2020年4月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

最近のトラックバック

どこからきたの?

  • なかのひと

Google Analytics

« 2009年9月 | トップページ | 2009年11月 »

2009年10月の記事

2009年10月28日 (水)

高額医療費制度のおかげです

わが国には高額医療費の自己負担を抑えるありがたい制度がある。

高額医療費制度のうちの「高額療養費の現物給付化」というもので、病院の窓口で支払う金額を一定以下に抑えることができる仕組みだ。この仕組みは平成19年4月から運用されている。

この制度を利用する場合、共済組合や健保組合や市町村の国民健康保険窓口、社会保険事務所の保険給付課などで、医療保険の「限度額適用認定証」を発行してもらうことが必要だ。

今回私が受けた心臓カテーテル治療も、医療費が高額になる。最初は、制度を利用しない立替払いでよいかとも思っていた。しかし病院からの請求金額を聞いて、この制度を利用することにして本当に良かった、と思えた。

私が請求された本人負担分の金額は13万円あまり。これ自体は、あまり驚くほどの金額ではない。だが、この金額を算出する計算式を見ると、本当はどれだけかかっているのかがわかる。

月収53万円以下の世帯の場合は、1ヶ月あたりの医療費の負担額が、

8万100円+(総医療費-26万7000円)×1%

で求められる。つまり、請求金額が13万円の場合、

130,000 = 80,100 + 0.01x - 0.01 x 267,000
x = 5,257,000

実際の金額は、525万円以上に上ることがわかる。これが13万円程の自己負担で済むのだから大変にありがたいことだ。

立て替えた分は、あとで共済組合などから返ってくるとしても、高級車が買えるほどのかなりの金額だ。病院の窓口でこれを請求された日には、いや、心臓に悪い。

人気blogランキングへ←クリックしていただけますと筆者が喜びます!

2009年10月25日 (日)

ようやく退院

20日、23日の2日に分けて経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けた。

治療箇所は、
(図はこちらのサイト)

右冠動脈に1箇所、左冠動脈は前下降枝に3箇所、回旋枝に2箇所の狭窄がみつかり、これら計6箇所に薬剤溶出型ステント(DES)を埋め込んだ。治療中に聞いた話では、CypherとEndevor が使われたようだ(他の製品が使われたかどうかはちょっと分からない)。

# ちなみに、DESのお値段は一本40数万円より。6本入れると、材料費だけで240万円以上もかかっていることになる。3割負担でも80万円以上。高額医療費制度を利用して自己負担限度額に押さえておかないと、とてもとても・・・。

DESはそれまでのステントより再狭窄が起こりにくいのだが、向こう8ヶ月間で再狭窄が起きなければほぼ生涯、再狭窄は起こらないらしい。そのかわり、血栓が起きるリスクが高まるため、抗血小板薬「硫酸クロピドグレル」(商品名:プラビックス錠)を1年間、バイアスピリンを生涯にわたって投与を受ける必要がある。

# 向こう8ヶ月あまりストレスのかからない仕事をさせていただければありがたいのだがそうもいかないのだろうな。

PCIはバイパス手術(CABG)よりも体に対する負担は小さいのだが、重症の冠動脈疾患の場合はCABGのほうが致死率は低いという論文も出ている。まぁ、CABGは成熟期の技術であるのに対し、PCIは今後もステントや併用する治療薬も進化し続けるだろうからこの先も同じ傾向が続くとは限らない、

人気blogランキングへ←クリックしていただけますと筆者が喜びます!

2009年10月15日 (木)

検査入院→退院→入院

冠動脈造影検査の結果、4-5カ所の梗塞が見つかった。そこで、明日から筑波メディカルセンター病院に入院することになった。

今日は、筑波メディカルセンター病院で医師からバイパス手術とカテーテル手術(経皮的冠動脈形成術)のメリットデメリットの説明をいただいた。主に、手術そのもののメリット・デメリット、合併症のリスク、再発のリスクetc.・・・。

梗塞の箇所が多いのでカテーテル手術は無理かと思ったが、医師からは”できると思いますよ”と意外とあっさりと言っていただけたのと、筑波メディカルセンター病院は、カテーテル手術の実施例が多いので(救急も入っているのだろうけれど)技術的に安定しているだろうという予測の下、カテーテル手術をしてもらうことにした。

近頃、自分で調べる気になれば結構調べられるものなので(参考)、説明を伺いながら医師の説明と自分の記憶の乖離が無いかどうかを確認している感じだった。

抗血栓薬の使用期間が長いのと、それによる副作用のリスクもあるのだが、私は遺伝的に脳梗塞のリスクが高い方なので、抗血栓薬の長期投与はむしろ総合的に見てメリットの方が多いかもしれない(血が止まりにくくなると事故時や他の病気で手術が必要な場合のリスクは高まるのだけれど)。

最後に、”最近症状が出たのはいつ?”と聞かれたので、”弱い痛みなら、ちょっと歩くとほぼ毎日”と答えたら、”早く処置した方が良いので今日から入院できない?”と言われてしまった。・・・ま、色々準備もあるのでもう1日延ばしていただいたのだが。

# この辺で狭心症で救急搬送されると、筑波メディカルセンター病院で緊急手術することになるので、その判断もわからなくはない。どうせならきちんとコントロールできる環境下で手術する方が医者も患者も安心だしね。

と言うわけで、予定では10日ほどブログはお休み。治療に専念します。生きていたらまたお目にかかりましょう(その確率は一般的に、98-99%。ちょっとこのデータは古いかな。上手い医師ならもっと高いはずです)。

人気blogランキングへ←クリックしていただけますと筆者が喜びます!

2009年10月13日 (火)

コカイン・ワクチン

CNNニュースより。

コカインの「ワクチン」、世界初の治験 効果ありと米研究者

ロンドン(CNN) 米イェール大学医学部の研究者らが、開発した「コカイン・ワクチン」の治験を実施し、ある程度の効果が得られたとする研究結果を、米医師会が発行する専門誌に発表した。コカイン・ワクチンが人体に接種されるのは、世界で初めて。ワクチンにより体内にコカインへの抗体を作らせることで、 コカイン中毒を食い止める一助になるとしている。

この研究を率いた現ベイラー医科大学のトーマス・コステン博士によると、ワクチン接種で体内にコカイン抗体を作らせ、体内に取り込まれたコカインが抗体と結びつくことで、コカインが脳に流入せず、快感や高揚感を得られなくなるという。その結果、コカインを摂取しても気分が良くならないため、コカイン摂取習慣の解消が見込まれるという。

被験者は2003年10月から05年4月にかけてコネティカット州ニューヘイブン地域で募集した、コカインとアヘンに依存症状を持つ、18─46歳の115人。男性が67%、白人が87%で、ほとんどがコカインを吸引し、マリフアナやアルコールなどへも依存していた。

被験者は2つのグループに分けられ、ワクチンと偽薬(プラセボ)を12週間にわたって5度、接種した。期間中は尿中のコカイン濃度を検査した。

その結果、血中抗体量が1ミリリットルあたり43マイクログラムを超えた38%の被験者で、顕著なコカイン摂取と尿中コカイン濃度の減少が確認された。また、血中抗体量が少ない被験者よりも、多い被験者の方が、よりコカイン吸引の頻度が減ったという。

コステン博士は、中毒に陥るような習慣的なコカイン吸引を防ぐ、有効な手段になりうると主張。また、アルコール以外の中毒性薬物の治療にも応用できる手法だと話している。

この種の記事としては、血中抗体濃度などデータが出てるのはオドロキ。比較のために朝日新聞を以下に引用。

コカイン中毒、「ワクチン」で絶頂感防ぐ 米大学研究

2009年10月13日8時2分

 【ワシントン=勝田敏彦】感染症の予防に使われるワクチンに似た働きをする物質で、コカイン中毒患者の依存症をある程度防げることが、米エール大などのチームの研究でわかった。米医学誌アーカイブズ・オブ・ゼネラル・サイキアトリー10月号に発表した。

 コカイン中毒に対するワクチンは、体の免疫系を刺激してコカイン分子にくっつく抗体を作らせる物質。抗体がついた血液中のコカイン分子は、「血液脳関門」と呼ばれる機構を通過できず、脳に入れなくなり、患者はコカイン吸引による絶頂感が得にくくなる。

 チームは、18~46歳の患者115人を二つのグループに分け、片方にはワクチンを、もう片方には偽薬を注射した。

 その結果、ワクチンを投与された患者の38%で、絶頂感を防ぐのに十分な濃度の抗体が血液中に存在していた。また生活指導などの結果、コカインの使用を半分に減らすことができた患者は、濃度が低いグループでは23%しかいなかったが、濃度が高いグループでは53%いた。

 米国ではコカイン中毒を治療する薬は承認されていないが、米国立保健研究所(NIH)のノラ・ボルコウ博士は「今回の結果は、効果的な治療に向けた有望な一歩だ」とのコメントを発表した。

えーと、薬物の常習性は”絶頂感”によるものでは無いと思うんですけどね。

論文はこちら

  1. Bridget A. Martell et al., “Cocaine Vaccine for the Treatment of Cocaine Dependence in Methadone-Maintained Patients: A Randomized, Double-blind, Placebo-Controlled Efficacy Trial,” Arch Gen Psychiatry 66, no. 10 (October 1, 2009): 1116-1123, doi:10.1001/archgenpsychiatry.2009.128. 

ともあれ、諸般の事情で日本ではできない種類の治験です。”ほとんどがコカインを吸引し、マリフアナやアルコールなどへも依存”という被験者を集めるのも大変そうだし。治療中も少量のコカインを処方しているようだし・・・。

ちょっと気になるのは、

”38%の被験者で、顕著なコカイン摂取と尿中コカイン濃度の減少が確認された。また、血中抗体量が少ない被験者よりも、多い被験者の方が、よりコカイン吸引の頻度が減ったという。 ”

・・・処方というより被験者が自由にコカインを吸引できるのでしょうか。想像の他ですね。

しかし、血流に乗って脳に入る薬物の量が減ると、禁断症状はでないんでしょうかね。

人気blogランキングへ←クリックしていただけますと筆者が喜びます!

 

2009年10月 9日 (金)

慢性疲労症候群の患者さんに高頻度のXMRV感染

本題ではないけれど、オバマ大統領がノーベル平和賞を受賞。
# 在任中に戦争を始めませんように。

今日はXMRVをキーワードにこのblogを訪ねる方が多いようだったので、関連のニュースをフォローする。毎日新聞より。

慢性疲労症候群:マウス白血病「XMRV」ウイルスが原因

 原因不明の強い疲労が続く「慢性疲労症候群」の患者は、マウスの白血病ウイルスに近い「XMRV」に極めて高率で感染していることが、米国立がん 研究所などの分析で分かった。9日付の米科学誌サイエンスに発表した。同症候群の原因に、ウイルスの過剰増殖による免疫反応の異常があり、研究チームは 「XMRVが関与している可能性が出てきた」と説明している。

 血液検査の結果、米国の患者101人のうち68人(67%)でXMRVが陽性反応を示した。健康な人の陽性は218人中8人(3.7%)だけだった。

 同症候群は1980年代に米国で確認され、世界に約1700万人の患者がいると推定される。これまでの研究で、さまざまなストレスにさらされ続けると、免疫や神経の働きが乱れて発症することが分かっている。【永山悦子】

上記記事のオリジナルの論文はこちら

  1. Vincent C. Lombardi et al., “Detection of an Infectious Retrovirus, XMRV, in Blood Cells of Patients with Chronic Fatigue Syndrome,” Science (October 8, 2009): 1179052, doi:10.1126/science.1179052.   

XMRVが慢性疲労症候群の原因ウイルスとされたわけではない。慢性疲労症候群とHHV6の関連も言われているので、はっきりしたことはまだわからない。

論文によれば、健康で慢性疲労症候群を発症しておらずなおかつXMRVに感染しているヒトの血球細胞ではXMRVのタンパク質は発現していなかったので、これらのケースは不顕在感染と言うべきかも知れない。これらの感染者は直ちに慢性疲労症候群を発症する訳ではないので、感染性のあるXMRV粒子を産生するような条件は、XMRVへの感染の他にあると考えるべきだろう。

なお、この論文では、XMRVを保有する慢性疲労症候群の患者の血球あるいは血清からXMRVが伝達(再感染)するかどうかを検定している。その結果、in vitroの試験では患者の血球あるいは血清からT細胞への感染が確認された。

従前は前立腺がん患者のうち、遺伝的にRNAse L遺伝子の欠損(RNASEL)のある人で高効率のXMRV感染が見られたのだが、今回の研究ではこの遺伝子型との相関は見られていないので、今のところ誰でもXMRVに感染する可能性は同程度と考えるべきだ。

つまり、XMRVは、HIVやHTLVのように輸血や血液製剤を介在して感染する可能性が示唆されたことになる。厚生労働省と日本赤十字社は大規模調査の実施など早く手を打った方が良いだろう。

マウス白血病のウイルスと言っても良いのだろうけれど、XMRVはもうヒトのレトロウイルスと考えた方が良いかも。

人気blogランキングへ←クリックしていただけますと筆者が喜びます!

2009年10月 8日 (木)

狭心症

まいった。

最近、数分歩くだけで頬の下から鳩尾にかけて、体の前面が痛む。筋肉痛のような痛みで、軽い運動であれば数分でおさまるが、長い場合は10分ほど続く。

5月ころまでは時折痛む程度だったのだが、9月に入ってから毎日、しかもちょっと歩くだけで痛むようになってきたので病院に行くことにした。

家族性高脂血症、高コレステロール血症、高血圧と、循環器系のリスクファクターがそろっているし、父と兄は脳梗塞にかかったし、祖父と叔母は心筋梗塞で亡くなっているので、とりあえず狭心症を疑った。循環器科を受診したが、安静時の心電図では異常なし。後日負荷試験を行なうとのこと。

# で、まだ診断が付かないので家にあったOTCのアスピリンを飲んでおくことにした。

今日、改めて、心エコー+トレッドミル運動負荷試験を受けた結果、安静状態の心エコーでは異常はないものの、負荷試験の心電図では典型的な狭心症のパターンとのこと(詳しい説明はなかったが多分ST降下)。バイアスピリンと、アイトロール(20 mg)を処方された。バイアスピリンは、おなじみのアセチルサリチル酸。

アイトロールの主成分は一硝酸イソソルビド。目的とする作用はきちんと現れており、血圧は110-73(脈拍72)とよくコントロールされているが、運動時の痛みに対する効果はまだ分からない。

初めての服用なので副作用に要注意だが、どうも、服用後2時間程度で、胃もたれ(0.1%未満)、ふらつき(0.1-5%)を感じる。しかし、それほどたいした問題ではない。添付文書の吸排試験のデータによれば、服用後2時間程度で血中濃度が最大になるので、今頃の血圧が異常に低下していないのであれば、服用を続けて問題ないだろう(あとは長期服用の際の副作用で肝機能に影響が出る場合があるので、定期的に血液検査でモニターすることになる)。

# 最近、仕事柄、薬の添付文書を見ると、このデータはPhase Iで取ってるんだなとか、Phase IIの症例あたりの改善程度のスコアにはこういう指標を取っているのかとか、そういうところに目がいく。

運動後の痛みから考えると労作性の狭心症で、多分、器質性だろう。来週は、心臓カテーテル検査を受けて血管造影をして狭窄の部位と程度を特定することになるが、どうも単純な器質性ではなくストレス性の原因もあるような気がする。

# 父が脳梗塞で倒れて見舞に行き始めた時期と、補正予算関係の作業を始めた時期、胸部の痛みを自覚するようになった時期がほぼ重なっているので。症状が悪化するようであれば、仕事の負荷を減らしてもらおうか。

人気blogランキングへ←このへん、クリックしていただけますと、私も若干元気になるかもしれません。

2009年10月 7日 (水)

センダイウイルスベクターによるiPS細胞作成

10/6の毎日新聞より。同様のアプローチを取っていた産総研はどうなっただろう。

iPS細胞:作成、安全性向上成功--茨城・つくば市の企業

 ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)を、がんになりにくい安全性の高い手法で、従来よりも効率よく作り出すことに、ベンチャー企業「ディナベック」(茨城県つくば市)が成功した。14日発行の日本学士院紀要10月号に発表する。

 山中伸弥・京都大教授は、体細胞にレトロウイルスを使って四つの遺伝子を導入し、iPS細胞を開発した。だが、レトロウイルスは遺伝子を細胞の核 の染色体に組み込むため、がん化しやすい問題があった。このため、別のウイルスを使ったり、導入する遺伝子を減らすなどの手法が国内外で研究されている が、いずれも作成効率が低い。

 新手法は、遺伝子治療などに使うセンダイウイルスによって4遺伝子をヒトの皮膚細胞に導入、従来の約10倍の効率でiPS細胞ができた。作成した iPS細胞からは、心筋細胞や神経細胞などの細胞ができた。センダイウイルスの場合、遺伝子が核内に入り込まず、iPS細胞になった後に導入した遺伝子がウイルスとともに消失するため、がん化の恐れも少ないという。【永山悦子】

センダイウイルスのゲノムはRNAなので、宿主細胞のゲノムへの転移の可能性はまず無視して良い。ただ、細胞指向性はどうなのだろう?あまりえり好みが激しいと感染効率が下がってしまうのだが。

# ちなみに、この「ディナベック」の研究所は私の自宅から徒歩15分圏内にある。

人気blogランキングへ←このエントリーの情報はお役に立ちましたか?

« 2009年9月 | トップページ | 2009年11月 »

twitter

  • Bernard_Domon

Ranking

  • にほんブログ村 科学ブログ 生物学・生物科学へ
    日本ブログ村
無料ブログはココログ