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2009年4月26日 - 2009年5月2日の記事

2009年5月 1日 (金)

稚内にて

日中の最高気温が8度ほど。私のホームグラウンドのつくばは新緑に向かいつつあるが、ここ稚内は日陰の沢筋にはまだ薄汚れた雪が残っている。スタッドレスタイヤを付けているのか道行く車のロードノイズもバタバタと騒々しい。

久々に郷里に帰ってきたのは入院中の父の見舞いのためだ。脳梗塞で、今回で6度目の入院となる。かつては二度発作を起こすと助からないと言われたものだが医療技術の進歩はめざましい。また、この北辺の地に脳外科の病院があることも大きく影響していることは間違いない。もし、15年前に同じ発作を起こしていたら助かったかどうかわからない。

父は左半身の運動神経も感覚神経も麻痺している。脳の右側に血行障害を起こして機能が失われている。嚥下もままならないし、痰を吐き出すのも一苦労だが、二週間前の入院直後よりは幾分良くなってきているらしいので、全面的・恒久的な機能喪失ではないようだ。

左目が見えていないので遠近感がつかめない。目の前のティッシュを取り損なっている。右手だけで食事をするのだが、お膳の左端が視野の外に出てしまうのか、ときおり視野の外にあると思しきスプーンを手探りしている。

生来、せっかちな性格なので、食べ物を矢継ぎ早に口に運ぼうとする。とろみを付けた魚の煮物をスプーンで掬っておかゆの椀に入れ、おかゆと一緒に食べようとする。たしかに白粥は味気ない。しかし、順番に食べないと咽てしまう。病気をしてもせっかちは変わらないらしい。

意識はほぼ清明なので、ホワイドボードをつかって筆談ができる。しかし、父は自由になる右手で私の支えたホワイトボードに非常に深みのある書体の文字を書く。・・・つまり、読めない。弟にメールで読みにくいのだがどうしようと聞いたら、一文字ずつ確認しろ・・・もっともな話だ。そうしよう。

首が痛いので軟膏を塗ってくれとか、ナースを呼んでくれとか、ナースコールのボタンをとってくれなど、もっともな要求だ。が、しまいには”晩飯はミナミ(父の行きつけの鮨屋)へ行け”?いやいや、私は入院中の父親の見舞いに来て一人で鮨屋に入るほどの道楽者ではない。”ホテルは全日空ホテルか?株主優待で安く泊まれるだろ?”いやいや、病人にそんな心配をしてもらわんでも結構です。

夕刻、弟夫婦がやってきてシャツとパジャマを着替えさせてくれた。

帰り際、口が利けない父を眼前に、私が”口が利けないのを承知で、反論できないのをいいことに、親に意見するわけではないけれど、もう無茶はしないでくれ”といったら、父は自由な右側半分で声を出せずに笑っていた。

自由にならない肉体を歯がゆく思いながら生きてゆくのは過酷なことだ。それは、脳梗塞でもALSでも、また誰にとっても同じことだ。そうなのだが、それが身内に起こると悲しくもあり、よくわからない悔しさもある。

しかし、最も、悲しみ、苦しみ、悔しく思っているのは、おそらく倒れた本人なのだ。何か、回復に向けた希望につながるものはないものだろうか。大したことはしてやれないのはわかっているのだが。

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2009年4月29日 (水)

OpenOffice.org 3.0で論文を書いてみたが・・・

2月4日に投稿した論文がアクセプトされた。編集者やレフェリーとのやり取り自体は正味2ヶ月弱なので比較的短かった方だ。

現行は最初からOpenOffice.org 3.0 Writer (OOo Writer)とCalc、図はCanvas 11で書いたのだが、電子投稿システムの都合でMS-Word形式で保存しないと投稿できなかった。これが、トラブルの原因で大きなTableを含む文書は文書フォーマットを変換する際に、何度やってもなぜだか壊れてしまった。

そんなこんなで、編集者とやり取りしているうちに3週間くらい時間をロスしている。OOo WriterにはZoteroとの連動機能があるので、リファレンスリストの作成はかなり楽だったのだが、結局OOo Writerと電子投稿システムの相性の都合でフォーマットを変換したりなんだりが必要だったので、MS-Wordで書いた方が全体としての効率は良かったかもしれない。

現実の問題としては、長いものには巻かれろということなのかもしれないが、ほぼ業界標準になっているとはいえ、仕様が公開されていないファイルのフォーマットに依存して仕事をせざるを得ないのは決してよいことではない。生物学、生化学関連の雑誌でも、TeXとまでは言わないが、せめて仕様が公表されているオープン規格であるODFには対応して欲しいものだ。研究論文がOOo Writerで書いた方が効率が良いという状況になるまでにはもう少し時間がかかりそうだ。

論文の中身はいずれPublish されるのでここでは触れないが、私にとっては、これまで携わったことのない全く新しい専門分野の論文になる。二年間行政で働いた経験を含めて、これまで色々な専門分野で仕事をしてきたのだが、分野が違うとそれぞれ”常識”というか、基本的なパラダイムが違う。従って、論文を書き始める前には相応の勉強が必要になる。専門分野が近ければそれほど大変ではないのだが、この分野の論文を書くようになるとは想像もしなかっただけに今回はきつかった。

# そのあたりを器用にこなせる人も居るのかも知れないが・・・。

結局は、非常にシンプルな論文になったのだが、下地になる基礎的な知識から身につけていく必要があったため、結論を導くのに必要な試験の組合せやデータ・セットの取捨選択など取りまとめに時間をかけてしまった。専門分野を点々とするのは、仕事の能率が決して良くないし、このノウハウが今後また役に立つことがあるかどうかも分からない。

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2009年4月27日 (月)

あれっ?こっちから来るか!-豚インフルエンザ-

新型インフルエンザといえば、鳥が起源だとばかり思っていたら、意外な発生源から、しかも東南アジアではなく中米からやってきた。

このところメキシコを中心に豚インフルエンザのヒトへの感染が相当規模で起きている。とはいえ、季節性のインフルエンザの流行の規模と比べて高頻度かどうかまでは良く分からない。また、これまで豚インフルエンザのつもりで見ていなかったので、実はこれまでも見過ごされていた感染があったのかもしれない。

私は感染症の専門家ではないが、インフルエンザ・ウイルスの感染リスクは次の5点から考えている。

  1. ヒトからヒトへ感染しやすいか?
  2. 感染した場合の病状は深刻か?
  3. 感染が拡大しやすい季節か?
  4. 予防できるのか?
  5. 治療法はあるのか?

1.は今回の豚インフルエンザは、ヒト・ヒトの感染が確認されているので、もし、感染の規模がこれからさらに拡大するとWHOの警戒レベルはレベル4に引き上げられることになる。このウイルスが、どのくらい感染しやすいかは予断を許さない状況である。

2.はいわゆる毒性の問題。メキシコ保健相の公表では100人以上がインフルエンザに感染後に死亡しているという発表があったようだが、そのうち豚インフルエンザが検出されたのは、今のところ20人。他はこのウイルス感染が直接の死因であるかどうかは不明。また、メキシコ以外では通常のインフルエンザど同程度の病状であり、死者もでていない模様なので、抗生物質で対応できる二次感染が悪化した可能性も否定できない。ともあれ、感染者の病状に関する情報が出てこないと、ヒトに対して強毒性か否かは判断できない。しかし、かつて猛威を振るったスペイン風邪よりは致死率は低いようだ。若年の重症患者が多いのが気になるが。

3.は今回は専門家はあまり言っていない。が、インフルエンザは一般に大気の湿度が低い乾季には感染が拡大しやすいが、雨季には感染の拡大は起こりにくい。この時期、メキシコの気象はどうなのだろう?

こちらのページには東京とメキシコ・シティーの気候の比較がある。メキシコ・シティーの乾季は10-5月。乾季の終わりの5月の月間降水量でさえ、東京で最も雨の少ないの12-1月並で、しかも最高気温は25度以上の夏日。雨が少なく高温なので、おそらく、からからに乾燥していることだろう。

一方、日本は乾季は5月まで。4月以降は散発的にしか感染は見られなくなる。豚インフルエンザも、通常のヒト・インフルエンザも新型インフルエンザ(鳥インフルエンザ由来)も、感染拡大に関わる季節要因が一緒であると仮定できるのであれば、今般メキシコや合衆国で感染の拡大しつつある豚インフルエンザが、この5月以降に雨季に入る日本など東アジアで感染爆発を引き起こす可能性はそう高くないだろう。

4. 予防法は、通常のインフルエンザの予防法と変わらない。うがい、手洗い、マスク着用。人ごみは極力避ける。

ワクチンは普通のA型インフルエンザ・ウイルスのH1N1型のワクチンが効くかどうかは不明。舛添厚労相は「(毎冬流行する)季節性インフルエンザに優先して行いたい」とのことだ。準備は結構なことだが、これまでの新型インフルエンザ・ウイルス・ワクチンでもWHOがワクチン株を公表してから製剤のプロトタイプ作成から臨床研究をへて、医療現場で処方できるようになるまでには2年以上はかかっている。今回は、流行中のウイルス株が既に単離されているようなので、若干早いかもしれないが、仮に6ヶ月で準備できても、ワクチンができるのは既に10月末。となると、今般の豚インフルエンザの流行が日本でも夏を越えるか、季節性のインフルエンザよりも高リスクであることが明らかになるまでは現状の季節性のインフルエンザ・ワクチン作成する方が優先事項ではないだろうか。

5. 治療法は、普通のインフルエンザと一緒。A型なのでタミフルやリレンザが効くかもしれない。あとは二次感染を防ぐ抗生物質。解熱剤は他の障害を招く可能性があるので、市販のアスピリンは止めておいたほうが良い。それ以外は、休養と栄養をとって寝るのみ。

以上要するに、今のところは、強毒性かどうかの情報が出てくるまではなんともいえないが、死亡率から言えば強毒性ではなさそうな気がする。

なお、アメリカCDCのポッドキャストはこちら。こういうときにすぐに専門家がインターネットで自分の言葉で伝えるというところが凄い。

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