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2008年9月21日 - 2008年9月27日の記事

2008年9月27日 (土)

夏休み、というか・・・

ようやく夏期休暇を消化した。地の果てにあるインターネットの繋がらない実家ですごした。

実家のある稚内は秋というよりは、もう初冬の趣。最高気温は13℃くらい。利尻島では初冠雪を観測したし、 平地でもみぞれが降っていた。

土地柄、野菜も米も採れず、栽培できる植物はほぼ牧草のみ。それと広大な土地を有効利用しようと、”宗谷の黒牛” と称して第三セクター方式で和牛の生産をはじめたものの失敗。地方紙によれば”社団法人宗谷畜産開発公社”の解散手続き中とか (解散に到る経緯は、稚内市のホームページにも出ている) 。

地域特産物にしたかったのかも知れないが、肉牛生産についての基本的な知識が不足していたのだろうか。 品質は悪くなかっただけに残念なことだ。

一方、元気なのはこち ら。CIMG1106

NEDOの事業(大規模電力供給用太陽光発電系統安定化等実証研究) で設置中の大規模太陽光発電実証研究施設。現在、三期工事途中だが、最終的には野球場3面くらいの面積(14 ha)になるらしい。 冬の日照は弱いし雪は降るし、ここよりも気象条件が悪いのは根室・釧路あたりくらいではないかと思う。

ここで上手くいけば、日本中どこでもいける?というくらいの気象条件なのだが、 気温が低い方が太陽電池パネルの発電効率が高まるとかで、日射量が少ないのは補えるらしい。

そして、もう一歩先を行っているのは風力発電。宗谷岬ウインドファーム。 こちらは産業ベースでもう動いている。宗谷丘陵に向かって国道を車で走っていると、道の先の方には林立する直径60 mの巨大風車が勢いよく回っている。宗谷海峡は凪が無いのではないかと思えるくらい年中強風が吹いているので、風力発電には打って付けだ。

しかし、クリーンエネルギーの基地になるはよいのだが、残念ながら、これはあまり雇用には結びつかないのだ。 漁業の町として栄えた稚内市は、最盛期には5万8千ほどあった人口が今や、4万人を切ってしまった。 道北の都市は面積がやけに広いので市町村合併をすると大変な広域行政になってしまうし、財政状態の良くない町村も多いと聞くので、 合併のモチベーションは低いだろう。

自然エネルギーの生産には良い所なのかも知れないが、 このまま人口が減り続けると生産する自然エネルギーだけで消費エネルギーをまかなえる過疎地帯になっていくかもしれない。 それが良いことなのかどうか。

 

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2008年9月23日 (火)

ヴィジュアル系の科学雑誌の時代?

いやー、時代の変化を感じます。

職場のメールアドレスにとある雑誌がPubMedにインデックスされたよ、と言うメールが出版社から送られてきたのですが、

Journal of Visualized Experiments (JoVE) is the first video journal for biological research accepted in PubMed.

・・・だそうです。ビデオ・ジャーナル。 研究発表のためのYouTubeみたいなもんですな (Natureでは'YouTube for test tube'なんてオヤジギャグ並みに洒落てますが)。YouTubeとは違って、 科学雑誌を標榜するからには掲載するのに内容が適当かどうか、まず査読(?)があるのでしょうね。

# 投稿規約は見つけられませんでした。

2004年、PLoS biologyにPPAR deltaの発現調節で持久走が得意になったマウスの論文動画が掲載されていたのでびっくりしたものですが、 もう全編動画の研究論文(?)が出現する時代に突入していたのですね。 学会発表でもパワーポイントに動画を仕込むのもそれほど珍しくはない状況になりつつありますので自然な流れなのでしょう。

肝心のビデオ論文はというと、実験プロトコル関係が多いようです。 PDFにしてしまうと実に味気ないけれども、 実験操作を見るとよく分かる、百聞は一見にしかずという感じのものには向いています。研究者が自分で喋ってたりするので、 結構ルックスが大事だったりして・・・でも、研究者の外見がイケていないと損するというのもなんか嫌だなぁ。

また、研究者でない一般の方々に実験の雰囲気を味わって戴くには良いかも知れません。 実際の実験の有様は動画よりももっと時間がかかるものなので、実際の料理と料理番組くらいの違いはありますが。

# 「2時間半PCRします」、「30分間電気泳動します」、「ゲルを30分染色、 30分脱色するとこんな風になります」というのをリアルタイムで動画にできるわけもなく・・・。

研究論文では、文章で伝えるよりは、一つのグラフや顕微鏡写真の方が雄弁な場合が多々あります。しかし、 グラフや写真は情報量は多いのですが、受け手の側のリテラシーもそれなりに要求します。例えば、

  • 棒グラフのヒゲの意味は何?(エラーバー)
  • 免疫電子顕微鏡写真の黒いポツポツは何?(金コロイド)
  • バンドとか言っている黒い線の意味は何?(サザン、ノザン、ウエスタンetc.)
  • ヒートマップとか言っているけど赤と緑のグラディエーションの意味は何?(アレイのデータ)
  • 植物の組織を半分に割ってる写真で青く染まってるのはなぜ?(GUS活性染色)

などなど。データの表現方法や実験手法についての基本的な了解が成り立つだけの知識がなければ、論文を読んでも当然理解できません。 しかし、逆にデータの見方がわかれば、これほど有効な情報伝達手段も滅多にありません。

動画に関しては、まだ標準的な表現方法も決められていないし、今後とも何でもありのような気がしますが、 言語表現を超えたデータの開示方法は、これからまだまだ発達していくのでしょう。自ら”ビジュアル系研究者”になる気はありませんが、 この分野の将来が楽しみです。

# 時折思うのですが、新聞記事にグラフが登場することはあっても、小説にグラフが登場することはないなぁ、とか、 法律の文章には表はあってもグラフは無いなぁとか。科学論文とは逆に、 あえて情報を減らすことで多義的な解釈を成り立たせない様にしている文章表現の分野では、 伝えるために表現方法に工夫を凝らすということは今後とも無いのだろうな。

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2008年9月22日 (月)

パン+ワイン=ビール? 酵母の話ですけどね

ビールの醸造に使われる酵母の種(species)は、一種類ではない。

ビールにもエールとラガーという異なるタイプのものがある。発酵の方法がエールは上面発酵、 ラガーは下面発酵と発酵のさせ方が違うことは良く知られている。酵母の側からみれば生育環境が違うということでもあり、 それぞれの生育環境に適応している酵母の種も違っている。

エールを作るのは、Saccharomyces cerevisiae。ラガーを作るのはS. pastorianus.

S. pastorianusのゲノム解析の結果、ビール酵母はパン酵母(S. cerevisiae)とワイン酵母(S. bayanus-related yeasts)の雑種に起源することが明らかになってきた。しかも、その雑種形成は少なくとも2回、独立に起こっていたと考えられる・・・ とのこと。論文はこちら。 雑種形成の際の二種類のS. cerevisiaeのご先祖様までほぼたどり着いた、 と言うところがすばらしい。

なお"we have determined that the most likely S. cerevisiae ancestral parent for each of the independent S. pastorianus groups was an ale yeast, with different, but closely related ale strains contributing to each group’s parentage."と言うわけで、ラガー酵母のご先祖様のS. cerevisiaeもまた、 一生懸命エールを作る酵母だったのか。

パン酵母は有性生殖する。おそらく、ビール酵母も。とすると、 最初からある程度の規模で雑種形成が起こらないと有性生殖はできないのではないかな?しかも、 そのような雑種形成が歴史上二回以上おこったのか。

・・・それを人が選抜して、麦芽を醸すことがなければ、あの素晴らしいラガー・ビールも生まれなかった訳で。 酒飲みの飽くなき探究心に乾杯!です。

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2008年9月21日 (日)

「覆面調査員」?ミシュランでもあるまいし。

朝日新聞より。誤報であることを切に祈ります。

最新技術の「芽」つかめ 「覆面調査員」制度を新設へ

2008年9月20日15時0分 

 政府の総合科学技術会議(議長・福田首相)は、国内外の学会にたえず参加しているような第一線の科学者や技術者を「覆面調査員」に指名する新制度を設ける。世界の最新研究動向や有望な技術革新の「芽」について、いち早く報告を寄せてもらい、追加予算の重点配分に生かすなど、日本の国際競争力を高める狙いがある。

 調査員の正式名は「革新的技術推進アドバイザー」。調査対象の分野を熟知するだけでなく、世界に人脈を持つ大学や企業などの「目利き」の研究者が候補。100人程度を選び、今秋に委嘱する。所属機関のしがらみに縛られたり、働きかけを受けたりするのを避けるため、メンバーは公表せず、活動内容にも守秘義務を課す方針だ。

 調査員は、人の新型万能細胞(iPS細胞)や高効率な新型太陽電池など、 社会や産業に大きな影響を及ぼしそうな研究動向を総合科学技術会議に報告する。iPS細胞のような飛躍的な進歩が起きた時や日本が優位な分野で海外の追い上げが激しいとわかった時には、同会議が国内研究チームに1件あたり数億から10億円程度の研究費をすばやく追加投入して研究を加速させる。設備の充実だけでなく、海外の有力研究者を引き抜くことも考えている。    

 資金枠として文部科学省が140億円を来年度予算概算要求に盛り込んだ。ただ、一歩間違えば恣意的(しいてき)な判断や無駄遣いにつながりかねないため、運用ルールが慎重に検討されている。(安田朋起)

おっかしいなぁ、この第一線の科学者や技術者っていうのを誰が選考するんだろ?まさか文部科学省の推薦? 今でも文部科学省には助教・準教授クラスに調査業務を委嘱する学術調査員という制度はある。それとは違うのだろうな。

大体、「第一線の科学者や技術者」っていうのは、こんなことをやってられないほど忙しいのではないだろうか。 しかも、こんなのを引き受けちゃうと自分にはファンドつけられないし。 調査のための国際学会に参加するための出張旅費なんてどうやって処理するんだろう。”出所不明”の公的資金?それとも個人の銀行口座に、 なんにでも使える掴み金として振り込む?こういう業務を上司の了解なく引き受けることはできないだろうから、 研究室内や上司の管理職には知れるだろうし。匿名性を担保するのも大変だろう。

まして、”日本の国際競争力を高める”狙いで”海外の有力研究者を引き抜く”? 何を言ってるのかぜんぜん理解できない。海外の研究者に、折角の知的財産権を「日本においていけ」よいうのだろうか。

海外の優秀な研究者のために日本でラボを設けてあげるのだろうか? 分野によっては日本で研究するメリットもあるのかも知れないが、研究補助の人材(専業のラボテク。日本ではパートさんくらいしかいない。) や研究の支援体制(調達一つとっても、一般競争入札になるとそのたびに数ヶ月ロスする)、 年度を越えたり費目を移用したりという予算の弾力的運用、試薬や機械の価格(日本では妙に高い)etc.、 他にも遺伝子組換えやRIの利用に関わる規制も厳しいなど、 日本で研究しないで済む第一線の研究者が海外に流れていく理由なら山ほど思いつく。そのせいで、制度上不適切な随意契約や、 産総研や放医研のように業者に研究資金をプールするケースが後を絶たないのだ。

いくら金だけ積んでも現在のような研究環境が改まらない限り、そう簡単に研究が進むことは無い。 今の日本の研究環境では、伯楽だけ用意しても名馬を飼い殺しにしてしまう恐れがある。

# ちなみに、私、仮に「覆面調査員」を委嘱されてもお断りいたします。そもそも、第一線の研究者じゃないし (爆)

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