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2009年10月 9日 (金)

慢性疲労症候群の患者さんに高頻度のXMRV感染

本題ではないけれど、オバマ大統領がノーベル平和賞を受賞。
# 在任中に戦争を始めませんように。

今日はXMRVをキーワードにこのblogを訪ねる方が多いようだったので、関連のニュースをフォローする。毎日新聞より。

慢性疲労症候群:マウス白血病「XMRV」ウイルスが原因

 原因不明の強い疲労が続く「慢性疲労症候群」の患者は、マウスの白血病ウイルスに近い「XMRV」に極めて高率で感染していることが、米国立がん 研究所などの分析で分かった。9日付の米科学誌サイエンスに発表した。同症候群の原因に、ウイルスの過剰増殖による免疫反応の異常があり、研究チームは 「XMRVが関与している可能性が出てきた」と説明している。

 血液検査の結果、米国の患者101人のうち68人(67%)でXMRVが陽性反応を示した。健康な人の陽性は218人中8人(3.7%)だけだった。

 同症候群は1980年代に米国で確認され、世界に約1700万人の患者がいると推定される。これまでの研究で、さまざまなストレスにさらされ続けると、免疫や神経の働きが乱れて発症することが分かっている。【永山悦子】

上記記事のオリジナルの論文はこちら

  1. Vincent C. Lombardi et al., “Detection of an Infectious Retrovirus, XMRV, in Blood Cells of Patients with Chronic Fatigue Syndrome,” Science (October 8, 2009): 1179052, doi:10.1126/science.1179052.   

XMRVが慢性疲労症候群の原因ウイルスとされたわけではない。慢性疲労症候群とHHV6の関連も言われているので、はっきりしたことはまだわからない。

論文によれば、健康で慢性疲労症候群を発症しておらずなおかつXMRVに感染しているヒトの血球細胞ではXMRVのタンパク質は発現していなかったので、これらのケースは不顕在感染と言うべきかも知れない。これらの感染者は直ちに慢性疲労症候群を発症する訳ではないので、感染性のあるXMRV粒子を産生するような条件は、XMRVへの感染の他にあると考えるべきだろう。

なお、この論文では、XMRVを保有する慢性疲労症候群の患者の血球あるいは血清からXMRVが伝達(再感染)するかどうかを検定している。その結果、in vitroの試験では患者の血球あるいは血清からT細胞への感染が確認された。

従前は前立腺がん患者のうち、遺伝的にRNAse L遺伝子の欠損(RNASEL)のある人で高効率のXMRV感染が見られたのだが、今回の研究ではこの遺伝子型との相関は見られていないので、今のところ誰でもXMRVに感染する可能性は同程度と考えるべきだ。

つまり、XMRVは、HIVやHTLVのように輸血や血液製剤を介在して感染する可能性が示唆されたことになる。厚生労働省と日本赤十字社は大規模調査の実施など早く手を打った方が良いだろう。

マウス白血病のウイルスと言っても良いのだろうけれど、XMRVはもうヒトのレトロウイルスと考えた方が良いかも。

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