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2008年5月4日 - 2008年5月10日の記事

2008年5月10日 (土)

カモノハシ・ゲノム

今日のトピックはこれ。

(エンカルタより)

http://www.natureasia.com/japan/nature/updates/index.php?i=66196

Nature vol.453 (7192), (8 May 2008)

Cover Story: カモノハシのゲノム解読: 塩基配列の解析から得られる初期哺乳類の進化の手がかり

http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2388402/2908952

カモノハシのゲノム解読、 ほ乳類誕生の経緯解明に期待

【5月8日 AFP】自然界に存在する多種多様な生物の中でも、 恐らく最も奇妙な生物といえるカモノハシのゲノム(全遺伝情報)解読結果が7日、発表された。
 さまざまな動物の特徴をあわせ持ったかのようなカモノハシだが、今回の研究結果によれば、遺伝子上は鳥、は虫類、泌乳(ひつにゅう) 動物などの寄せ集めだという。
 研究チームは数年かけて、カモノハシの1万8500個の遺伝子に含まれる22億塩基対のゲノムを解読した。その結果、 生物学者にとって「十分に満足のいく」結果が得られたとしている。
 英オックスフォード大学(Oxford University)のクリス・ポンティング(Chris Ponting)教授は「カモノハシは、ヒトなどのほ乳類がどのように誕生したかを解明する課程での『ミッシング・ リンク(失われた環)』だ」と説明。「ほ乳類が卵から生まれ、母乳を飲んで育っていた時代へわれわれを導くチケットなのだ」 と述べ、カモノハシのゲノム解読の重要性を強調した。

■卵を産みクチバシや水かきを持つ、ほ乳類

 カモノハシはオーストラリア東部からタスマニア(Tasmania) に生息する。厚い体毛に覆われた半水生の動物で、およそ1億7000万年前に、ヒトとの共通祖先から分かれたと考えられている。
 母乳を出すことからほ乳類に分類されるが、卵を産む卵生動物では虫類の性質も持ち合わせる。乳首がないため、 雌は授乳の際に腹部の皮膚から母乳を分泌する。また雄には後肢にはへびの牙のような蹴爪があり、ここからは毒が分泌される。
 一方、ラテン語の学名「Ornithorhynchus anatinus」が示すように、 足の水かきやアヒルのようなくちばしといった鳥類の性質も持つ。そのほか、 ヒトには2つしかない性別を決定する染色体がカモノハシには10個もあるという。
 カモノハシは目や耳、鼻の穴を閉じることができ、さらに水中ではくちばしの中にある器官を使って、 獲物の筋肉の収縮で発生する磁場を感知することもできるという。
 研究チームの1人、米ワシントン大学(University of Washington)のリチャード・ウィルソン(Richard Wilson)教授は「カモノハシのゲノムと他のほ乳類のゲノムを比較すれば、 進化の過程でも変わることなく保存されてきた遺伝子の研究が可能になるだろう」と話している。

 この研究で使用されたゲノムは、豪ニューサウスウェールズ(New South Wales)州の「グレニー(Glennie) 」と名付けられた雌のカモノハシのもので、www.ncbi.nih.gov/Genbankで閲覧することができる。 (c)AFP/Marlowe Hood

えー、”遺伝子上は鳥、は虫類、泌乳(ひつにゅう)動物などの寄せ集め”という見方は、 時系列で見たら全く逆ですね。実態はおそらく、”鳥、は虫類、泌乳動物”に分岐する前の”プロトタイプ” から直接派生してきたものの生き残りではないかと思う。なので、身無理矢理”名誉”ほ乳類にするのはカモノハシに失礼では?

”卵を産む卵生動物では虫類の性質も持ち合わせる。”と言いますが、卵を産む脊椎動物は (卵胎生というバリエーションも含めると)、一部の有袋類と胎盤を形成できる一般的な哺乳動物以外全部なのでこの言い方は正しくない (ハリモグラも卵生だったっけ)。脊椎動物の祖先型の卵生という特徴を残しながら、 母乳を分泌する能力も獲得していると言う方が適切でしょう。

しかし、ニッチな研究だな。ファンドを提供した組織は偉い(次は、ハリモグラ・ゲノムか?)。

どなたか、鯨ゲノム研究やらないかな。ゲノムサイズは巨体に似合わず大きくはないと思いますが。

 

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2008年5月 8日 (木)

スイス”植物の尊厳”の問題がNature Newsに

4/16のエントリー

http://domon.air-nifty.com/dog_years_blues_/2008/04/post_7688.html

にも書いたのですが、4/23のNature Newsでも”植物の尊厳”に関するスイスの法律が問題視されている。

http://www.nature.com/news/2008/080423/full/452919a.html

交雑育種のために雄性不稔を導入すのは植物の繁殖の権利を損ない、尊厳を踏みにじるものだ、ということになるらしい。

私の価値観からすると、この法律は「狂って」いる。

そもそも、”尊厳”や”権利”と言う概念は人間の脳の所産だ。生命と言う状態を保っている物質の集合体には、”尊厳”や”権利” があってそうでないものには無いという線引きには同意できない。言いかえれば、生物である、というだけで無批判に尊厳を認めるべきではない。

”人権”と言う概念は、結局は恣意的な線引きでしかないが、 それは今日の世界でヒトにとって有用な概念であるから広く認められるようになったのだ(歴史的には、人権と言う概念に普遍性は無いと思う)。

その概念がヒトにとって有用である場合にのみ広く認められるようになるという構造的な問題をさておいて、”尊厳” と言う概念を広く多様な生物に適用するのは、生物の擬人化だ。

ヒトが特別な生物であるとするならば、それはあなたや私がヒトだからだ。それ以外に、この恣意的な区別に根拠など無い。 Homoという属名にはそういう意味が込められているのではないだろうか。

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2008年5月 7日 (水)

ヨーネ病についてのメモ

毎日新聞、小島さんの以下の記事に関心。

http://biotech.nikkeibp.co.jp/fsn/kiji.jsp?frd=kiji&kiji=2127

参考

http://niah.naro.affrc.go.jp/disease/fact/12.html

http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsp3/index.html

以下、断片的メモ。


ヨーネ病の病原菌は、Mycobacterium avium subsp. paratuberculosis

属名から言って抗酸菌。学名を見ると、結核菌と同じグループなので、 マクロファージに食べられても消化されないで細胞内の小胞体に住み着いてじわじわ増殖するのではないかと思ったら、やっぱりそうでした。

細胞内寄生するバクテリアには抗生物質はあまり効かないので、治療法もないとのこと。

検査法は、

  1. 直接鏡検:糞便の直接塗抹標本を抗酸菌染色し、集塊状の抗酸菌を検出する。
  2. 分離培養:糞便あるいは剖検時の腸管(回盲移行部等)、腸間膜リンパ節などをマイコバクチン添加ハロルド培地で培養する。 灰白色から象牙色のコロニー形成までに2~5ヵ月を必要とする。
  3. PCR法:糞便中等に存在するヨーネ菌に特異的なDNAを検出する。迅速診断法。
  4. 血清学的検査としてELISA法、補体結合反応が応用されている。
  5. ツベルクリン検査と同様な遅延型過敏反応を検出するヨーニン皮内反応が行われる。
  6. インターフェロン・ガンマ検査も試みられている。

技術的にはこのくらいある。法定の検査法はこちら。 これによると、確定診断には「細菌検査(分離培養)又は牛にあつては初回検査の三十日後(ヨーニン検査を実施していない場合は十四日後) にエライザ法による検査」とある。前者ではコロニー形成まで約2ヶ月必要。後者では早くても14日かかる。しかし、 一次検査でELISA陽性であればヨーニン反応を行うことで四十八時間から七十二時間までの間に確定診断できるとある。

一方、PCRは迅速だが、リアルタイムPCRでないと、反応後に電気泳動が要るので、現場で使うにはちょっと敷居が高い。・・・ とおもったら、栄研化学でLAMP法の検査キットを開発、島津で販売とか。こっちのほうが簡便である。 阻害物質の影響を受けにくいので再現性が高くなることが期待される。

http://www.shimadzu.co.jp/news/press/030226.html

で、その後、売ってるのだろうか。島津のホームページ内の検索では出てこない。どうなってしまったんだろう?

サンプル調製から結果が得られるまで数時間で判定できるので、スクリーニング検査には有効だろう。 キットの特性として擬陽性が出やすいと現場では使いにくいのだが、 スクリーニングで本当に陽性だった場合のみ出荷停止できれば牛乳を大量に無駄にする愚は冒さずに済むかも知れない。

日経バイオテクの記事では、

ヨーネ病の検査は主に2つある。1つは抗体検査で1日から3日で分かる。もう1つは牛のふんを採取して、 そのふんにいるヨーネ菌を培養する検査だ。菌の培養には時間がかかる。この菌培養検査の結果が分かるのは、なんと3カ月から4カ月後だ。 厚生労働省の見解に従うと、検査を始めた3カ月から4カ月後にさかのぼって、すべての牛乳が回収されることになる。

とあるが、もっと早くスクリーニングできれば問題は少ない。バクテリアの性質から言って、 非常に生育が遅いのは仕方ないので平板培養は現実的ではない。一方、法定の検査法によれば、ELISA+ヨーニン反応で確定診断を行う場合、 ELISAでのスクリーニングに2日、ヨーニン反応に3日としても5日のタイムラグで済む。この場合、 小島さんの見解は極端なケースの想定と言うことになる(これはわざとか?)。

 


 

 

ヨーネ病の場合も診断基準に従って診断した結果、初めて患畜と言うことができるはずだ。しかし、国会答弁では、 疑似患畜は食品衛生法で言う「疾病にかかった獣畜」だと取れる回答があった。

ヨーネ病等の疾病にかかった、又はその疑いのある牛の乳については、食品衛生法 (昭和二十二年法律第二百三十三号)第九条第一項において、これを食品として販売し、 又は食品として販売の用に供するために加工等をしてはならないこととされている。

そこで、念のために食品衛生法第9条を調べてみると、 「若しくはその疑いがあり」とあるので、家畜伝染病予防法で言う「患畜」+「疑似患畜」=食品衛生法でいう「疾病にかかった獣畜」 ということなのだろう。法律によって定義が違うのだ。

参議院で面白い議論があったのでリンクしておく。ELISAの擬陽性をどう考えるか、と言う問題だ。

http://www.kami-tomoko.jp/sitsumon/168/071012.htm

http://www.kami-tomoko.jp/sitsumon/168/071015.htm

http://www.kami-tomoko.jp/sitsumon/168/071220-2.htm

議員は確信的にELISAの診断キットに問題あり(擬陽性が非常に出やすい)という見解のようだ。 2chでも話題に上がっている。

http://www.heiwaboke.net/2ch/unkar02.php/science6.2ch.net/nougaku/1192441888

さて真偽や如何。

※ 現行キットはオリジナルの二段階法を簡便化して一段階にしている。 そのために特異性が落ちなければよいのですが・・・。

 


 

動衛研のホームページに依ればヨーネ病の感染は、

感染経路は経口感染が主であり、感染母牛から子牛への感染が伝播経路として重要である。 同居牛への水平感染や母牛が重度のヨーネ病に罹患している場合は、胎児への胎盤感染も起こる。

とある。子牛の時期に感染するのであれば搾乳前に複数回ELISAでチェックしておけば、 垂直感染は防げる可能性は高いし、擬陽性の場合のチェックもできるだろう。ただし、同じロットのキットで繰り返し判定するのでは、 キットと動物の両方が疑わしい場合はクロスチェックにならない。要は道具の使い方だ。

スクリーニングで陽性だったから即処分というのは疑問。

Mycobacterium avium subsp. paratuberculosis とクローン病の関係について示唆する論文が出ているとのこと。要チェックだ。

http://www2.us.elsevierhealth.com/inst/serve?action=searchDB&searchDBfor=art&artType=abs&id=as0016508507014503&nav=abs

パン酵母由来のマンナンで試験してるのですが、 マンナン添加量が増えると白血球に取り込まれた大腸菌の生存率が上がるとの論文。ホントかな。こんにゃくってマンナンだったな。 もう少し核心を突いた輪文でないと、まだ信頼できない。

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2008年5月 5日 (月)

益子焼陶器市

ゴールデンウイーク恒例の益子焼陶器市に行って来た。つくば市に越してきてから4回目になるだろうか。この4年、 そば猪口を湯のみの代わりに使ってきたのだが、今年は湯のみ茶碗を買うことにした。

思えば、3年前にはお店で写真を撮ってblogに乗せていた。 しかし、改めて大麦柄の茶碗を探してみると、なかなか見つからないものだ。数店を巡ってやっとみつけたのが、これ。

麦茶碗

結局、買って帰って写真と比べてみると、3年前のものと一緒の柄だった。

麦の図柄にも大麦っぽいのと小麦っぽいのがあるが、私達夫婦の場合は大麦柄にこだわっています。私はもと大麦の育種家、 嫁さんは食用大麦の成分の研究をしていますので。

# しかし、この茶碗で飲むのは麦茶ではなく、主に緑茶でしょう。

三列に並んだ穎果の形には、大麦の小穂の特徴が現れており、すこしずんぐりした穂の形の図柄には、渦性という日本産の大麦に特異的な半矮性の表現型がよくあらわされている。 この辺が小麦とは違う。

この季節、益子町周辺の畑には、このような六条大麦が実り始めている。

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