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2008年3月10日 (月)

「食の安全」巡る摘発、昨年は最多52件・・・本当か?

食品の産地偽装、原材料の虚偽表示は、食品衛生上のリスクとは概ね無関係。

例えば、インド洋産のミナミマグロを太平洋産のメバチマグロと表示するのは、原材料も産地も偽装している事になる。法律違反だが、 食品衛生上のリスクはない。もちろんそうでないケースもあり得る。

一方、警察庁の法律違反の事例の発表では、現実のリスクとは別に違法行為として摘発されたものが全部入っている。従って、 以下の記事の見出しは記事の内容にそっているとは言い難い。

「食の安全」巡る摘発、昨年は最多52件
 全国の警察が昨年1年間に産地偽装や衛生上の問題など「食の安全」に関連して摘発した事件が、 統計を取り始めた2002年以降で最多の計52件に上ったことが、警察庁のまとめでわかった。
 このうち、北海道苫小牧市の食肉製造加工会社「ミートホープ」(破産)による食肉偽装など、原料や産地、 消費期限の偽装で21人が摘発されたほか、無許可営業などの食品衛生法違反でも69人が摘発された。

 一方、ヤミ金融の摘発件数も前年比161件増の484件で、2003年以来4年ぶりに増加に転じた。

 このうち233件で昨年1月の出資法改正で新設された「超高金利」が適用され、 確認されたヤミ金融による総被害額は約304億円に上った。

 同庁によると、約3割の事件で、暴力団関係者が摘発されるなど、依然として暴力団の資金源になっているという。

 特に「090金融」と呼ばれる他人名義などの携帯電話を利用した手口が目立ち、同庁は「巧妙化しており、取り締まりを強化する」 としている。
(2008年3月6日10時36分  読売新聞)

ま、ヤミ金も「食の安全」とは関係ないけどね。消費期限の偽装は、場合によっては食の安全上のリスクもある。

しかし、「このうち」(=52件のうち)「食肉偽装など、原料や産地、消費期限の偽装で21人が摘発されたほか、 無許可営業などの食品衛生法違反でも69人が摘発された。」とあるが、この文の食品衛生法違反にかかるのは「無許可営業などの」 という部分だけなんだろうか?

だとしたら、ひょっとして衛生上の問題について食品衛生法違反で摘発したケースは一つも無いのではないか?・・・ もし食品衛生法が、実際は「食の安全」の担保に役立っていないとしたら・・・

いかんいかん。そんな、あってはならない事を妄想してはいけない。民主党の皆さんも、食品安全庁構想もいいけど、 こういうトピックについてこそ「質問注意書」を出してほしいものだ。

ついでに、もう1件。毎日新聞より。

偽装牛ミンチ:元社長の「反省」どう判断 札幌地裁19日判決

 苫小牧市の食肉加工卸会社「ミートホープ」(自己破産手続き中)の偽装牛ミンチ事件で、 不正競争防止法違反(虚偽表示)と詐欺罪に問われた元社長、田中稔被告(69)。法廷では起訴事実を全面的に認めながら、 その言動は国民の「食の安全」を脅かした自覚に乏しく、裁判長が判決前に田中被告を諭す異例の場面もあった。検察側は懲役6年を求刑。 実刑も含めた厳しい判決が予想される。【芳賀竜也】

 「私の知識と経験を皆さんにお返ししたい。他の人がスーパーで(肉製品を)見ても(偽装は) 分からないけど、私には分かる」

 2月18日、札幌地裁で開かれた第2回公判。弁護人による被告人質問で、 今後の身の振り方を問われた田中被告は真剣な表情でこう答えた。検察官が「それは食品Gメンのようなものか」と確認すると「そうです」。 その自信にあふれた態度は、食肉の知識を悪用し、利益追求のため長年にわたって偽装を続けた行為への反省とはかけ離れていた。

 田中被告は何度か「反省」を口にしたが、それは消費者に対するものではなかった。

 「詐欺事件の被害者は(偽装牛ミンチを購入した)業者かもしれないが、本当の被害者は誰ですか」。 嶋原文雄裁判長が尋ねた。田中被告が「消費者ですか?」と答えると、裁判長は「そうですよ。(起訴状に)名前も出てこないんですよ。 みんなだまされて食べていたんだ。消費者のことがあなたの口から出てこない。その辺をよく考えてください」と一気にまくし立てた。 田中被告の不誠実な態度に業を煮やしたようだった。

 3月5日の論告求刑公判。結審間際、田中被告に最終陳述の場が与えられた。「深く反省しています」。 嶋原裁判長はまたも不審に思ったのか「求刑は6年だが、どう思うか」と聞いた。田中被告の答えは「私には分かりません」。 投げやりな答えが、51人の傍聴人で満席となっていた法廷に響いた。

 「服役する覚悟はできていますね」と検察官に問われ「はい」と答えた田中被告。弁護側の最終弁論には 「執行猶予付きの判決を求める」という言葉はなかった。判決は19日午前10時半。

 起訴事実 06年5月30日から07年6月19日の計327回、冷凍食品会社「北海道加ト吉」(赤平市) など取引先17社に豚肉などを混ぜた偽装牛ミンチ約140トンを「牛100%」と虚偽表示して出荷した=不正競争防止法違反の罪。 06年6月3日から07年5月3日の計14回、 取引先3社に偽装牛ミンチ約100トンを出荷し計約3900万円を代金としてだまし取った=詐欺罪。

2008年3月10日

検察だけズレているのかと思ったら、裁判所もズレていた。この裁判のどこに「食の安全」 についての議論があるというのか。裁判長は「みんなだまされて食べていたんだ。消費者のことがあなたの口から出てこない。 その辺をよく考えてください」と言うが、これ自体は「食の安全」の問題ではない。もし、 牛ミンチと思って豚ミンチを口にしてしまったモスレムの方が居れば、気の毒という他ないが。

なお、以前のエントリーに引き続き言っておくが、私はミートホープもその元社長も弁護する気はさらさらない。

この裁判を通じて言えることは、もし今回の事案で「食の安全」を脅かす事態があったのであれば、 それを罪に問えない法律の不備ではないだろうか。むしろ、 裁判所からその点についてのコメントがないのであれば、法の番人としては機能不全である。逆に「食の安全」 を脅かす違法な事態がなかったのであれば、法律上は「食の安全」が争点になっていないのだから、検察も裁判所もこの裁判で「食の安全」 を問う資格はないはずだ。

もし、被告人側が同じようにズレた発言をしたら、検察側からは「異議あり! 被告人側の発言は本件訴訟とは関係ありません。」、裁判所からは「異議を認めます。」・・・ なんて具合に冷たくあしらわれるのではないだろうか。

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