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2008年5月11日 - 2008年5月17日の記事

2008年5月17日 (土)

ビタミンCの安全性!?

食品安全委員会では、

「食品衛生法(昭和22年法律第233号)第11条第3項の規定に基づき、 人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして厚生労働大臣が定める物質」

として、アスコルビン酸(化学に疎い方のために。ビタミンCのことです)の評価を行い、第237 回食品安全委員会でその評価結果を報告した。現在パブコメ中。

この、「食品衛生法(昭和22年法律第233号)第11条第3項の規定に基づき、 人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして厚生労働大臣が定める物質」というものが、 日本で定められていると言うことを私は知らなかった。食品安全の専門家ではないので公言してしまいます。

「第11条第3項の規定」の経緯について調べてみると、

  • 食品衛生法第11条第3項の改正: 平成15年
  • 同、施行:平成18年5月29日
  • 食品衛生法第11条第3項の規定により人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして厚生労働大臣が定める物質を定める件 (平成17年厚生労働省告示第498号。以下「対象外物質告示」という。)

残留農薬のポジティブリスト規制への移行と同じタイミング。で、この「対象外物質告示」では、

対象外物質は、一般に使用されている農薬等及びその物質が化学的に変化して生成した物質のうち、その残留の状態や程度などからみて、 農畜水産物にある程度残留したとしても、人の健康を損なうおそれがないことが明らかであるものを定めることとする。
厚生労働省が平成17年11月29日付けで告示した対象外物質は、65物質となっている。

となっている。要するに、 安全性に鑑みて残留農薬の安全性評価対象から外して差し支えないもののポジティブリストなのですね。しかし、だとすると何で今更” アスコルビン酸”なのか?ビタミンCって自然な状態で食品に含まれていない物質なのか?(・・・そんなことはないんですが。)

審議のお座敷を見ると”動物用医薬品及び肥料・飼料等専門調査会における審議状況について”とあります。つまり、 家畜のビタミンC欠乏症の予防薬・治療薬として施用されたビタミンCの残留問題に対応したものということ。やれやれ。

ちなみに、ビタミンCは水溶性ビタミンなので、 過剰摂取しても脂肪層に蓄積して障害を起こすことはないと言われています(ちなみに脂溶性ビタミン例えば、 ビタミンAは過剰摂取で健康を損なうことがある)。しかし、有機酸なので非常識な量を摂取 (サプリメントのタブレットを大量にボリボリ食べるとか)すると何らかの障害は起きる可も知れない。また、市販のビタミンC製剤は、 カリウム塩、ナトリウム塩あるいはカルシウム塩などの塩なので、特にナトリウム塩の場合は、 高血圧や腎臓障害のある方には悪影響があるおそれはあります。常識的な量を超えて摂取しても良いことはありません。お金の無駄です。

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2008年5月16日 (金)

「あへん法」規制対象のケシを下妻市が違法に栽培

ビスフェノールAのせいで書き損なっていたエントリー。

うっかりとはいえ、やってしまいましたね。意地の悪いタイトルを付けてしまいましたが、時々新聞はわざわざこんな見出しを付けます。 以下、朝日新聞より。

ポピーの花畑… ケシでした あわてて焼却 茨城の河川敷

2008年05月14日02時02分

 ポピーの花畑をつくろうと種をまき育ててみたら、ケシだった――。茨城県下妻市などが主催して24日から始まる 「小貝川フラワーフェスティバル」会場に、法律で栽培が禁じられているアツミゲシがあることが13日分かり、 市職員とボランティアら約100人があわてて手で抜き、焼却処分にした。  市によると、 ケシは河川敷の約1ヘクタールにわたり咲いていた。ポピーの花の色は赤で、アツミゲシは薄紫。形状はよく似ているため、 花が咲かないと区別ができないという。

 ケシの種は、市が昨年10月に購入した3種類のポピーの種に紛れ込み、ボランティアら400人がまいた。 ケシだと気付いたのは下妻警察署。「麻薬と知らずに育ててしまった」ため、犯罪性なしと判断された。

 フェスティバルは21年目で、昨年は15万人が来場。ポピー500万本が咲き乱れる花畑を売り物にしている。

法律の規制対象になっているケシには数種類ある。含まれているアヘンアルカロイドの種類によって規制法が異なる (モルヒネ:あへん法、テバイン:麻薬及び向精神薬取締法)。

(参考) http://www.tokyo-eiken.go.jp/plant/keshi-miwakekata.html

今回、イベントのために誤って植えられてしまった”アツミゲシ” (Papavar setigerum)はモルヒネを含むため、あへん法で栽培が規制されているとのこと。 あへん法のリンクはこちら。

(参考) http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S29/S29HO071.html

見ようによっては面白い法律です。

第一条  この法律は、医療及び学術研究の用に供するあへんの供給の適正を図るため、国があへんの輸入、輸出、収納及び売渡を行い、 あわせて、けしの栽培並びにあへん及びけしがらの譲渡、譲受、所持等について必要な取締を行うことを目的とする。

(国の独占権)

第二条  あへんの輸入、輸出、 けし耕作者及び甲種研究栽培者からの一手買取並びに麻薬製造業者及び麻薬研究施設の設置者への売渡の権能は、国に専属する。

アヘンアルカロイド自体は医療に欠かせない物質なので、危険性を理由に単に規制するだけでなく、 国の厳格な統制下に置くこととしています。・・・なので、その辺にアヘンアルカロイドを含む植物が自由に栽培されては困るわけですね。
それから、あへん法には特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律のような 「防除」の規定がありません。それは、大抵の規制法同様、人間の行為を規制する法律だから。
 
となると、保健所による防除などの行為の法的根拠はどうなってるんだろう。
 
ちょっと気になるのは、憶測ですが、国立大学が国の機関であった間は、法人格は国なので、 薬学部などでケシを栽培する際にも栽培者としての登録は要らなかったのではないでしょうか。どうなんでしょう。 手抜かりは、 無いでしょうね。
 
独立行政法人は、栽培者として国のコントロールの元に置かれることになるはずなので。
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2008年5月15日 (木)

で、その証拠物件は合法的に入手したんだよね

朝日新聞より。目的のためでも手段は選びましょう。

 

鯨肉持ち出し疑惑、「証拠品」   示す グリーンピース

2008年05月15日12時08分

 日本の調査捕鯨で捕られた鯨肉を乗組員が無断で持ち出している疑惑について、環境NGO「グリーンピース(GP)・     ジャパン」が15日、東京都内で記者会見した。船から配送されたという段ボール箱に入った塩漬けの肉を「証拠品」として示し、     疑惑解明や調査捕鯨の見直しを訴えた。同日午後、乗組員ら12人を業務上横領の疑いで東京地検に告発する。

 GPによると、箱に入っていた鯨肉はベーコンの原料になるウネスと呼ばれる部分で23.5キロ。     市価で11万~35万円相当という。星川淳事務局長は会見で、「調査捕鯨には税金も使われている。日本の信頼にかかわる問題で、     政府は徹底して真相解明する必要がある」と話した。また、水産庁に対し、     調査捕鯨を実施している財団法人日本鯨類研究所などの調査捕鯨許可を停止するよう求める文書を送ったという。

 GPが確認した箱は、4月15日に東京に帰港した船から降ろされた荷物の一部。GPは調査捕鯨船・日新丸の元乗組員から     「乗組員が鯨肉を私的に持ち帰っている」との情報提供を受けて調査しており、同日、     船から出された荷物を積んだ運送会社のトラックを追跡。配送所などで「塩物」などと書かれた伝票と乗組員の名簿を照合し、     12人の名前を47箱で確認。うち1箱を無断で持ち帰ったという。

 一方、日本鯨類研究所は、乗組員に赤身とウネスを数キロずつ土産として配ることは認めているが、     「乗組員が何十キロものウネスを持ち出すことはまず無理だ」としている。

 私の読み方が間違っていなければ「うち1箱を無断で持ち帰ったという。 」というのは、 荷物を発送した方の許可を得ずに持ち帰ったと言う風に読めるのですが、他人の所有物を本人に断り無く収去する行為は、 法的な裏付けがない場合、窃盗に当たるのでは無いかと思います。思い過ごしでしょうか。また、鯨肉の入手が仮に合法的でないのであれば、 違法な手段で入手した物品に証拠能力はないはず(しかも、鯨肉を手袋をせずに素手で持っているし。証拠物件の扱い方とは思えません)。

 横領を摘発するのは、基本的には警察の仕事。国から捜査権限が認められているので、 裁判所の発行する捜査令状に基づいて私有地への立ち入りや、証拠物件の収去など私権の制限に当たる行為ができるのだと思っていました。 今回の一件には、違法性阻却事由に当たるほどの事情はないと思われます。 グリーンピースはシーシェパードと違って違法行為には手を染めないと思っていましたが、全く残念なことです。法治国家である我が国で、 こんなやり方で国民の支持を得られると思っているのだとしたら、日本国民に対す侮辱です。

 私と同様の感想をお持ちの方もいらっしゃます。

http://blogs.yahoo.co.jp/mozomozo27/20206970.html

http://blogs.yahoo.co.jp/bietaro/54242693.html

http://kaito5ex.blogspot.com/2008/05/blog-post_9522.html

http://ameblo.jp/tikyuusaisei48dengeki/entry-10097026242.html

 「目的のためなら手段は選ばない」という言い回しがありますが、 今回の一件はGPの傍若無人さを明らかにしたものと言えるでしょう。検察の今後の対応に注目しましょう。

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2008年5月14日 (水)

ビスフェノールAの安全性に懸念?

5/14 朝のNHKニュースより

プラスチックなどの原料として使われる「ビスフェノールA」という化学物質が、   乳幼児に対しては現在の安全基準より少ない量でも生殖機能を乱す可能性があることを、厚生労働省の研究班が実験で確認し、基準の見直しが必要だと指摘しています。

ビスフェノールAは、体に入ると女性ホルモンに似た働きをする、いわゆる環境ホルモンとして知られていますが、微量の場合、人体にはほとんど影響がないとされていました。国立医薬品食品衛生研究所などの研究グループは、妊娠したねずみに、1日にとっても安全とされる基準の10分の1の量のビスフェノールAを与え、生まれてきた子どもの成長を観察しました。その結果、ねずみの子どもは当初、正常に成長しましたが、生後7か月目になって、発情期の間隔が乱れるなどの異常が見られたということです。厚生労働省によりますと、ビスフェノールAはプラスチック製のほ乳瓶の材料で、環境ホルモンが問題になった10年ほど前から国産のものにはあまり使われなくなりましたが、現在でも輸入品を中心に含まれているものがあるということです。実験を行った国立医薬品食品衛生研究所毒性部の菅野純部長は「乳幼児に対しては、かなり少ない量で影響が出る可能性のあることが確認できたので、現在の安全基準を見直す必要があるのでは」 と話しています。

なんだか混乱した報道です。

「微量の場合、人体にはほとんど影響がないとされていました。」

「ねずみの子どもは当初、正常に成長しましたが、生後7か月目になって、   発情期の間隔が乱れるなどの異常が見られたということです。」

↓ 

「乳幼児に対しては、かなり少ない量で影響が出る可能性のあることが確認できたので、現在の安全基準を見直す必要があるのでは」

リスク・ベネフィットを秤にかけた予防的措置は行政的にはあって然るべきですが、科学者としては、まず、 通説と違う現象が観察されたら実験の再現性のトレースが先でしょう。科学的に確認できれば論文になります。 論文が批判に耐えられるものであれば、科学的事実になるでしょう。今のところ、「環境ホルモンの低用量効果」 については疑問視されているところですので、 毒性の専門家である国立医薬品食品衛生研究所毒性部の論文が出ればインパクトは小さくはないでしょう。展開に期待します。

しかし、実験結果では「生後7か月目になって、発情期の間隔が乱れるなどの異常」とのことですが、これをして、 「乳幼児に対しては、かなり少ない量で影響が出る可能性のあることが確認できた」と言う判断に結びつくのが私にはよく分かりません。

判断できない理由は次の通り。私は植物科学が専門分野ですので動物の種間の相対成長についてはほとんど知識がありません。ヒトの性的成熟がラットとはタイムコースが大きく異なります。7ヶ月齢のラットには発情期がある訳で、ヒトの生後7ヶ月の乳児とは相当に違います。つまり、ヒトの場合、乳から主たる栄養をとっていた期間から、 生殖線が機能し始めて繁殖可能になるまでの期間が非常に長いので、乳幼児期に摂取した物質の影響が長い成長期間を通じて残るかどうかはわかりません。

また、「発情期の間隔が乱れる」という現象が、即ち何らかのリスクを意味する、ということかどうかも。

一方、今日の日経Food Scienceの畝山さんの記事”「環境ホルモン」 問題はどうなった?ビスフェノールAの評価を巡る世界の動向「その1」”が同じタイミングで出てきた。どうなってるのかな。

ともあれ、何らかの影響があるということと、その影響が持つリスクの多少、行政的な規制については、 それぞれのステップできちんと考えるべきことで、何らかのリスクがあったから即、規制強化という考えには立つべきではありません。

(私は、ポリカーボネート製のほ乳瓶がどうのと言うことには関心はありません。しかし、ビスフェノールAに代わる代替物質がない産業分野に規制の影響が及ぶ場合には、リスク・ ベネフィットをよく考えないと無用な混乱を引き起こすのではないかと懸念しています。制度をいじって社会的な混乱が起きるケースがこのところ多くなっている気がするので。)


 最近、上野動物園のパンダ、 リンリンが死んだ際の報道で、「ヒトで言えば70歳」という喩えをしていたのですが、それって分かりやすい喩えなのだろうか? ヒトよりも通常は長命な生物の場合でも「ヒトで言えば○○歳」といえば「分かりやすく」なるのかなと疑問に思った。また最近、 スウェーデンで樹齢9550歳のトウヒが見つかったというニュースも聞いていたのですが、この場合はヒトで言えば何歳なのだろう。

 今回のニュースを聞いた際も、生物種間の相対成長をきちんと考慮しないと評価できない毒性もあるのだ、 と思った次第。 iPS細胞のがん化のリスクもレトロウイルスを使っている場合は、 マウスではがん化をコントロールできてもヒトでは長期的にはコントロールできないかも知れないな、とか。(ヒトの場合、 iPS細胞のゲノムに導入されたレトロウイルスのコピー数が少なければ、技術的には全部マッピングできるので、 ある程度予測はできると思うのですが。)

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2008年5月12日 (月)

ミャンマーのサイクロン被害の影響拡大を懸念

ミャンマーのサイクロン被害が甚大なようだ。高潮で家族や家を失った人も少なくないらしい。被害の全貌はまだ明らかになっていないが、 被災者は200万人以上、死者は10万人を超える可能性があると伝えられている。間違いなく、今世紀最大級の災害だ。

被災直後は直接の人的な被害に目が行きがちだが、今回被災したデルタ地帯はミャンマーの穀倉地帯でもある。そのあたりでは、 おそらく2-3期作の水田作が行なわれているはずだ。

今シーズンの作付け分の収穫は無理だとしても、軍事政権は当面の必要量は確保できるとしている。また、 地元では今季の収穫ができなければ都市部では数ヵ月後には米不足に陥るとの見方もある。

しかし、海から高潮を伴って吹き付けたサイクロンの本当の被害は、それには留まらない可能性がある。 耕地に海水の塩分が持ち込まれてしまった場合、長期にわたって塩害が起きるかもしれない。 海水を被ってから大量の雨で洗い流されるのならともかく、今はまだ乾季。5月末の雨季の始まりまで後、2週間ほどある。 人道支援が一段落してからでも良いが、可能であれば現地調査を行なうべきだ。

バイオ・エタノールブームの影響でか、米の国際価格はこの半年で2倍近い高値になっている。 外貨収入をほとんど持たないミャンマーが米を輸入する必要が出てきた場合、調達は非常に難しい。日本政府はこの未曾有の災害に際し、 通常のODAを削ってでもWFPに対する緊急支援と、数年分の支援を表明するべきだろう。

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2008年5月11日 (日)

神戸大学・遺伝子組換え大腸菌投棄の一件、続報

この記事は2008年のカルタヘナ法違反に関するエントリーです。2012年の事案についてはこちらから

神戸大学の遺伝子組換え生物の不法投棄の一件の続報。5/10の新聞各紙(神戸新聞、読売新聞、MSN産経ニュース、時事通信等) の報道によると、

     
  • 医学研究科の設けた外部有識者を交えた調査委員会(緊急問題調査委員会)報告がまとまったのでプレスリリース
  •  
  • 調査結果によると、久野教授の研究室では少なくとも平成14年(2002年)4月以降は、   不活化していない組換え大腸菌廃液などの投棄を行っていた
  •  
  • 他の研究室では、そのような事態は確認されなかった。
  •  
  • 教授の指導の範囲による投棄かどうかは未確認。
  •  
  • 5/10付けで全学の組換え実験凍結を解除。
  •  
  • 再発防止策を公表(読売新聞)
  •  
  • 再発防止のため、外部委員を交えて法令順守を調査する「神戸大バイオセーフティ統括管理委員会」   を既に設置したことなども明らかにした。(神戸新聞)

とのこと。

プレスリリースの意図は、事実関係の調査が終了したことと再発防止策を策定したことの公表にあると思うのだが、 報道機関が切り取ったのは「6年前から不法な投棄が常態化していた」と言う点。再発防止策の策定を伝えたのは2紙のみ。 神戸大学には気の毒な報道ぶりだ(なので、今回は記事を引用しない)。

今後の展開としては、文部科学省に事実関係と再発防止策を報告、文部科学省で報告内容を検討(調査不十分な場合は再調査、 対応策の練り直し)、そして、相応の行政処分または刑事告発という段取りになるだろう。

ちなみにカルタヘナ法の施行は平成16年2月19日からなので、カルタヘナ法に関して違法行為と言えるのはそれ以降。 それ以前のガイドラインは「組換えDNA実験指針(平成十四年文部科学省告示第五号)」なので法的拘束力はない。

 


 

何ですね、再発防止策の眼目が”法令順守を調査する「神戸大バイオセーフティ統括管理委員会」”というのはどうなんでしょう。 事故調査を通じて原因を究明し、再発防止につなげるのは基本ですが、法令遵守を事後点検する委員会では、実効性に問題がありそうです。

それよりも、ルールを守らせるには、まず業務を担当する方々がルールを知らないといけません。 知らないものは守りようがありませんから。

(あ、地震だ)

実際、どのような再発防止策をとるのか興味深いところです。

というところで、神戸大学のホームページを見ると”お知らせ” が出ていました。極簡単な内容なので、概要版でしょう。これによると、再発防止策は、

 

(実施済み)

 
       
  • 拡散防止措置の現状確認
  •    
  • 教育訓練の実施(実験責任者、実験従事者)
  •  
 

(2)今後実施する再発防止策

 
       
  1. 新任教職員を対象とした研修会、部局長等を対象とした危機・コンプライアンスに対応した講習会、     遺伝子組換え実験従事者を対象とした安全講習会などを行い、安全・科学技術倫理等の徹底を図る。
  2.    
  3. 個別の研究室における安全指導が不適切に行われることがないよう、     複数の研究室が共同して安全教育を実施するシステムを確立する。
  4.    
  5. 遺伝子組換え実験施設の安全確保をさらに確実なものにするため、研究室内の遺伝子組換え実験に要する実験設備の点検評価、     実験廃棄物の正確な分別と適正な保管場所の確保を進める。
  6.  
 

  (3)全学バイオセーフティ統括管理委員会の設置と施策

 

遺伝子組換え実験、放射性同位元素等を使った実験、動物実験等バイオ実験に係わる安全性を統括管理する目的で、   3名の外部委員を加えた神戸大学バイオセーフティ統括管理委員会を4月16日に設置した。同委員会は研究担当理事が統括し、   その下に安全委員会、放射性同位元素等管理委員会及び動物実験委員会を参加させ、法令遵守の状況を専門的観点から調査・   検討し学長に報告するとともに、必要に応じ改善を求める。

とのこと。報道はされていませんが、教育訓練の重点化が再発防止策の骨子です。これなら理解できます (肝心の部分は報道されないのですね。困ったものです)。問題は、 きちんと教育訓練できる知識を持ったプロフェッショナルな人材の確保かもしれません。これは意外と難しい。

一方、「全学バイオセーフティ統括管理委員会」というのはどうなんでしょう。上部委員会を作っても、教職員に対して指導・ 命令する権限がないと、結局は研究担当理事に対する助言・勧告くらいしかできないのではないかと懸念されます。むしろ、 規制法のある実験について分からないことがあれば、すぐに相談できるワンストップサービス的な常設の窓口を作る方が物事は機動的に進みます。

現場のトラブルを減らすには、「何をどうする」という具体に常に神経が行き届くことが大切です。 (不断のトラブルシュートという意味ではカイゼンと似てるかもしれません。)

 

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