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2009年11月23日 (月)

トウモロコシゲノムの解読

Scienceに乗りましたね。トウモロコシゲノムの解読。あとは、コムギ、オオムギ、ダイズで一段落かな。コムギは、PacificBio Sciencesのシーケンサーの登場待ちが当面の現実的な選択かもしれません。

こういうニュースに出会うとあれこれ考えさせられるのですが、教科書的にはトウモロコシの収量水準は近代育種が始まって以来ずっと伸び続けています。流石に従来型の育種での収量水準向上は、最近頭打ちになりつつあるけれど。それでもBtコーンの開発によって虫害による収量ロスや、食害痕からのカビの発生による二次的な被害が減ることで、実質的な収量が伸びてい点はまさに関係者の努力の賜物。

さて、先般のヒトゲノム、40万円なりというエントリーでも書きましたが、半導体におけるムーアの法則よろしく、全ゲノムシーケンスの価格がものすごい勢いで下落しつつあります。数年以内には間違いなく10万円台に突入する。・・・ということを考えていたら、ちょっと嫌なことに気づいた。

その1.
「遺伝子組換え作物の生物多様性影響評価の際には、全ゲノムシーケンスを行って、原品種のゲノム配列と比較すること」という時代が来るかもしれない。

遺伝子組換え生物等の第一種使用等による生物多様性影響評価実施要領 (平成15年財務・文部科学・厚生労働・農林水産・経済産業・環境省告示第2号)

の第一には、こうあります。

本要領は、遺伝子組換え生物等の使用等により生ずる生物多様性影響に関する今後の科学的知見の充実又は当該生物多様性影響の評価に関する国際的動向等を踏まえ、必要に応じて見直しを行う。

国際的動向として、全ゲノムシーケンスが当たり前になれば評価法のスタンダードも変わるということですから。
# 既に組換えパパイヤはシーケンスされていますけどね。

多分、外注で対応することになるのだろう・・・。

その2.
F1雑種の兄弟交配あるいは自殖でF2を展開して、数個体のF2の全ゲノムシーケンスをする。そして、F2集団の個体選抜で、F1と同じ遺伝子型を再構築できる個体を選抜する。
・・・面倒くさい言い方をしましたが、一分子シーケンスでは個々の染色体DNAが両親のどちらに由来するのかまでわかりますので、要はF1品種を遺伝子レベルでリバースエンジニアリングできてしまうということ。となると、”ジェネリックF1品種”とでも言うべきものが比較的安価に作れてしまいます。

全ゲノムを網羅するマーカーがあればこれまでも技術的にはできたことですが、全ゲノムシーケンスが安価にわかるようになると、個々の遺伝子レベルまで正確なコピー品種が作れるようになるでしょう(多分、日本にはコストをかけて他社製品を真似る種苗会社はないでしょうが、そういう育種をする動機がある国はいくらもあるような?)。

ちなみに、種苗法では、保護されるのは品種のみ。交配親はそれ自体が種苗登録されていない限り種苗法では知財が保護されません。

一方、F1品種自体は種苗法で保護されているけれども、ジェネリック品種はあまりに正確なF1品種のコピーなので種苗法違反に当たると判断される可能性が高いでしょう。なぜならば、種苗法第二条2では品種が次のように定義されています。

この法律において「品種」とは、重要な形質に係る特性(以下単に「特性」という。)の全部又は一部によって他の植物体の集合と区別することができ、かつ、その特性の全部を保持しつつ繁殖させることができる一の植物体の集合をいう。

つまり、形質があまりにそっくりで先行品種と区別できず、しかもDNAフィンガープリントでも一緒と言うことになれば、F1の交配親が違っていても製品そのものは先行品種と同一と言うことになるはずです

しかし、種苗会社にとっては独自の遺伝資源を持っていることが他社との差別性を生み出す強みです。ですから、自社で交配親に使っている遺伝資源が簡単にコピーされてはたまりません。

そう遠い未来の話ではないので、今から対抗策を考えておくべき?

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