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2009年3月23日 (月)

医薬品の投薬方法に特許の見込

特許法改正はもう少し先になりそうだが、成り行きには要注目。

手術・投薬方法を特許に 政府検討、法改正の柱に

 政府は先端医療の競争力強化に向け、診断や治療などの「手法」も特許として認める方向で検討に入った。現行制度は医薬品や医療機器などの「モノ」だけを特許の対象としてきた。実現すれば医薬品メーカーは新薬の投与方法などでも特許収入を得られるようになり、開発投資の促進効果が期待できる。2011年に予定する特許法の抜本改正の柱に位置付ける。

 政府の知的財産戦略本部の先端医療特許検討委員会(委員長・金沢一郎日本学術会議会長)が医師や医療関連企業、弁理士などと協議に着手した。細胞などを用いた先端医療は「モノ」としての定義が難しい場合があり、手術方法や薬品を投与する量やタイミング、組み合わせ、部位の違いなどに着目した特許取得が重要になるとみている。 (16:00)

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kyousou/index.html

関連資料

医薬品の関連特許は、まず有効成分、次にDrug derivery system (DDS)に関する物質特許が主流(かつては製法特許もあり)。それを、用量・用法のコンビネーションにまで拡大するというのが狙い。

物質特許をとっても実用化するまでの期間が長引けば、医薬品として販売してからの残りの保護期間が短くなってしまう。そこで、投与経路を変えたり、微量の用量で元々の認可の際とは違う効能を狙ったりということが行われるのだが、その際も効果を確かめるための治験は必要だ(投与経路が同じで、用量が減る場合など、安全性試験が一部免除されるケースもある)。

そうなると、コストをかけて開発しているのだから、新規の用量・用法についても開発企業の企業努力に報いる仕組みが必要、ということらしい。

この議論は、もともとは幹細胞を利用した再生医療を医療行為と見るか、医薬品の処方と見るかという議論の中で、日本では医療行為は特許の対象範囲に考えないが、アメリカでは対象範囲に入っているという制度上の切り分け方の違いがあることから、体性幹細胞、ES細胞、iPS細胞を使用した再生医療が普及する前に論点整理をして制度の手直しをしておこう、と言うことらしい。医療行為に対しても特許権が及ぶと言うのは、医療が全面的に自由診療で行われるアメリカらしい発想だ。国民皆保険がデフォルトの日本では考えにくい。

私の研究分野の関連で言えば、ワクチン成分を集積したジャガイモ、バナナ、イチゴ、イネや、インスリンを作るレタスなど、医薬品成分を含む組換え作物を精製しないで摂取する方法に関する研究が幾つかある。これらの場合も、これまでにないタイプの剤形、投与方法ということになるので、開発元で用法特許を押さえておかないと、他の企業に押さえられてしまった場合には非常に不利になる。

気をつけなくてはいけないのは、関連資料を見る限り、米国ではすでに用法に関する特許が制度化されているように見える点だ。しかし、関連資料2をよく見ると、日本の特許法でも既存物同士の組合せに特徴のある場合は、”手段”についても特許が認められている(条件付きで、「もの」との組合せに限定される)。ただ、審査基準に明記されていないだけだと。

今のところ医療行為は特許の対象ではないが、今後は検討の結果如何ということで含みを持たせてあるので、やはり気をつけておくべきだろう。

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