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2008年12月24日 (水)

ヒトは”超”雑食性

今宵はクリスマスイブ。クリスチャンばかりではないので、”Happy Holidays!”という挨拶が政治的には正しい(politically correctな)表現だそうです。

さて、朝日新聞のニュースより。

人のごちそう、ペットには「毒」 パーティ残り物に注意

2008年12月24日

【ワ シントン=勝田敏彦】クリスマスパーティーや忘年会のシーズンを迎え、「残った食べ物を不用意にペットにやらないで」と全米動物愛護協会(ASPCA)が 呼びかけている。人間にはごちそうでも、ペットには「毒」になることも少なくないという。日本でも参考になりそうだ。

 まず注意すべきことは「残り物をやって、ペットが食べ過ぎにならないように」。食べ過ぎると消化不良になったり、下痢をしたりする。

 また酒類はペットが近づけない場所に置く。菓子も注意が必要で、犬がチョコレートを食べると吐き気を催したり不整脈になったりするし、甘味料のキシリトールも少量をとっただけで低血糖に陥り、最悪の場合は肝不全になる。

 このほか「ペットの毒」としてアボカド、コーヒー、マカダミアナッツ、タマネギ、干しブドウ、ニンニクなどをあげた。花束に入っているユリの花も、猫が食べると腎不全を起こすことがあり、注意が必要だとしている。

 ASPCAの獣医師スティーブン・ハンセン博士は「人間のこの時期の習慣が、ペットには脅威になることがある」と指摘した。

 
ヒトには無害な化学物質が他の生物には毒になることがある。この記事でもタマネギが挙げられているが、かつて科学技術庁の委託で行なわれた放射線照射タマネギの安全性試験の事例を思い出した。あらましは、放射線照射した乾燥タマネギをマウスやラットに食べさせて亜慢性毒性試験を行い安全性を確認するという試験で、タマネギ自体に毒性があるため、放射線照射を行っていない動物にも奇形やひ臓の肥大が見られたというものだ(*)。

タマネギに含まれる硫化物は、イヌ、ネコ、ウシ、ヒツジなど多くの動物に中毒を起こさせる。これは、赤血球が破壊されるためにおこる極度の貧血を伴うもので、場合によっては致死的だ。マウスやラットはある程度耐性があったので死ななかったのだが、それでも無事では済まなかったのだろう。

同様の理由で、スパイスやハーブなど、それ自体に生理活性のある食品では動物実験による安全性の確認が難しい。

どのような物質が毒になるかは、その物質がある生物の生体内でどのように振る舞うか、あるいはその物質に対して生物がどのように振る舞うかで決まってくる。 ある生物にとって毒性のある物質であっても、それを代謝して無毒化できるで動物にとっては毒ではない。コーヒーや緑茶に含まれるカフェインはヒトにとって はほぼ毒ではないが、大抵の動物にとっては毒だ。特に、ナメクジやカタツムリにとっては、カフェインはインスタントコーヒー程度の濃度でも致死的な毒だ(**)。

また、耐虫性遺伝子組換え作物に含まれている一方で、有機農業で使用できる数少ない殺虫剤であるBtトキシンも、特定の昆虫に対しては毒性を発揮する。しかし、ヒトを含むほとんどの生物に対しては無害である。

上記の記事とは逆にヒトに対しては毒性を示すアルカロイドに耐えられる生物もいる。カイコはクワの葉を食べるが、クワの葉には高濃度のアルカロイドが含まれていて、カイコ以外の生物はほとんど”安全に”食べることはできない。しかし、カイコの糖を加水分解する酵素はそのアルカロイドによる妨害を受けないため、クワはカイコにとって唯一の貴重な食糧になっている(出所はこちらのblog経由***)。

ヒトは様々な生物を食べることができる。究極の雑食動物と言えるかも知れない。それが、自然に備わった強力な解毒能力によって支えられていることを上の記事は示している。

しかし、ヒトの強力な解毒能力を以てしても、天然毒による食中毒は後を絶たない。産経ニュースより。

スイセン球根で5人食中毒 小学校の調理実習、タマネギと間違え

2008.12.6 00:50

  茨城県は5日、同県潮来市の徳島小学校で、調理実習で作ったみそ汁を食べた児童5人が吐き気や嘔吐(おうと)の症状を訴えたと発表した。全員軽症。みそ汁 に、校庭の菜園で栽培していたスイセンの球根をタマネギと間違えて入れたという。スイセンには中毒症状を起こす物質が含まれており、県は食中毒とみてい る。

 徳島小によると、5日午前、みそ汁に入れて3年生と4年生の児童11人と教諭1人が食べた。

スイセンのアルカロイドに関する情報はこちら。毒性の発現機構はアセチルコリンエステラーゼの阻害作用なので、メタミドホスなど有機リン系殺虫剤による中毒と症状が似ているのではないだろうか。スイセンの球根に毒性があることは古くから知られていたが、毒性を示す物質が同定されたのが以下の論文(2002年)であれば、かなり新しい情報だ。

López, S. et al. Acetylcholinesterase inhibitory activity of some Amaryllidaceae alkaloids and Narcissus extracts. Life Sci 71, 2521-9(2002).  

それにしても、菜園にスイセンを植えるというのはいかがなものか・・・。しかもスイセンの球根はタマネギより相当小さいと思うけれど、間違えるものなんだ。

ところで、神国日本には古より八百万の神々のうちの一柱として”基督”様がおわします。その縁日には、世界の平和を祈念するのが、我が国の習わしとなっております。この良き日に寂しくブログなんか見ているあなたに(あるいは書いてる私に!)、メリー・クリスマス!

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