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2008年5月25日 - 2008年5月31日の記事

2008年5月31日 (土)

見解の相違ってやつ

新聞各社の見出しより。

毎日新聞、5年で所得隠し4億円 東京国税局指摘
日本経済新聞

毎日新聞社4億円所得隠し
MSN産経ニュース

毎日新聞に4億円の所得隠し指摘
朝日新聞

2008/05/30-22:46 毎日新聞社、 4億円所得隠し=東京国税局が指摘
時事通信

毎日新聞、5年間で所得隠し4億円…国税指摘
読売新聞

申告漏れ:毎日新聞社が5年間で約4億5800万円
毎日新聞

見出しの書きぶりが各社違っている。記事内容については、 まず読売新聞を引用しておこう。

毎日新聞、5年間で所得隠し4億円…国税指摘

 毎日新聞社が、取材費などを巡り、 東京国税局から2007年3月期までの5年間で約4億円の所得隠しを指摘されたことがわかった。

 他に単純な経理ミスもあり、申告漏れは総額で約4億5800万円に上り、 重加算税を含めて約1億8100万円を追徴課税(更正処分)された。

 同社によると、経費として処理していた事業推進費や取材費の一部について、課税対象となる「交際費」 と認定された。指摘に従い、全額納付するという。

 毎日新聞社社長室広報担当の話「国税局と見解の相違もあるが、 申告漏れを指摘されたことを真摯(しんし)に受け止めている」
(2008年5月30日22時23分  読売新聞

これが朝日新聞になると、

毎日新聞に4億円の所得隠し指摘

2008年05月30日23時35分

 毎日新聞社が東京国税局の税務調査を受け、 07年3月期までの5年間で約4億5800万円の申告漏れを指摘された、と同社が30日公表した。うち約4億円は仮装隠蔽(いんぺい) があったとして、所得隠しと指摘された模様だ。追徴税額は重加算税などを含め約1億8100万円。

 同社によると、国税局は事業推進費や取材費などとして経費計上された約4億円について、 経費とは認められない交際費に当たると指摘したという。また、 同社の新会計システムの構築に伴って計上したコンサルティング費用の一部について、 経費ではなく資産として計上すべきだと指摘したという。

 毎日新聞社社長室広報担当は「見解の相違もあるが、申告漏れを指摘されたことを真摯(しんし)に受け止め、 今後も適正な経理、税務処理に努める」とコメントしている。

面白いですね。読売新聞の見出しは”所得隠し4億円”と刺激的。 見出しだけ見ると事実として所得隠しがあったように見える。しかし、記事本文を見ると書きぶりは中立的。

一方、朝日新聞は見出しでは「所得隠し指摘」と”指摘の事実”を挙げているが、記事本文では「4億円は仮装隠蔽 (いんぺい)があったとして、所得隠しと指摘された模様だ」と、推定が入っている。同業者に厳しいっていうか、何だか悪意を感じますね。

最後は当事者の毎日新聞の記事で締めましょう。

申告漏れ:毎日新聞社が5年間で約4億5800万円

 毎日新聞社は30日、東京国税局から07年3月期までの5年間で約4億5800万円の申告漏れを指摘され、 重加算税(約4200万円)などを含め約1億8100万円の更正通知(追徴課税)を受けた。毎日新聞社は指摘に従い、全額納付する。

 国税局は、経費処理していた事業推進費や取材費の一部を、課税対象となる交際費と認定した。また、 本社の新会計システム構築に伴うコンサルティング費用の一部を、経費でなく資産に計上すべきだと指摘した。

 ▽毎日新聞社社長室広報担当の話 国税当局と見解の相違もありますが、申告漏れを指摘されたことを真摯 (しんし)に受け止めています。今後も適正な経理、税務処理に努めます。

毎日新聞 2008年5月30日 20時10分

「更正通知(追徴課税)」というあたりが何だか痛々しいですね。”追徴課税” というのはマスコミの用語で行政上はそうは言わない。しかし、新聞社としては、「国税当局と見解の相違もありますが」と言っており、 単なる申告漏れであって意図的な所得隠しではないという姿勢をとっているので、本来懲罰的な追徴をされるいわれは無いのだけど・・・ ということで、正式な行政用語で「更正通知」と書いては見たものの、いつも他人の脱税発覚のときに書いてる「追徴課税」 と書かないと何のことやら伝わらないし、で、仕方が無いので括弧書きにしたというところでしょうか。

潔く「追徴課税」と書けば、余計な詮索をされずに済んだだろうに。

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2008年5月29日 (木)

スナックで予防接種?

なんとコメントしたものか困ってしまいます。

ワクチンを常連客に無断接種、准看護師のスナックママ逮捕

 千葉県警環境犯罪課などは29日、准看護師でスナック経営の千葉市中央区、国吉みち子容疑者(56) を保健師助産師看護師法違反の疑いで逮捕した。

 捜査関係者によると、国吉容疑者は昨年11~12月、 勤務する千葉県佐倉市の病院から注射器とインフルエンザのワクチンを持ち出し、自身が経営する千葉市中央区のスナック店内で、 医師の管理下にないまま常連の男性客3人に接種した疑い。

 県警によると、国吉容疑者は「サービスのつもりで自分から持ちかけた」と供述しており、 一般より安くインフルエンザの予防接種をしていた。客に健康被害は出ていないという。

(2008年5月29日14時54分  読売新聞)
保健師助産師看護師法違反の疑いと言いますが、スナックでの注射は准看護師の資格の下で行った行為ではないのですから、 医師法第17条違反ではないのでしょうか。代金も取っていたので医業であろうし、 病院で医師の監督下にない医療行為を行ったのとは違うのですから。あと、「病院から注射器とインフルエンザのワクチンを持ち出し」 っていうのは、窃盗ですね。ひょっとしたら医療廃棄物である注射器を産業廃棄物処理法違反に当たる方法で廃棄していたかもしれません。
スナックのお品書きに「インフルエンザHAワクチン『北研』(一人前)・・・時価」 なんて書かれていたんでしょうか。注射したときはナースの衣装だったんでしょうか。コスプレかどうか微妙な感じですが。 ちょっと気になります。
それから、スナックで注射される客っていうのも意味不明です。
このニュースに関わる、とある会話。
D「スナック経営の准看護師がお店で注射していたっていうニュース知ってる?」
K「うん、インシュリン注射でしょ?」
D「・・・イン、ってところと、注射っていうところだけ当たってる。でも、 インフルエンザの予防接種だから。 別に糖尿病のお客さんにインシュリンを注射しながらお酒を飲ませていたって話じゃないから。 それ、かなり危ないし。」
ええ・・・とんでもないニュースですが、またとんでもない勘違いをする人が居たもんです。
# こんなニュースに反応してしまうとは。Media Doctorへの道は遠い。
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2008年5月28日 (水)

メディア・ドクター

今日知った言葉”media doctor”。毎日新聞の小島さんの日経Food Scienceの記事によれば、「健康・医療(?) 報道をドクターのごとく診断・評価する活動である。」だ、そうである。

http://www.mediadoctor.org.au/

(オーストラリア)

”media doctor”の診断、評価の基準を知りたいものだ。何がしかの統一的な評価基準があるのであれば。逆に、 新聞社がどんな基準で記事を書くのかも。また、健康に関する報道でなくても、 例えば科学技術に関する報道でもどんな基準で書くのかを知りたい。

で、両者の基準に沿って、それぞれの記事を評価してみたいものだ。

私がリスク報道、科学報道に接したときの評価基準は概ね次の通り。

  1. 新規性は伝わっているか?
  2. 事実を伝えているいるか。事実と違う情報を伝えていないか。
  3. 分かりやすく要約しているか。分かりやすく要約するために肝心な事実を切り捨てていないか?
  4. リスク報道では、リスクベネフィットのバランスが取れているか?
  5. 科学報道では、一次情報を的確な切り口で伝えているか?

マスコミの報道は大抵、無責任だ。責任を負う立場には無いし、誤った報道をしてもそもそも責任を取る能力が根本的に欠けているのだ。 誤報に対しても社告を出す訳でなし、名誉毀損で訴えられてもたいしたニュースにはならないし、 訴訟の結果を受けても一遍広く知れ渡ってしまった誤報を根本から白紙に戻すことはできないのだ。

こんなブログでも毎日100人近くの方々が読んでいる。おかしな切り口や、極端なバイアスのかかった報道に対しては、 今後ともささやかな抵抗を試みて行きたい。

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2008年5月27日 (火)

[業務用覚書] Sz.pombe用発現ベクター

実験に関する覚え書きなので、素人さんにはきわめて不親切な書きぶりです。読み手のことはちっとも考えてませんので、 分裂酵母にも出芽酵母にも興味のない方はスルーしてください。

 


 

Saccharomyces cerevisiaeSchizosaccharomyces pombe では材料にしている研究者があまり重ならないのだろうか。ベクターも結構種類が違っていて、S. cereviseae 用のバイナリー・ベクターがとS. pombe でも使えるかどうか分からなかった。

そこで、NBRP酵母のデータベースでS. pombe用発現ベクターを調べてみると、 pYES2をバックボーンにしたものがあった(たとえばこんなの) 。で、論文を調べてみるとS. cereviseaeSEC14Spo20で相補するという実験で、 ホストはS. cereviseae だった。がっかり。

結局、Gal1pや2μm oriはS. pombe では働くかないのかな。Siam et al. (2004)によれば、2μm oriはS. pombe では不安定とのこと。

# このレビューは、 分裂酵母で使えるベクターの複製開始点、選抜マーカー、プロモーターについて一覧的にまとめてあるので便利。

ならば、手持ちのS. cereviseae 用のバイナリー・ベクターではなく、最初からS. pombe専用の発現ベクターを使った方が早い。NBRPのプロモーターのバリエーションは、

  • nmt41(73) : nmt1*, nmt1+の変異型、中庸の発現程度。
  • nmt1 (33): nmt1+, "No message in thiamine"の略。強発現、 チアミン15 μMで抑制(誘導型)。発現誘導にはチアミンの除去後16-20時間かかる。最少培地が必要。
  • nmt81 (26) : nmt1**, nmt1+の変異型、弱い。
  • ADH1 (23)
  • CMV ( 1) :  human cytomegalovirusのプロモーター。 核酸供与体の実験分類はクラス2。
  • GAP1 ( 1), GAL1(3) : これは出芽酵母用だろう。

となっている。

理研のpDUALのシリーズもが便利そうだ。 これはnmt1, 41, 81をシリーズで揃えていて、5'側あるいは3'側のGFPと、ゲートウエイのattR1,R2を持っている。 しかもエピゾーム型でも染色体組込型でも使える。選抜マーカーはura4。 +NBRPで配布しているベクターよりもかなり洗練されている。(市販のベクターより安いですが、分譲の際のお値段もそれなりです。 )

とりあえず、ura4-S. pombeの菌株が必要なので、 お試し用の発現ベクターと一緒に、課金される前にNBRPから入手しておこう。

ここまで書いて日本語のサイトを探したら、もっときちんとまとめた先達がいらっしゃいましたのでとりあえずリンク。 こういう情報を先に見ておけば良かった。

さて、S. pombe では相同組換えの効率、 相同組換えに必要な領域の長さなどについての論文があるのだろうか。調べてみよう。kanMXカセットによるS. pombe の形質転換は普通に使われるようなので、それほど長い領域は必要なさそうですが。

これS. pombe のPCR mediated gene disruptionの論文。Sh bleも使っています。サイズが小さくて(375 bp)良いのですが、 いかんせん耐性が現れるまでに時間がかかるのと高塩濃度の培地、低pHの培地(pHが7を切る)ようだと、 pheleomycinの効きが悪くなるので、大腸菌でAmpを使う場合よりもちょっとだけ面倒です。ちなみに、 pTEFでドライブしてます。

蘊蓄を一つ。 pheleomycinは細胞のDNAを二重鎖切断して殺すタイプの抗生物質。Sh ble の産生するタンパク質は、抗生物質と1対1結合して失活させることで耐性を発現させるタイプ。従って、 十分量のタンパク質が細胞内に蓄積していないと、組換え体が死んでしまいます。

これに対して、アンピシリン、 G418などβラクタム系の抗生物質は細胞壁の合成阻害なので、直接的に菌を殺す作用はありません。 βラクタマーゼは酵素ですから、 分裂阻害がかかって細胞が分裂しない間に、じんわり発現して酵素活性を発揮します。 酵素なので1分子のタンパク質が相当数の基質のアンピシリンやG418を分解できます。なので、 大腸菌のヒートショック直後にAmpプレートに撒いてもコロニーは生えてきます。

ちなみに、Sh bleを使ったベクターでS. cereviseae の形質転換をする場合、形質転換操作の後、最低でも30度で2時間、横着する場合は4-15度で一晩放置(S. cereviseae はこの状態であまり分裂はしませんが、タンパク質はそこそこ作ります) してから選抜した方が効率は良いですね。

さて肝心の相同組換えに必要なDNA断片の長さですが、この論文では肝心の所はgene spesific primerとしか書いていないので、Bahler et al (1998)を見ないと分かりません。これによると、"The PCR primers included 60 to 80 bp of flanking sequences homologous to target sequences in the genome."だそうで、S. cereviseae の40 bpよりかなり長い。 プライマーの合成も時間がかかるし高い。多少の手間を惜しまなければ、fusion PCRかS. cereviseae の相同組換えの方がましですね。

もっと最近の論文を見てみると、2006年の論文でこういうのもある。 便利そう。だが、デフォルトのtarget sequenceは80 bpもある!となると、 相同組換えでベクターのコンストラクションをするにはS. cereviseae の方が向いていることになる。

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2008年5月26日 (月)

新型インフルエンザ対策に一石

バキュロウイルスとSf9細胞の組み合わせでしょう。 リコンビナントのコンポーネントワクチンの登場です。朝日新聞より。

インフルエンザワクチン、製造期間短縮へ 大流行に備え

2008年05月26日19時41分

 新型インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)に備えて、ワクチンの製造期間を短縮する臨床試験を、 創薬ベンチャー企業の「UMNファーマ」(本社、 秋田市)が近く始める。米企業の技術を使い、期間を3分の1にするための技術開発で、同社は26日、 工場用地を市内に取得したと発表した。

 従来の製造は、ワクチン株を弱毒化して鶏の有精卵で培養して増やす。ただ、1人分のワクチンを作るのに卵2個以上が必要で、 時間もかかることから、「パンデミックのような非常時に確保できるのか」と疑問視されている。

 ファーマ社が取り組むのは、ワクチンづくりに必要なウイルスの遺伝子を、昆虫(ヨトウガ)の細胞に組み込んで培養する技術。 従来の実験で使う哺乳(ほにゅう)類の細胞よりも増やしやすいのが利点。有精卵の準備やウイルス株を弱毒化する工程が省け、 流行しているウイルスを使ってすぐにワクチンを作ることができる。製造期間は従来の半年から2カ月に短くできるという。

 独立行政法人医薬品医療機器総合機構の調査期間が終了したため、 6月中旬から20~40歳の男性125人を対象に世界で流行している鳥インフルエンザウイルス(H5N1) に対するワクチンを使った臨床試験を始める。

対象が男性だけ、しかも老人や子供は含まないので、通常のphase1の色彩も強いですが、phase 1+2という感じで、ドーズを変えてワクチンを接種し、抗体価も一応は見ると言うところかな。

しかし、コンポーネントワクチンであるからには泣き所はあります。 流行の中心がワクチン製造に使った抗原とよく似たウイルスでないと効かない。また、製造期間がたとえ1ヶ月になっても、 パンデミックが起こってからではまず間に合わない。というか、 どんなインフルエンザワクチンでも効果が発揮されるには2週間ほどかかるのだから当面の対応としては、 タミフルやリレンザに頼るほか無いでしょう。

むしろ、昆虫細胞培養系のメリットは、人に対する病原体を含む潜在的なリスクが低いところと、 培養のスペース効率が良いところでしょう。精製の際の手間がどうなのかは判断できません。また、リコンビナントなりに、 GMPで生産する際の難しい点もあるでしょう。ベクターの調製もGMP、 ウイルスベクター構築後に抗原のシーケンスを確認するのはGLPと言う案配になると、生産に取りかかるまでのハードルも相当高いので、 WHOの差配で配布されたモックアップ用の組換え弱毒ウイルスでワクチンを製造するよりも、最初は手間がかかるかもしれません。

しかし、ワクチンの効果は抗原だけで決まるものではありません。効率よく効かせるにはアジュバントも大切です。 グラクソ・ スミスクラインのように、アジュバントを工夫すると接種する抗原の量を相当量減らせるので、 今般のケースのように抗原の量の確保が難しい場合には非常に有効です。

# なんとかならないのかな? → このblogをご覧になっているであろうデンカ生研さんとか。

 

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