認知症の進行を遅らせる”色素”
地味なニュースですが、実は社会的には大きなインパクトがあるかもしれません。
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林原生物化学研究所が、シアニン系の感光色素(NK-4)に脳の認知機能に改善作用があることを発見した。プレスリリースはこちら。
動物実験での効果は既存薬(Donepezil)とほぼ同等(ただし、投与経路は腹腔内注射)。この既存約はアリセプトという製品名でエーザイから発売されており、国内で唯一、保険適用されている認知症の進行を遅らせる薬。
ただ、薬価が高いという理由で治療に使えない方もある模様。また、ピペリジン誘導体に過敏な患者さんには禁忌となっていて使えない。
そういう意味では、もし低コストで生産できて、なおかつ第一選択肢の医薬品が使えない患者さんにも適用できるのであれば、効能が同等でも医薬品としては大きな価値を持つ。
ただ、動物実験でのNK-4の効果は分かったが、毒性はどうなの?とか、特別養護老人ホームや介護施設での使用を考えれば、経口投与ができなければあまり実用的ではないのだが、そのへんはどうなの?感光性色素のようだが安定性は大丈夫?薬理作用のメカニズムは分かってるの?等、幾つも超えなければならない壁がある。
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今後の発展を期待します。
色素の薬理作用といえば、食用色素の青色1号にも神経の損傷を回復させる作用があったっけ。
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コメント
NK4は、第3類医薬品ルミンAのことだそうです。50年以上前に発見されて、使用され続けてきましたが、今のところ副作用は発見されていないようです。人間の体内で代謝しない物質なので極めて安全性が高い薬に分類できるようです。アレルギー疾患、自己免疫疾患、癌患者の方々が用いておられるようです。ルミンAのことを「飲む丸山ワクチン」と呼んでおられる教授もいらっしゃるようです。下記サイトをご参照ください。
http://manmaru-sinbun.com/2005/07/no126.php
投稿: ひろ | 2009/10/22 12:19