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2008年3月11日 (火)

食品安全委員会がメタミドホスの急性参照用量(ARfD)を公表

以前、朝日新聞のちょっとどうかと思う勘違い報道をもとに、食品安全委員会農薬専門調査会幹事会でとりまとめられたメタミドホスのADIとARfDについてのエントリーを書いた。

今回はその続報。今回は審議案がパブコメにかかっているので、国民が行政に意見を言える機会としては、 前回の原案時点よりも重要なはずのだが、大手新聞社は1社もフォローしていない。この分だと、パブコメ終了に(案) が取れても誰も関心を持たないんじゃないだろうか。行政手続きの流れから考えれば、評価書原案よりも評価書案、 評価書案よりも評価書のほうが重要なのだが。

以下、食品安全委員会のホームページを勝手に要約。

 

食品安全委員会、メタミドホスの摂取許容量について意見募集開始

3月6日 食品安全委員会は第229回委員会でメタミドホスの健康影響評価案をとりまとめ、農薬評価書(案)として審議案を公表した。審議案では、動物実験の結果から推定したメタミドホスの一日許量摂取量(ADI)と急性参照容量(ARfD)が提案された。

なお、ADIは長期間に亘って毒性物質を摂取した場合でも悪影響が現れない一日あたりの摂取量。ARfDはADIに比べて多量の毒性物質を一日あるいはより短時間に摂取した場合でも悪影響が現れない摂取量を指す。

今回、公表された審議案は各界の意見を聴取する目的で、3月6日から4月4日までの間、意見募集   (パブリックコメント)が行われている(審議案に対するご意見はこちらへ)    。

評価書案を見ると、

  1. 14Cあるいは32Pで標識したメタミドホスを使用した動物実験の結果から、経口摂取されたメタミドホスは、効率よく吸収されること(投与24時間以内に糞便中にはほとんど排泄されない。3-21日後までに8-21%排出される)
  2. 14Cあるいは32Pで標識したメタミドホスを使用した動物実験の結果から、経口摂取されたメタミドホスは、効率よく分解されること(投与24時間以内に、投与した標識物質の70%が呼気と尿中に排出される)      
  3. 急性毒性試験による経口のLD50はSDラットでは16mg/kg(♂)、13mg/kg(♀)。マウスでも11-23mg/kg。無毒性量は0.3mg/kg(ラット)。      
  4. 急性遅発性神経毒性は、光学異性体の間で異なること。(神経障害標的エステラーゼの再活性化程度からして、おそらく光学異性体間で代謝速度が異なるためか?)
  5. ADIの設定基準になる慢性毒性試験の概要(無毒性量は0.06mg/kg/day、イヌ、1年間)。
  6. 遺伝毒性については、変異原性、発がん性、催奇形性はいずれも陰性。      
  7. この他、試験過程に曖昧さがあるため判定に用いられなかった試験もある。      
  8. 以上の事実に基づき、食品健康影響評価を行い、急性毒性の無毒性量0.3mg/kgより100倍安全な0.003mg/kg/dayをARfD、慢性毒性の無毒性量0.06mg/kgより100倍安全な0.0006mg/kg/dayをADIに設定した。      

以上。

これ以外に検討すべき科学的事実をご存じの方は、パブコメで意見募集しているところなので意見として提出しましょう。

なお、毒劇法の基準では経口経路で50mg/kg以下のLD50の物質は毒物にあたるため、 毒劇法の規制対象になる。仮に農薬として使用された場合は、無登録の農薬として農薬取締法の規制対象にもなるでしょう。

しかし、遺伝毒性はなく、代謝も比較的速いことから(ただしヒトの場合、遅発性の神経障害が2年程度残るため、疼痛があるらしいが)、 毒物としてはまだマイルドな方です。一頃、コリンエステラーゼ阻害活性があると言うだけで「サリンと同じ!」 と声高に仰っていた大学のセンセイがいらっしゃいましたが、uneyamaさんも指摘しているように、 代謝されやすさが全然違うので毒性物質に暴露された際の予後についてもサリンよりもずっと良好なはずです。

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