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2007年11月18日 - 2007年11月24日の記事

2007年11月23日 (金)

ヒトiPS細胞の衝撃

ヒトiPS細胞の実現によって、本格的な再生医療に向けた新たな時代が幕を開ける。

昨年8月、京大再生研の山中伸弥教授と高橋和利特任助手がマウスのiPS細胞の誘導に初めて成功したとCellに発表。体細胞を形質転換することで発生の初期化を行い未分化の状態を作り出す技術だ。

# 植物ならさ、”カルス化”に近い。

これまで、受精胚やクローン胚を作成・破壊しなければならないES細胞と比べて、生命の出発点とも言うべき「胚の破壊」を行なわないので、キリスト教社会においても倫理上の制約は少ないため、研究が進めやすいと考えられてきた。

今般、山中伸弥教授らは、同様の手法でヒトiPS細胞の誘導に成功したと11/20のCellに発表。 Wisconsin大学のグループも11/22のScience (On line)で同様の成果を発表。ただし、導入した遺伝子のセットは半分が違う。

山中グループ           Oct3/4、Sox2、c-Myc、Klf4 

University of Wisconsin-Madison  Oct4、Sox2、Nanog、 Lin28

初期化の際に動く遺伝子群にも数段のカスケードがあると仮定するならば、上流・下流の違いがあるのかもしれない。また、ある種の個人差もあるのかもしれない。そこはまだわからない。

今のところ、遺伝子導入にレンチウイルスを使っているので、作成されたiPS細胞の株ごとに組み込み位置を確認しておかないと、思わぬノックアウトやネガティブ・ドミナンスが起こらないとも限らないので要注意だ。レンチウイルスベクターを使用した遺伝子治療と同様のがん化も懸念されている。

技術的な課題としては、細胞株樹立の効率化と、がん化の抑制がある。がん化抑制のためにアデノウイルスベクターの利用も検討されている様だが、こちらもDNAウイルスであるのでその辺はどうなんだろう(核外で増殖する分には問題ないとは思うが)。センダイウイルスの方が良いかもしれない。

科学的な問題としては、両グループの採用した遺伝子セットの違いの原因、及ぼす作用の究明がある。こっちも重要なのだが、こっちのファンドを大きくすると技術開発のほうが遅れをとるかもしれない。

さて、アメリカはこれまでヒトES細胞を使用する研究予算案に対して大統領が署名を拒否してきた。選挙の基盤であるキリスト教会に対する配慮がその背景にあると考えられるのだが、今般のヒトiPS細胞誘導の成功はその躊躇の理由を一掃するものだ。ホワイトハウスも早速声明を発表し「科学の高尚な目標と人命の神聖さの双方を傷付けることなく、医学的問題を解決できる方法」と持ち上げた。ちなみに、ローマ法王庁も「現時点でわれわれはその研究を合法的とみなしており、それ以上の検証は行わない」とコメントしたらしい。

一方、日本も文科省が5年間で70億を投入と言う報道が読売新聞から出ている。多分、観測記事だろう。平成20年度概算要求はとっくに出ている。果たして、単年度で14億の予算を受けられるキャパが日本の研究機関にあるのか?実際に文部科学省のホームページから予算関係の文書の数字を拾ってみると、そうではなくて、再生医療実現化全般と言う意味で、第二期予算の20年度分が1,510百万円計上されている。この予算枠であれば、記事とはだいたい数字があう。

もし、このことを指すのであれば、

「文部科学省は、京都大のグループが、あらゆる臓器・組織の細胞に変化する能力を持つ「ヒト人工多能性幹細胞 (iPS細胞)」の作製に世界で初めて成功したのを受け、 iPS細胞利用を中心に据えた再生医療の実用化研究に本格的に乗り出すことを決めた。」

という、読売新聞の記事は前提が間違っている。再生医療実現のためのプロジェクト研究は基礎研究段階から連綿と続いており、再生研の業績で急に実用化予算を組んだ訳ではない。それに、現段階では、先端医療としての実用化に入る前に解決しなくてはならない問題が山ほどあることも、プロの行政官たちは良く分かっている。

アメリカの反応?受精卵を破壊するというタブーがなくなったからには、多額の政府予算が投入され、今後爆発的な勢いでこの分野の研究が進められるだろう。日本のように再生医療を目指した研究ばかりではなく、コラーゲンを生成する細胞の自家移植でシワ取りアンチエイジングやら、脂肪組織の幹細胞の移植による美容整形、あるいは膵臓以外の臓器でインシュリンを産生させてI型糖尿病を治療する遺伝子組換え治療など、 QOLを普通以上に向上させたいお金持ち向けのニーズもまた沢山あるのだろうからそれを専門に手がけるベンチャーも生まれてくるに違いない。なにしろお金さえ出せばペットのクローンを作る会社まで現れる国なのだ。SFまがいの近未来はもうすぐかもしれない。

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2007年11月22日 (木)

本当に必要な人材の育成ならば金くらい出さなきゃ

私こと、謎の熱病で静養中だが、だいぶ良くなってきたので退屈しのぎにブログを更新することにした。

昨日、郵便受けに自衛隊生徒募集のチラシが入っていた。中卒から4年間お勤めすると3等陸(海、空)曹に任官、 入学時の初任給は15万円あまり、という条件だ。

ここで自衛隊の必要性を論じるつもりは無いが、自衛隊生徒は特別職国家公務員として給与が支給されるからには、 国にとって必要な人材に相違ない。

翻って、東大大学院の授業料免除は?というと、まだそこまでは行っていない。

# めぼしい人材は早めに助教にして囲ってしまう手はある。

本当に必要な人材の育成であれば、学生のうちから誰かが給料を出してくれても良さそうなもんだが、そんな話は聞いたことが無い (企業の奨学金以外は)。博士号取得後でも、研究予算の都合で格付けの低いPDで雇われる場合、高給の学振の研究員で雇われる場合、 任期つき研究員で雇われる場合、etc. 様々なコースがある。

しかし、悪くすると、すぐにでも高学歴フリーターに転落する。アカデミックポストにしがみ付く気が無い人であっても、 この国のシステムは新卒以外の人材登用にきわめて冷淡なので、企業に勤めるのもそれほど容易ではない。

東大の授業料免除はそこまで見通しているだろうか?それともブランド力があるからうちの卒業生は大丈夫と思っているのだろうか。 結論は数年先には出る。

さて、「社会に必要な人材」という人物像には複数の実体がありうるように思う。例えばスペアの効く歯車のように、 組織を動かす上でなくてはならない人材と、余人を以て代え難い人材と。

短期的スパンで考えるならば、毎年企業に入社するフレッシュマンは前者の意味で必要な人材であり、 長期的なスパンで社会に貢献するという意味では、 特異的な研究領域で最先端を突っ走る研究者は後者の意味で社会に必要な人材と言うことになるだろう。兵隊型と職人型とでも言おうか、 ライン型人材とスタッフ型人材と言おうか、そのような位置づけの違いはある。

大方の企業も役所も、後者のタイプの人材の活用が下手なように思う。 もっともスタッフ型の人材ばかりで組織を動かすのは大変だろうから、職人さんもいずれは慣れないラインに組み込まれて中間管理職になって、 余計な汗を流す姿をそこかしこで見ることになる。

# 自分の数年後の姿がそうなっているかと思うと、ぞっとする。

要は何が言いたかったかと言うと、ラインは定型的な仕事は得意だが創造的な仕事は苦手、スタッフはその逆の傾向があるので、 独創性を重んじた科学技術立国を目指すのであれば、 企業や政府の組織も博士を中途採用してスタッフ的な人材を上手く生かしていく方策を探らなければ、大学院だけが授業料を無料化しても、 本当の意味での専門家を育てることはできないと言うことだ。今の労働環境を考えると、 先読みのできる優秀な人材ほど常勤職員を目指して早く就職してしまうことになるだろう。それでは科学技術立国は覚束ない。

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2007年11月20日 (火)

発熱

18日日曜から発熱。38-39度の熱が続いている。ブログなんか書いてる場合じゃないのだが、覚え書きのため。

日曜の当番病院に行ったら、体温測定、尿検査後、イミュノクロマトでインフルエンザの抗原検査。15分後、 コントロールのバンドしか出なかったのでシロ。

その間に聴診で喘鳴、ラ音の確認、異常なし。咽頭を視診、異常なし。背中、腹部の触診で異常なし。むくみ、黄疸なし、 白目も黄ばんでません。

# リンパ節の触診はして無い。

ということで、インフルエンザでも一般的な風邪の所見でも無いと思うのですが、処方された薬は、抗生物質(クラビット錠)、解熱剤 (ポンタール250mgカプセル)、複合感冒薬(サラザック顆粒)、痰きり(小青龍湯エキス)・・・だから、風邪じゃないと思うんですけど、 どうなんでしょうこの処方って。

幻覚なし、見当識正常。若干の筋肉痛、刺すような頭痛あり。

ポンタールの副作用のせいか、19日午後3-4時くらいと20日早朝3-4時くらいに激しい悪寒、手足の冷感、うっ血あり。 ポンタールの副作用情報と一致する。この薬は腎疾患の患者への投与は要注意なので、尿検査の際にはタンパクは出てなかったのだろう。 副作用があまりに辛いので20日朝のポンタールを止めたら熱がぜんぜん下がらない。しょうがないので、 勝手ながらカプセルを開けて1/2量にしてのんだ。夜半また悪寒で目が覚めるようだと辛いな。

18日だけで体重が2kgも減った。血圧は117/87くらい。脈拍121(!)。そりゃ苦しいはずだ。 1時間ごとにポカリスエットを200cc摂取。1時間ごとに、ジップロックに入れたぬれタオルを自分で交換。嫁さんは寝てるし、 自分自身で寝ずの看病をしてるような有様。

私はこれまで39度近くの高熱が3日も続いたことは無いし、 ただの風邪にしては何かおかしい気がするので明日は熱が引かなかったら別の病院に行ってみよう。

人気blogランキングへ←クリックしていただけますと筆者が喜びます。 今日はあんまり元気じゃ無いけど。

 

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