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2008年4月15日 (火)

遺伝子組換え実験の掟

大学、国公立の研究所、企業で行われてきた遺伝子組換え実験については、実験者や法人が守るべきルールがある。

平成16年2月19日以降は、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」 (通称、カルタヘナ法あるいは”かるた”と略す人もいる)。違反者には行政指導や、刑事罰が適用される。

それ以前は、実験の実施主体によって所管官庁が異なるものの、大学、研究機関では「組換えDNA実験指針 (平成十四年文部科学省告示第五号)」(旧指針)の遵守が求められてきた。こちらは指針なので、基本的に罰則はない。(が、違反があれば、 やんわりと科研費返納等を促したことはあるらしい。)

遺伝子組換え実験の規制の歴史に興味がある方は、この組換えDNA実験指針のWeb魚拓でも取っておいた方が良いかも知れない(ま、 居なさそうなので自分で取っておきました) 。廃止された規則がまだ役所のホームページにあると、そのルールが生きているのと勘違いする人がでてくるので、削除する予定となっている(・ ・・って3年以上も放ってあるのですが)。

旧指針の解説資料については、 これはこれで結構味わい深いことが書いてある。

     
  • 遺伝子組換え実験指針の歴史
    • 旧文部省、旧科技庁の取り組み(昭和51年?平成13年)   
    • 省庁統合による文部科学省統一指針の誕生(平成14年?平成16年)
    •    

遺伝子組換え実験をしたことがない市民や、平成17年度以降に初めて遺伝子組換え実験を始めた人にはなじみがないのだが、 日本では昭和54年(1979年)にアメリカで1975年に開かれたアシロマ会議の議論を受けて、 初めて大学の遺伝子組換え実験に関する指針が設けられている。以来、平成16年(2004年) の廃止までの25年間に実に20回の改訂が行われている。

現在、遺伝子組換え実験の規制をしているカルタヘナ法の下部規則である「研究開発等に係る遺伝子組換え生物等の第二種使用等に当たって執るべき拡散防止措置等を定める省令 (平成16年 文部科学省・ 環境省令第1号) 」(通称、二種省令)には、この旧指針の考え方が色濃く残されており、 基本的なルールは激変的には変わっていない。それまでの指針自体が合理的なものであったことと、 現場の混乱を避けるための配慮とがあったのだろう(それでも結構、混乱していましたし、 私はその渦中でもがいておりました)。

このあたりの「昔語り」をどなたかにしてほしいものだ。例えば、

     
  • ”昔はなぁ、ヒトや霊長類のゲノムDNAをクローニングすると言うだけでP3レベルが要求されたものだった”
  •  
  • ”あの頃は、窓の開く温室で組換え植物を栽培する実験は、開放系と言うて、ぜえんぶ大臣確認実験だった”     (私も申請書を書いたことがあります)
  •  
  • ”そうそう、そういえば自律増殖性の組換えウイルスを作る実験も、あの頃は大臣確認だった”     (今でも大臣確認ですって。)
  •  
  • ”機関承認実験と機関届出実験という区別まで指針の中に事細かに書かれていたものだ”

なんて具合に。リスク評価の集積が進んだことで、20年前から見ると大幅に規制緩和されている様子が分かることだろう。

このところ新聞沙汰になっている神戸大学大学院の事案については、様々なblogや果ては2chでも色々と喧伝されている。やれ、 「役人が現場の状況も知らないで勝手なルールを作るからいけない」だとか。・・・しかし、 滅菌していない組換え大腸菌を流しに捨ててはいけないというのは、 20年以上も前の組換えDNA実験指針が運用されていた頃からどこの現場でも通用しているルールだ。プロなら知らないはずはない。

無原則に様々な組換え微生物を普通に流しに捨てる状況の方が、現状より良いと考える人はおそらく居ないのだろうから、 何らかの行動基準は必要なのだ。要は廃棄の前に”不活化”できていれば良いのだから、オートクレーブが面倒だったら、 流す前に塩素系漂白剤を入れて一晩放置とか、他にも方法はあっただろうに。それさえもやらなかったのであれば極めて残念なことだ。

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