欠かせない。群馬県の取組みが素晴らしい。産経ニュースより。

群馬県が「発熱外来」医師らを嘱託職員に

2009.5.9 02:26

 新型インフルエンザの国内発生が確認された場合、県内で診断に対応する「発熱外来」の設置準備が難航している問題で、県が8日までに、診断にあた る医師らを嘱託職員として採用し、感染が発生すれば、公務員が対象の補償制度を活用する方針を決め、関係機関との調整を進めていることが分かった。交渉難 航の要因だった補償制度に一定のめどがついたことで、設置準備も進展の様相をみせている。

 県によると、嘱託職員は公務で負傷するなどした場合、療養や休業補償などが盛り込まれた「公務災害補償」の対象となる。県では、医師や看護師など発熱外来のスタッフを嘱託職員とする方向で、医師会などと協議。報酬や勤務時間について、最終調整している。

 県は当初、医療スタッフの補償について、国による補償制度の創設を前提に交渉を進めてきたが、具体的な方向性を示すことができず、協議が難航。今月1日から、県が補償を検討する意向を関係機関に伝えたという。

 その結果、各地域で交渉が進展をみせ、1日時点で発熱外来の設置準備が完了していたのは3カ所だけだったのが、6日までに15カ所で完了した。

 ただ、県は県内で医療を分担する10地域の「二次医療圏」で、合計36カ所の発熱外来を設置する計画だったが、現状で準備が完了しているのは半分にも満たないのが現実。国内での感染事例の発生が現実味を帯びるなか、対応が急がれている。

 県保健予防課は「県による補償を示せたことで、設置準備の協議が進んだのは事実。ただ、国による補償制度創設については、今後も強く要望を続けていきたい」としている。

医師や病院のスタッフが感染した場合、今の行動指針だと治療行為に当たれなくなってしまうのではないか?であるとすれば、何の保障も得られない前面休診に追い込まれるよりは当面は診療拒否で凌いで、診療拒否は医師法違反だと脅されても告発されなければ病院にとって実害はない、という判断も現実的な選択肢になってしまう。治療にあたる医療スタッフに対する保障は発熱外来を維持するためにも重要だ。・・・こういう目的で”基金”を作ろうというセンスはないのかな。補正予算ではいろいろやっているようだが。

群馬県はこのほかにも子供の医療費を県が負担する取組みなど、医療方面では優れた施策を行なっている。スタッフが優秀なのか知事が優秀なのか、いずれにしてもすばらしい英断だ。

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