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2008年5月26日 (月)

新型インフルエンザ対策に一石

バキュロウイルスとSf9細胞の組み合わせでしょう。 リコンビナントのコンポーネントワクチンの登場です。朝日新聞より。

インフルエンザワクチン、製造期間短縮へ 大流行に備え

2008年05月26日19時41分

 新型インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)に備えて、ワクチンの製造期間を短縮する臨床試験を、 創薬ベンチャー企業の「UMNファーマ」(本社、 秋田市)が近く始める。米企業の技術を使い、期間を3分の1にするための技術開発で、同社は26日、 工場用地を市内に取得したと発表した。

 従来の製造は、ワクチン株を弱毒化して鶏の有精卵で培養して増やす。ただ、1人分のワクチンを作るのに卵2個以上が必要で、 時間もかかることから、「パンデミックのような非常時に確保できるのか」と疑問視されている。

 ファーマ社が取り組むのは、ワクチンづくりに必要なウイルスの遺伝子を、昆虫(ヨトウガ)の細胞に組み込んで培養する技術。 従来の実験で使う哺乳(ほにゅう)類の細胞よりも増やしやすいのが利点。有精卵の準備やウイルス株を弱毒化する工程が省け、 流行しているウイルスを使ってすぐにワクチンを作ることができる。製造期間は従来の半年から2カ月に短くできるという。

 独立行政法人医薬品医療機器総合機構の調査期間が終了したため、 6月中旬から20~40歳の男性125人を対象に世界で流行している鳥インフルエンザウイルス(H5N1) に対するワクチンを使った臨床試験を始める。

対象が男性だけ、しかも老人や子供は含まないので、通常のphase1の色彩も強いですが、phase 1+2という感じで、ドーズを変えてワクチンを接種し、抗体価も一応は見ると言うところかな。

しかし、コンポーネントワクチンであるからには泣き所はあります。 流行の中心がワクチン製造に使った抗原とよく似たウイルスでないと効かない。また、製造期間がたとえ1ヶ月になっても、 パンデミックが起こってからではまず間に合わない。というか、 どんなインフルエンザワクチンでも効果が発揮されるには2週間ほどかかるのだから当面の対応としては、 タミフルやリレンザに頼るほか無いでしょう。

むしろ、昆虫細胞培養系のメリットは、人に対する病原体を含む潜在的なリスクが低いところと、 培養のスペース効率が良いところでしょう。精製の際の手間がどうなのかは判断できません。また、リコンビナントなりに、 GMPで生産する際の難しい点もあるでしょう。ベクターの調製もGMP、 ウイルスベクター構築後に抗原のシーケンスを確認するのはGLPと言う案配になると、生産に取りかかるまでのハードルも相当高いので、 WHOの差配で配布されたモックアップ用の組換え弱毒ウイルスでワクチンを製造するよりも、最初は手間がかかるかもしれません。

しかし、ワクチンの効果は抗原だけで決まるものではありません。効率よく効かせるにはアジュバントも大切です。 グラクソ・ スミスクラインのように、アジュバントを工夫すると接種する抗原の量を相当量減らせるので、 今般のケースのように抗原の量の確保が難しい場合には非常に有効です。

# なんとかならないのかな? → このblogをご覧になっているであろうデンカ生研さんとか。

 

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