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2008年9月12日 (金)

「立入検査」の権限は、これを犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

御政道向きの話をすると、お上の監視の目が厳しいらしい。

だが今般は報道の論調に頷けないところが多々あるのでメモしておこう。
---
様々な業界に対して監督官庁は法律によって与えられた立入検査の権限を持っている。今般、 三笠フーズに対して農政事務種が過去96回の立入検査をしたのに不正を見抜けなかったと報道されている。

しかし、過去に農政事務種が行った立入検査は非食用米の転用の有無を調査する目的で行われたものなのだろうか?というか、 法律ではそういう検査を行えるようになっているのだろうか?

農林水産省職員に食料用の米、麦を扱う事業者に対する立入調査の権限を与えている法律と言えば、
主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律だろうか。 この法律の立入検査に関する条文は以下の通り。

   
    第五十二条   農林水産大臣は、この法律の施行に必要な限度において、機構若しくはセンターその他業として主要食糧の出荷、販売、輸入、加工若しくは製造を行う者に対し、その業務若しくは資産の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、これらの者の事務所、営業所、販売所、事業所、倉庫若しくは工場に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。  
 
 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、     関係者に提示しなければならない。  
 
 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。    
 
 
  他の法律でも、官庁の調査権限については「立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。」とされているはずだ。ちなみに、「覚せい剤取締法」でさえ、通常業務に関する立入検査については「前二項の規定は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。」と書いてある。
 
  # もっとも、マルサの国税庁の立入りについても同じなのかどうかは知らない。  
 
  行政調査は通常業務の範囲にある行為について「間違い」がないかどうかは監督官庁の権限で検査するためのもので、「最初から意図的に違法行為を行う」こと、すなわち犯罪に対して監督官庁が捜査権限を持っている訳ではない。  
  「間違い」か「犯罪」かの線引きは、性善説に基づいており事業者意図次第なので甘いと言えば甘いのだが、私は公権力が肥大して何でもかんでも犯罪捜査として強制できる事の方がよほど恐ろしい。  
 
  基本的に、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律に基づく立入検査では、”主要食糧の出荷、販売、輸入、加工若しくは製造を行う者”が検査の対象だ。従って、仮に、この法律に則って非食用の米麦についての立入検査を行うには相応の覚悟がいる。不服申し立ての訴訟を起こされた場合に負けることも覚悟しなくてはならないからだ。  
 
  というわけで、「96回も立入検査したのに分からなかったのか!」とマスコミに責められる次官は気の毒だ。そうやって監督官庁を責めると、結果として役所の権限と業務の拡大に繋がっていく可能性が高いと言うことが、マスコミは分かっていないのではないだろうか。それは誰にとっても幸福な未来ではない。  
 
  とはいえ、非食用米を食用米に偽装して転売していたのだから、食用米の流通に関してきちんと把握できていなかった点については瑕疵を認めた方が良い。そこは他人事ではない。
 
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