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2008年4月 2日 (水)

体細胞クローン家畜の安全性評価を厚労大臣が諮問

畜産草地研究所(農業・食品産業技術総合研究機構)は平成16年からという農水省の「先端技術を活用した農林水産研究高度化事業」 という予算で安全性評価試験を実施してきた。 その成果と、内外の科学的安全性評価結果が出そろったところで、食品安全委員会に諮問する運びとなった。

朝日新聞より。

クローン牛、食べられる? 「一般牛と差異なし」報告

2008年04月01日

 農林水産省所管の畜産草地研究所は体細胞クローン技術で作った牛とその子の肉質や乳の成分が一般の牛と比べて 「生物学的な差異はない」との調査結果をまとめた。クローン技術では米国や欧州でも安全とする評価が相次いでおり、 厚生労働省は1日、クローン技術で作った牛や豚とその子について、内閣府の食品安全委員会に食品としての健康影響の評価を諮問した。

 同委員会が安全と評価すれば、国内で流通する可能性もある。ただ、消費者の不安もあり、厚労省によると、 世界的にも流通実績はない。

 体細胞クローンは、 核を取り除いた未受精卵にコピー元となる動物の皮膚などの体細胞から核を移植して代理母の子宮に戻して出産させる技術。 畜産草地研究所の調査では、体細胞クローン牛から生まれたクローン牛を調べ、栄養成分の分析やアレルギー試験などを実施。その結果、 一般の牛から得た乳や肉との差はないと結論付けた。

 米食品医薬品局(FDA)は今年1月、クローン技術で作った牛や豚、ヤギやその子から作られる肉・ 乳製品の安全性を従来の家畜と同等と評価。欧州食品安全機関(EFSA)も、 クローン技術で作った牛と豚とその子から作られる食品を安全とする方向で意見集約を進めている。

 日本では99年に農水省がクローン牛の国内出荷の自粛を要請。03年に厚労省の研究班は安全性を認める一方で、 食品の安全性には「慎重な配慮が必要」としていた。今回、クローン牛の子についても安全性が確認され、「科学的な知見が出そろった」 (厚労省の担当者)としている。

さて、FDAの評価ではたしかヤギが入っていたが日本ではなし。クローンヤギ肉が輸入されたら・・・ と言う懸念は無いのだろう。まあ、クローン牛そのものは相当高価なものと思った方がよいでしょうから「食べられる?」と言う質問には 「いずれ食べられる。当分はお金持ちに限って。」と答えておこうか。

もう一つ。毎日新聞より。

クローン肉:牛・豚、安全評価へ 厚労省が諮問

 体細胞クローン牛や豚と、その子孫の肉や乳などの安全性について、厚生労働省は1日、 国の食品安全委員会に対し健康影響評価を諮問した。農林水産省が3月、「体細胞クローン家畜は通常の家畜と同様に安全」 との報告書をまとめ、米食品医薬品局も同様の評価を公表したことを受けた。今後、米国などで市場に出る可能性もあるとして、 厚労省は評価の依頼を決めた。

 クローン技術を使えば、肉質が優れた牛や豚、乳量の多い牛のコピーをつくり出せる。国内でも研究が進み、昨年9月末現在、 体細胞クローン牛535頭、豚256頭が誕生している。

 しかし、牛については農水省が出荷自粛を要請しているため、市場には流通しておらず、豚も市場に出た実績はない。

 体細胞クローン動物は、流産や死産が多いことが指摘されている。農業・食品産業技術総合研究機構は体細胞クローン牛や、 その子孫計220頭のデータを分析。3月にまとめた国内調査で「生後200日以上生存した牛は、一般牛と同等に生育し、 生理機能も差はなかった」と結論づけた。

 厚労省は「評価結果がまとまり次第、必要な対応をとる。米国は出荷を自粛しており、市場には出ていない。現時点で、 輸入などの規制措置をとる必要はないと考えている。評価結果は説明会などを開き、国民に情報提供したい」と話している。 【下桐実雅子】

こちらの記事では、牛と豚と書かれている。 具体的なクローン動物の作出頭数や研究の経過についても言及されており情報量も多い。「ただ、消費者の不安もあり、厚労省によると、 世界的にも流通実績はない。」のような無意味な表現や、ふざけた見出しがない分好感が持てる。

解説記事も一つ。毎日新聞より。

解説:クローン肉・安全評価へ 不安に応える審議を 消費者団体は「時期尚早」

 体細胞クローンで作った牛や豚の安全性を認める動きは世界的な流れだ。しかし、 各国とも消費者団体は慎重な姿勢を示しており、国の食品安全委員会には、「解禁ありき」ではなく、 国民の疑問や不安に応える丁寧な審議が求められる。

 これまでに豪州、ニュージーランドが安全性を承認。今年1月には欧州連合(EU)と米食品医薬品局が「危険とは考えにくい」 「安全性の点で普通の牛と変わらない」との報告書などを公表した。

 農林水産省によると昨年9月末現在、体細胞クローン牛を出生させた研究機関は全国に42機関あり誕生・ 飼育技術は広がっている。

 近畿大の入谷明・先端技術総合研究所長は「新しい食品の安全性を確認する手法は確立している。その手法で、 国内の体細胞クローン牛を調べたところ、問題ないとの結果が出た。公聴会や消費者団体への説明会で説明を重ねるべきだ」と話す。

 一方、安全宣言が出た米国でも、実際の流通までは数年かかる見通し。日本でも消費者団体などが 「クローン家畜には流産や死産が多く、原因がはっきりしないうちに流通を目指すのは時期尚早」と、「食の安全」 確保の立場からの検討を訴える。【永山悦子、江口一】

毎日新聞 2008年4月2日 東京朝刊

消費者団体のコメントが珍妙。流産や死産した家畜は肉にならないので流通しない。 あるいは死産や流産した体細胞クローンの親動物の方に何らかの安全上の疑念があると言うのだろうか。「食の安全」 と言う観点では議論の対象にならないのはあきらか。これを食品安全委員会に向かって言うのは、専門家に対して失礼だ。

ただ、今回のように、特段の危険性を示すデータがない場合は丁寧な審議といっても議論の争点が定まらない。 科学的には、危険性を示すことは何かの事象が観察されればよいので比較的たやすいのだが、安全性を示すことは容易ではない。 何も起こらない場合は従来の食品と違わないとは言えるが、それはどのくらい安全であるかと言うこととは別の議論だ。

ちなみに、体重60kgの成人が霜降り牛肉を毎日300g摂取すると、摂取しない場合と比較して、 内臓脂肪の蓄積量の増大が見られる事が多く、脂肪肝になるリスクが高まることが知られている。 また血中中性脂肪やコレステロール値も高くなり、冠リスクのバイオマーカーにも悪影響を与える可能性が高い。 これらの悪影響は日常生活における運動量が少ないほど著しいとされている。

# 要するに良いものばかり食べてると太るよ、と言うだけのことだが。

さて、安全性がきちんと評価されれば、今後流通するのはまず間違いないだろう。その段になれば、 今度は表示の問題が出てくるかもしれない。国産和牛のクロ-ンについては堂々と表示すればよいのだ。 その方が最先端技術で作られた高級牛肉として中国にも高値で売れるかも知れない(松坂牛、米沢牛、神戸牛、 近江牛に次ぐ地位とされる佐賀牛などは、割安感からか中国向けに出荷されているという)。飼料価格も高騰しているのだから、 付加価値を付けるには良いチャンスだ。

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