2014年12月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

最近のトラックバック

どこからきたの?

  • なかのひと

Google Analytics

« タンパク質は疲労を感じない | トップページ | アグロバクテリウム法で遺伝子組換え作物を開発している人には微妙なニュース »

2008年9月 5日 (金)

HHV6は一般的な内在性ウイルスか?

先のエントリーにコメントを戴きました。

latent protein …「潜在タンパク質」

というのが,ヒトDNAに組み込まれた内在ウイルス遺伝子のタンパク質だとしたら,この記事で間違いではないのかも(いい文章ではないですが)と思いました。

とのことですが、うーん・・・。私はウイルスの専門家ではないのですが、教科書的にはHHV6などのヘルペスウイルスのゲノムは2本鎖の線状DNAで、核内に局在します。ですので、相同組換えでヒトの染色体内に内在化(integration)しないとは言い切れないのですが、なにせヘルペスウイルス属のゲノムサイズは一般的に120 kbp以上(HHV6Aでは159,321 bpというのがあります。こちら)とウイルスとしては巨大な方なので、よくあるレトロウイルスの内在化のような現象は起こりにくいのではないかと思います。

・・・とおもって調べてみると、そう言う内在化の事例がありました。こちらなど。

1: Daibata M, Taguchi T, Nemoto Y, Taguchi H, Miyoshi I.
Inheritance of chromosomally integrated human herpesvirus 6 DNA.
Blood. 1999 Sep 1;94(5):1545-9.
PMID: 10477678 [PubMed - indexed for MEDLINE]

2: Morris C, Luppi M, McDonald M, Barozzi P, Torelli G.
Fine mapping of an apparently targeted latent human herpesvirus type 6
integration site in chromosome band 17p13.3.
J Med Virol. 1999 May;58(1):69-75.
PMID: 10223549 [PubMed - indexed for MEDLINE]

3: Daibata M, Taguchi T, Kubonishi I, Taguchi H, Miyoshi I.
Lymphoblastoid cell lines with integrated human herpesvirus type 6.
J Hum Virol. 1998 Nov-Dec;1(7):475-81.
PMID: 10195269 [PubMed - indexed for MEDLINE]

などなど。しかし、いずれもレアケースなので、レトロウイルスの内在化のように誰にでも起きている現象という訳ではない模様です。つまり、HHV6に感染しているヒトは少なくはないにしても、内在化を起こしているケースは希であると考えた方が良いでしょう。

となると、先のニュースのlatent proteinの一件は、ヒトゲノムに内在化したHHV6由来のタンパク質に限定されるものではなく、やはり、ヒトに感染したHHV6に由来する”HHV6のタンパク質”と言うべきだと思います。

また、HHV6は慢性疲労症候群との関連も言われておりますが(因果関係はまだ決定的ではありません)、このblogでも取り上げた新聞記事から得られる情報で、FFがヒトの一般的な疲労のセンサーになっているという解釈はしない方が良いと思います。

人気blogランキングへ←クリックしていただけますと筆者が喜びます!

« タンパク質は疲労を感じない | トップページ | アグロバクテリウム法で遺伝子組換え作物を開発している人には微妙なニュース »

コメント

HHV-6は、乳児期、ちょうど母親由来の免疫がなくなってくる頃によく発病する突発性発疹の原因ウイルスですね。
そして初感染以降は潜伏感染状態となり、断続的に唾液中にも排泄されるようです。私たちも、いつでも持っているのですよ。
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k01_g3/k01_30/k01_30.html

従って、土門さんが書かれているように「ヒトに感染したHHV6に由来する”HHV6のタンパク質”と言うべきだ」というのに同意します。

フォロー解説のTBありがとうございます。
目についた単語にひっかかって書いた素人まるだしの質問に判りやすく回答いただきとてもよくわかりました。
これからも寄らせていただきます。
どうぞよろしくお願いします。

 o(_ _)oペコッ

はじめましてです。
普遍的で潜伏感染状態なら人Genomeに integrate されていなくても
疲労によってホストのImmune Systemが下がったときに体内で繁殖、
FFが生産されると言うことでしょうか?

Virusの戦略でホストが疲れたときに
Virusがなんらかの形で探知して
潜伏から能動的に繁殖するためにFFを生産して
ホストをさらに疲れさせてImmune Systemを低下させて
繁殖しやすくするのでしょうか?

そうするとHHV6が疲労のセンサーとなりますね。

さて、「疲労」と「FF生産」のほかに「免疫機能低下」という役者まで加わると、それぞれの関係の想定されるバリエーションが増えます。
「疲労」→「FF生産」→「免疫力低下」
「疲労」→「免疫機能低下」→「FF生産」
「FF生産」→「疲労」→「免疫力低下」
「FF生産」→「免疫機能低下」→「疲労」etc.
ですが、もともとの記事によるとFFを注射すると急に疲労が起こると言っているので、FFはホストを疲労させるウイルス・タンパクという側面はあります。免疫機能との兼ね合いは分かりません。

また、私は疲労の結果増えるタンパク質をセンサーと呼ぶのには、抵抗があります。ホストの疲労の度合いに応じて、転写レベル、翻訳レベル、ホストによる分解レベルのいずれかの制御でFFの増減が制御されているのでしょうが、FFがセンサーになっている証拠はこれまで示されていないように思います。

センサーと言えるのは”Virusがなんらかの形で探知して”というステップに関与しているタンパク質だと思います。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/139010/42388327

この記事へのトラックバック一覧です: HHV6は一般的な内在性ウイルスか?:

« タンパク質は疲労を感じない | トップページ | アグロバクテリウム法で遺伝子組換え作物を開発している人には微妙なニュース »

twitter

  • Bernard_Domon

Ranking

  • にほんブログ村 科学ブログ 生物学・生物科学へ
    日本ブログ村
無料ブログはココログ