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2008年1月23日 (水)

遺伝子組換え大豆の安全性の論議でNature biotechnologyが”炎上”?

uneyamaさんの食品安全情報blog経由。

ロシアのDr. I. ErmakovaがRR大豆をラットに給餌したら子孫の生存率率が低下した、という実験結果について、 昨年9月のNature biotechnologyのFeature欄で特集し、 それに対する専門家の疑念が投げかけられた(Nature biotechnology 25, 981 - 987 (2007))。

科学的事実を争う部分はQとAがかみ合わないすれ違い論議で、事実関係はちっとも明らかになっていない様に思う。

その後、編集部の記事の掲載姿勢に対する議論や専門家の疑念・指摘に対する反論などがおこり、昨年12月の同誌のOpinion and Commentでは紙上討論の様相を見せている(Nature biotechnology 25, 1351-1360 (2007))。その際の編集側の見解はこちら。 事実関係を示すメールのやりとりは、こちら

一言で言えば、編集姿勢に関する議論のみで、科学的な議論の体を為していない。

結局、Featureと言う欄は論争のある研究分野の研究者を招待して、紙上討論して議論を興すのが狙いなのだろうが、 その後のOpinion and Commentの討論は、議論の方向が編集姿勢に対する批判の色が強く、 科学的な内容に関する議論にはなっていない。事実関係を示すメールのやりとりから、私の見るところ一連の議論の混乱ぶりはNature biotechnologyの編集者であるAndrew Marshall 氏の責任に負うところが大きいように思う。 もっとも本人は議論を起こすことが目的であったと言っているのだが、興したかった議論はそんなものではなかったはずだ。 少なくとも今回誌上で展開されている”revisiting a controversial format”というような性質のものでは。 相手がいつも論文を投稿してくるような、通常の科学研究を生業としている行儀の良い科学者ばかりではないのだから、 それなりの用心があってしかるべきだろう。

Opinion and Commentで反論している方々は、Brian John(GM-Free Cymru)、 Mae-Wan Ho & Peter T Saunders(Institute of Science in Society)、Joe Cummins(Department of Biology, University of Western Ontario)。所属で人を色分けするのは議論としては妥当ではない。しかし、今回のOpinion and Commentについては科学的な議論をそっちのけで編集姿勢に噛みついている方々の所属や日頃の主張には一定の傾向があるように思う (ためしにこれらの方々の名前でGoogleを検索してみると良いだろう)。

もともと根拠薄弱な市民運動ベースの議論を科学上の問題としてテーマ設定したところが失敗の(あえて失敗というが)原因だと思う。 Nature biotechnologyの権威失墜にならないことを祈るのみだ。

ちなみに、事実関係を示すメールのやりとりは” ある意味”一読の価値はある。Andrew Marshall 氏からDr. Ermakovaに対し、 あなたの公表した実験結果に対して批判したいという方からアプローチされているが、それに対して公平のため、 あなたに実験結果を自分の言葉で表す機会を与えたい(the journal would, however, prefer to provide you with an opportunity to present your own findings and conclusions in your own words, rather than a critique from one side.)と申し出た。それに対して、Dr. Ermakovaは”My suggestion: I'll present you my paper, which you review and publicate in your journal. After that you open discussion of my paper and I'll answer questions.” と言っている。

一般的に、科学論文はすでに公表済みの実験結果の使い回しを認めない。多重投稿あるいは業績稼ぎになるので。Nature publishingの編集方針でも公表済みのデータの再掲はしないと言っている。それを載せろと要求するこの姿勢は一体何なのか・・・。 このくらい厚かましくないといけないのかなぁ、研究者たるもの。私は嫌だけど。

その後のメールのやりとりをみても、どうも編集者の言うことがきちんと伝わっていないようだ。・・・故意に曲解しているのか。

日本のマスコミも市民運動も今のところ、この議論の動向には無関心。一応の決着が付くまでこのまま無関心であってほしいものだ(・・・ 農水省も)。科学的事実については2006年頃から何ら進展はないのでコメントを求められても応えようがないし。

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