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2008年7月20日 - 2008年7月26日の記事

2008年7月26日 (土)

がん化しにくいiPS細胞

RNAウイルスベクターを使用したiPS細胞の作成が産総研から公表された。

 

がん化しにくいiPS細胞作製に道、産総研が新タイプ

 

 京都大の山中伸弥教授が開発した新型万能細胞(iPS細胞)に近い細胞を、山中教授とは異なるウイルスを使って作ることに、   産業技術総合研究所の中西真人(まひと)・研究ラボ長らが成功した。

 

 がん化しにくい安全なiPS細胞作製に結びつくと期待される。

 

 25日、都内で開かれたシンポジウムで発表した。

 

 山中教授の手法は、3~4個の遺伝子をレトロウイルスを使い皮膚細胞に導入してiPS細胞を作製する。しかし、   細胞のDNAにウイルスが組み込まれるため、がん化などの危険性が指摘されていた。

 

 中西ラボ長らは、細胞内に長期間とどまり、DNAを傷つけない新型のセンダイウイルスを開発。このウイルスを使い、   3個の遺伝子をマウスの皮膚細胞に導入したところ、遺伝子の働き方や細胞内のたんぱく質がiPS細胞と似た状態になった。

 

 中西ラボ長は、センダイウイルスを容易に除去できる方法も開発し、「今後、様々な細胞に変化できる万能性を確認したい」   としている。
  (2008年7月26日03時06分  読売新聞)

レトロウイルスでがん化がおこるのであればセンダイウイルスを使えばいいのに、というのは誰しも思いつくところ (関連する昨年11月のエントリーはこちら) 。効率はどのくらいなんだろう。また、「センダイウイルスを容易に除去できる方法」というのが味噌ですね。また一歩前進という感じです。 次は、ヒト細胞ですね。

あと、「3個の遺伝子」を一つのベクターに入れられれば感染効率の3乗倍ほど効率的なのですが、 センダイウイルスベクターではあまり大きなサイズのインサートは入らないような。かといってコロナウイルスを使うのはちょっと・・・。

またDNAウイルスに逆戻りしても良いのであれば、 哺乳動物細胞では増殖できないバキュロウイルスでも発現ベクターには使えますし、大きな遺伝子断片が入れられます。 ネガティブセレクションができるマーカー遺伝子を入れておけば、ベクターの除去もできるかもしれません。

そうこうしているうちに、薬剤でiPS細胞を誘導すると言う話もちらほらあったような。

 

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2008年7月25日 (金)

内閣府、「遺伝子組換え技術に関する意識調査結果について」、その1

リンク先はこちら

調査対象9,192のうち8,000人が中学、高校の先生なので、主に教員対象の調査という趣。

報告書のイントロダクションには次のようにある。・・・が、一言申し上げたい。この調査担当者も、現状認識を改めた方がよい。

1.はじめに

 近年、地球規模で起こっている砂漠化等の環境問題は、世界的な食糧事情の深刻化をもたらす要因となっており、 多くを輸入に頼っている我が国の食料安全保障上に大きな影響を与える可能性が高い。

 地球温暖化に伴う食糧問題としては、乾燥や塩害等の劣悪な環境に強い作物、病害虫に強い作物、 単位耕作面積あたりの収量の多い作物等を開発することが重要である。

 世界的には、こうした機能を有する作物とえいて遺伝子組換え作物(以下「GMO」という。)が開発され、 既に数カ国で実用化が始まっている。

 一方で、我が国はイネゲノム解析をはじめとする優れた育種技術を擁しており、 それの活用は我が国の食糧問題のみならず国際的な貢献につながっていくことが期待される。まずは、GMOに関する技術の内容、安全性、 有用性、生物多様性など環境面への影響等に関する情報の発信を行い、国民理解を得ることが必要である。

・・・以下略

1パラ目、地球環境の悪化が食糧安保に脅威となる可能性はその通り。2パラ目、 環境悪化に対応する組換え作物育成の重要性もその通り。3パラ目、「世界的には、こうした機能を有する作物とえいて遺伝子組換え作物(以下 「GMO」という。)が開発され、既に数カ国で実用化が始まっている。」というが、「こういう機能」に、「病害虫に強い作物」 が含まれるのであれば、Btコーンを栽培している国は数カ国では効かない。ISAAAの公表によれば16カ国で商業栽培されている。一方、 ストレス耐性作物はまだ実用化水準にない。

一方、既に日本がおよそ1,200万トン程度輸入している可能性がある遺伝子組換え作物については一切ふれずに、 将来的な期待に備えて国民理解を得ることが必要、と言う議論は理解に苦しむ。 現状で日本の食生活が遺伝子組換え作物に大きく依存していることに目をつぶっていてはいけない。 毎日のように輸入されているであろう遺伝子組換え作物の「技術の内容、安全性、有用性、 生物多様性など環境面への影響等に関する情報の発信を行い、国民理解を得ることが必要である。」、とこのお言葉をそっくり贈ろう。

些末だが、イネゲノム解析は育種技術ではないことを最後に申し添えておく。 アンケートの集計結果を見ると分かるが、品種改良やその技術を理解していない人は教員でも30%は居る。ことほどかように、 品種改良に対する国民理解の浅さがいみじくも露呈してしまっているのは悲しむべきことである。

続編は明日以降あらためて。初歩的なミスで実験を失敗してしまって己に腹が立った日、記す。

 

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2008年7月22日 (火)

水素水って!?

なんだかなぁ・・・。

水素水に記憶力低下抑制効果、日医大教授がマウスで確認

 水素水を飲むことで、記憶力(認知機能)の低下を抑えられることを日本医大の太田成男教授らが動物実験で確認した。

 認知症の予防や治療にも道を開く成果で、科学誌ニューロサイコファーマコロジー電子版に発表した。

 ストレスによって記憶力が低下することは知られている。研究チームは、マウスを狭い空間に閉じ込め、 餌を与えないなどのストレスを加えたうえで、記憶力が、水素が大量に溶け込んだ水と通常の水を飲ませた場合でどのくらい違うか、 10匹ずつ、三つの方法で6週間かけて比較した。

 その結果、いずれの場合も水素水を飲ませた方が記憶力が顕著に高く、ストレスのないマウスとほぼ同等だった。 記憶をつかさどる脳の領域(海馬)における神経幹細胞の増殖能力も同様の傾向だった。

 研究チームは昨年、水素が活性酸素を取り除き、脳梗塞(こうそく)による脳障害を半減させることを確認。 認知症は活性酸素などによって神経細胞が変性する病気とされるが、太田教授は 「水素水を飲まないマウスの海馬には活性酸素によって作られた物質が蓄積していた。 水素水が活性酸素によって低下した神経細胞の増殖能力を回復させ、記憶力低下も抑制したと考えられる」と話している。
(2008年7月19日01時27分  読売新聞)

水に溶かした水素が消化管で吸収されて血流に乗り、脳に届いて活性酸素を分解したのでしょうか。 還元作用があるというのであれば、水素よりももっと水溶性の高いビタミンCなんかじゃダメなんでしょうか。 どうも私の理解の及ばないお話のようです。オリジナルはこちら

ちなみに、過去に水素水関連で公正取引委員会から排除勧告を受けた製品は2件ありました。

  1. ニューアクアイザー
  2. スーパーハイドロマスター

こんなのとは関係のない研究だと思いますが。

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2008年7月21日 (月)

夏向けの小技

お暑う御座います。実験室の空調も設定温度で28度。

実際の室温はと申しますと、これはもう労働安全衛生法の事務所衛生基準規則 第二章事務室の環境管理 第五条の規定に御座います通り、28度以下でなくてはいけない、ということになっておりますので・・・ ええまったくその通りなので御座います。まぁ、実験室が事務所に相当するか否かという議論はあって然るべきではございますが、 特に高温で維持する必要のある環境ではないので、事務所と考えて良いのでは無いかと思います。

しかし、酵母の培養中の寒天培地を実験台の上に置いておきますと、なぜだか、それはもう大喜びで繁殖しまくるという・・・ええ、 涼しさで御座います(もちろん、実験台の上に放置できますのは、非組換え酵母に限られております)。

さて、このくらい気温が上がって参りますとアガロースゲルが固まるのに、冬場よりは少々時間がかかります。また固まっても、 なんだかバンドがブロードな気がする、ということは無いでしょうか。

そんなときには、これ、「アガロースゲル電気泳動の友」。

CIMG1048

ホームセンターなんかで売っている”ペット冷却用シート” です。ま、ただのアルミ板なんですけどね。

あらかじめ冷蔵庫に入れて冷やしておけば、5分そこそこでゲルが固まります(通常は20分ほどかかります)。 ゲル濃度をよく変えなきゃいけなくて、ゲルの作り置きができない場合には重宝です。

裏面にひだを付けて表面積を拡大したラジエター付きのペット冷却用シートや、ノートパソコン用のファン付き冷却装置も魅力的ですが、 何分高いので使っていません。

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2008年7月20日 (日)

へー、遺伝子組換え作物って白眼視されてきたんだ。

7/20の朝日新聞、トップ記事の見出しはこうだ。

遺伝子組み換えに追い風 食糧高騰・温暖化が均衡破る

で、記事はこう書き出している。

長く白眼視されてきた遺伝子組み換え(GM)作物に、追い風が吹き始めている。  

 GM技術の知的所有権を独占し、   世界の主要作物の種子支配を狙っていると批判されてきたモンサント社(米国)は6月、   世界的な食糧高騰や気候変動に立ち向かう「貢献策」を公表した。

・・・もうすこし言いようは無いのか。

長く白眼視されてきた遺伝子組み換え(GM)作物」  

GM技術の知的所有権を独占し、   世界の主要作物の種子支配を狙っていると批判されてきたモンサント社」

こういう枕詞をつけて、物や会社に対する固定的なイメージを読者に植え付けるものの書き方は、 著しく不公平なやり方だ。たとえば、

コラムで法務大臣に”死神”と言う別名をつけて、 良識ある市民の批判にさらされている朝日新聞社」

自分の会社をそう呼ばれたら、このトップ記事の執筆者はどう感じるだろう。事実として遺伝子組換え作物が 「長く白眼視されてきた」にせよ、食料高騰・温暖化が遺伝子組換え作物の普及に追い風になっている情勢を伝えるのに、 このような書き方をする必要はない。

ちなみに、私はモンサント社に知人は居るが利害関係は全く無い。お歳暮・お中元はおろか、 ボールペン一本貰ったことは無い。モンサント社を弁護する理由は無いが、メディアの不公平な報道には抗議する。

私は朝日新聞を購読しているし、複数年まとめて契約している。しかし、 契約期間が切れたら私は二度と朝日新聞を購読しない。ここに宣言する。

読売新聞のオーナーが変わったら即日読売新聞を購読するかもしれない。 読売新聞は、取材記者が高圧的で失礼な取材態度で知られている (業務でなければ取材協力は絶対にしたくない)。しかし、医療や科学関連の記事の品質は高い。

製品としての品質がよければ、企業姿勢には何とか目をつぶってやっても良い。 しかし、記者やオーナーが如何に品行方正でも、製品の品質が低いのでは話にならない。

 


 

さて、署名記事でこのような書き方ができるというのは一種賞賛に値するかもしれない。 腹立ち紛れにどうでも良いことを書いてしまったが、折角なのでこの記事では書かれていない情報も書いておこう。

植物の遺伝子組換え技術の特許について。

特許というのは、投資をして技術開発を行なったものに対して正当な対価を認めて報いるための制度だ。したがって、 一定年限(存続期間という)は保護するが、それを過ぎれば特許の内容は社会全体で共有するべき知的財産となる。

存続期間の間、特許を取得した者の許諾なくその技術を使用してはいけない。その期間は20年あるいは25年間 (農薬分野など)と決められている。植物の遺伝子組換え技術に関する特許は、多くが1980年代に成立している。従って、 多くの技術がそろそろ期限が切れているか、期限切れを迎えることになる(ソースは特許庁) 。

つまり「GM技術の知的所有権を独占し、世界の主要作物の種子支配を狙っている」という表現は、 先駆者として遺伝子組換え作物を開発してきた企業が獲得して当然の、国際的にも認められている独占権に対する批判である。 知的財産権の独占を批判をするならば、特許と言う制度の是非も問うべきではないのか。

作物の種子だって製品である。それが良い製品であれば普及するし、 そうでなければ企業がいくら市場を独占しようとしてもメリットの無い製品は普及しない。「世界の主要作物の種子支配を狙っている」としても、 それは非常に高い目標に向かって企業努力を積み重ねているという意味だ。企業の目標は魅力的な製品で消費者をとりこにして、 より収益を高めることなのだから。

# 大体、具体的にはどんなプランを立てれば、ある市場占有率を達成できるようになると言うのか。

なお、モンサント社は昨年9月にDow Agroscienceと互いの技術を持ち寄って新しいスタック系統を開発することで合意している。 深読みすると、組換え技術の特許切れによってジェネリック医薬品のように先行製品とよく似た後発品種がぞろぞろ出てくる事態に備えて、 品種の幅をより広げておこうとしているようにも見える。今回の件も企業買収をしようと思えばできたのかもしれないが、 互いの独立性を残した方がメリットがあると言う判断での協業だろう。

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