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2008年11月23日 - 2008年11月29日の記事

2008年11月27日 (木)

[業務用覚書] Rolling Circle Amplification (RCA) 産物で酵母の形質転換

世間ではインド、ムンバイ市でおきた同時多発的テロ事件のニュースが流れている。280人以上死傷(うち101人死亡)とのこと。大惨事だ。
---
Ding et al. (2003)によれば、RCAで増幅したプラスミドの分枝状コンカテマーで酵母の形質転換が可能とのこと。Two-hybridにも使える。恐らく酵母菌体内での相同組換えで環状になるのだろう。
上手く使えば実験のスループットが少し上げられる。

現在の実験のスキーム

  1. PCR産物+線状ベクターバックボーンで酵母の形質転換。Transformation Associated Recombinationでベクターを構築。(2-3日間培養)
  2. プレート上のコロニーをグラスビーズで掻き取ってプラスミド抽出(液体培養から見ると抽出効率が悪い)。
  3. 大腸菌の形質転換(1日)
  4. コロニーPCRでベクターの構築を確認
  5. コロニーを液体培養で増やす(1日)
  6. 液体培養からプラスミドを抽出してシーケンスの確認
  7. 目的のプラスミドで酵母の形質転換(1.とは異なる株)(2-3日)

全工程で足掛け2週間(1.の最初の形質転換を木曜か金曜に行うと楽しい月曜日を迎えられるので)。問題は3.のステップで、プラスミドの収量が少ないので形質転換大腸菌があまりとれてこない。とれたとぬか喜びしてたらフレームシフト変異が入っていて全部のクローンが使い物にならなかったということもある。 これが、

  1. PCR産物+線状ベクターバックボーンで酵母の形質転換。Transformation Associated Recombinationでベクターを構築。(2-3日間培養)
  2. プレート上のコロニーからDNAを簡易抽出して、安いTaqでベクターの構築を確認
  3. 同じDNAをRCAで増幅(4hrs-1日)
  4. シーケンスの確認
  5. 目的のプラスミドで酵母の形質転換(1.とは異なる株)(2-3日)

という具合に、酵母のプラスミド抽出と大腸菌の形質転換のステップを省略できる。実験全体が早くなる上、ベンチタイムが非常に短いことも魅力的だ。

RCA用のキット(TempliPhi)だと1サンプル\470-\254(large constraction kitの場合)なので、コストもそれほどでもない。サンプル数にもよるが酵母のプラスミド抽出、大腸菌の形質転換とプラスミド抽出のコストで相殺されるのではないだろうか。大腸菌の形質転換自体の手間はたいしたことは無いのだけれど、廃棄物が結構出るし。

ただ、酵母のコンピテントセルの調製に一晩かかるので、シーケンスを確認しつつ、同時に次のコンピテントセルの調製を始めておかないとやっぱり1サイクル足掛け2週間かかる。
# 大腸菌のW株のようにむちゃくちゃ増殖が早い株ってないものだろうか。

phi29 DNA polymeraseを単体で買う場合は、
New England Biolabs (1,250U, \44,000)
AR Brown (10,000U, 価格不詳)
だが、exonuclease-resistant hexamerが別途必要。PNA-DNAハイブリッドのランダムヘキサマー等特注品になる?Dingらの論文でも使っているので、おとなしくTampliPhiを使った方が良いだろう。

このシステムを使うと酵母用の複製開始点を持ったベクターを線状にしておいて、大腸菌用のベクターのRCA産物と一緒に形質転換すればコンストラクトの載せ換えも簡単にできるはずだ。今度やってみよう。

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[業務用覚書] 酵母のBiFC

タンパク質の相互作用を調べるのに、Yeast Two-hybrid system (YTH)が使われてきた。もともと転写因子など核タンパク質の相互作用を調べるためのシステムなのだが、トウモロコシの種子貯蔵タンパク質間の相互作用 解析などにも応用範囲は広がってきている。

だが、原理的に核移行シグナルを持たないタンパク質の相互作用解析には向いていないはずであり、その点の克服を意図してLexA-VP16を利用したシステムも開発されている。

近年、緑色蛍光タンパク質(GFP)を2つの部分に分割すると蛍光を発しなくなるが、再び会合させると蛍光を発するようになる性質を利用して、bimolecular fluorescence complementation (BiFC) というタンパク質分子間の相互作用を調べる実験系が開発されている。

Barnerdらは酵母の任意の核遺伝子のC末端側にGFP分子の一部を導入するベクターシステムを開発した。図で見るとこんな感じ。酵母の複製開始点を持たないタイプのベクターでNBRP酵母のサイトから入手できる。

出 芽酵母の栄養素要求性ura3やtrp1を相補するのに近縁の酵母Kluyveromyces lactis由来のURA3やTRP1をマーカーとして使用している。これらのサイトで予定外の相同組換えがおきることを防ぐ意味で有効な手段だ。選抜 は、Trp, Uraで行えば2つの遺伝子のC末端側にGFP分子の一部が導入された株が単離できる。
この論文では、酵母本来のオルガネラでの局在の異なるタンパク質遺伝子にsplit-GFPを導入してタンパク質の局在が一致して相互作用が見られる場合に緑色蛍光が観察されることが示されている。

相互作用を調べたいタンパク質の細胞内での局在が自由な所は、これまでのYTHにはない自由度の大きさだ。

一方、この論文のシステムでは酵母のタンパク質に専ら焦点を絞っており、異種生物のタンパク質には着目していない。ある意味、ライブラリーをスクリーニングできるYTHに見られる規模のメリットには目をつぶっているとも言える。使い分けが肝心と言うことか。

古典的なYTHのベクターのGAL4の代わりにsplit-GFPを入れると比較的簡単に汎用型のBiFC検出システムが作れそうだ。

この論文
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18493658?ordinalpos=2&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_DefaultReportPanel.Pubmed_RVDocSum

では、恐らく酵母用の発現ベクターにsplit-GFPを組み合わせている。残念ながらAbstractしか読めない。

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