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2007年8月26日 - 2007年9月1日の記事

2007年8月30日 (木)

よく理解しない者は、よく統治できない。

あまりに腹立たしい記事なので、やや旧聞だがコピペして残しておく (新聞記事はすぐに消えてしまうので)。

以下、朝日新聞の記事。

米大統領、戦前日本とアルカイダ同列視 歴史観に批判

2007年08月24日06時49分

 ブッシュ米大統領が22日に中西部ミズーリ州カンザスシティーで行った演説は、 自らのイラク政策を正当化するため、日本の戦後民主主義の成功体験を絶賛、フル活用する内容だったが、 半面で戦前の日本を国際テロ組織アルカイダになぞらえ、粗雑な歴史観を露呈した。 米軍撤退論が勢いを増す中でブッシュ氏の苦境を示すものでもある。

 冒頭は9・11テロかと思わせて、実は日本の真珠湾攻撃の話をする、という仕掛けだ。 戦前の日本をアルカイダと同列に置き、米国の勝利があって初めて日本が民主化した、という構成をとっている。 大正デモクラシーを経て普通選挙が実施されていた史実は完全に無視され、戦前の日本は民主主義ではなかった、という前提。 「日本人自身も民主化するとは思っていなかった」とまで語った。

 退役軍人の会合とあって、朝鮮戦争やベトナム戦争の意義にも言及。すべて一緒くたにして 「アジアでの勝利」は中東でも出来る、と訴えた。だが、米メディアは「日本や韓国は国民が同質的であり、イラクとは違う」 「歴史から間違った教訓を引き出している」などと批判を伝えている。

 民主党のヒラリー・クリントン上院議員は同日、イラクのマリキ首相の罷免を要求。 9月にはイラク駐留米軍のペトレイアス司令官の議会への報告があるが、抜本的な進展は見込まれておらず、 かえって一層の批判が予想されている。

 だが、ブッシュ氏が政策転換に踏み切る兆しはない。最近は、 第2次大戦末期に登場しながら不人気に終わったトルーマン大統領に「魅力を感じている」(関係者)という。 共産主義と戦う姿勢が後世、一定の評価を得たためとみられる。

 テロとの戦いにかけるブッシュ氏だが、 今回の演説は日本を含めた諸外国の歴史や文化への無理解をさらした。都合の悪い事実を捨象し、米国の「理想」と「善意」 を内向きにアピールするものとなっている。

     ◇

■米大統領演説の日本関連部分(要旨)

 ある晴れた朝、何千人もの米国人が奇襲で殺され、世界規模の戦争へと駆り立てられた。 その敵は自由を嫌い、米国や西欧諸国への怒りを心に抱き、大量殺人を生み出す自爆攻撃に走った。

 アルカイダや9・11テロではない。 パールハーバーを攻撃した1940年代の大日本帝国の軍隊の話だ。最終的に米国は勝者となった。 極東の戦争とテロとの戦いには多くの差異があるが、核心にはイデオロギーをめぐる争いがある。

 日本の軍国主義者、朝鮮やベトナムの共産主義者は、 人類のあり方への無慈悲な考えに突き動かされていた。イデオロギーを他者に強いるのを防ごうと立ちはだかった米国民を殺害した。

 第2次大戦に着手した時、極東の民主主義国は二つしかなかった。 オーストラリアとニュージーランドだ。日本の文化は民主主義とは両立しないと言われた。 日本人自身も民主化するとは思っていなかった。

 結局、日本の女性は参政権を得た。日本の防衛大臣は女性だ。 先月の参院選では女性の当選が過去最高になった。

 国家宗教の神道が狂信的すぎ、天皇に根ざしていることから、 民主化は成功しないという批判があった。だが、日本は宗教、文化的伝統を保ちつつ、世界最高の自由社会の一つとなった。 日本は米国の敵から、最も強力な同盟国に変わった。

 我々は中東でも同じことができる。イラクで我々と戦う暴力的なイスラム過激派は、 ナチスや大日本帝国や旧ソ連と同じように彼らの大義を確信している。彼らは同じ運命をたどることになる。

 民主主義の兵器庫にある最強の武器は、 創造主によって人間の心に書き込まれた自由を求める欲求だ。我々の理想に忠実であり続ける限り、 我々はイラクとアフガニスタンの過激主義者を打ち負かすだろう。

「粗雑な歴史観」とはよく言ったものだ。しかし、 戦時中の日本は有意の若者を特攻に送り出さなくてはならないほどに追い詰められ、道義を見失っていたという点では、 現在のアルカイダと相通ずるものはあるのかもしれない。

国家の指導者が国民の生命を軽視することは国民主権の考え方に照らせば間違っている。現代の日本の価値観ではそうだ。私も、 今日の価値観に照らして間違っていると思う。

しかし、戦前は天皇が主権者であり、国民は「臣民」であった。 憲法でもそうされていた。立憲君主制のすべての国で、君主制の原理に基づいて人命が尊重されない、とは思わないが、 戦前の日本において軍人は主人のために生命を投げ出すことが良しとされた思想的なバックボーンは君主制にあったのではないかと思う。 おそらくは、そのような価値観の下で国家の権力によって特攻が進められたのだろう。

では、現在のアルカイダはどうか?自爆テロを推進する思想的背景は何か?なぜ、 それが正しいとされて政治指導者が自爆テロを推し進めることができるのか?

あいにく、私には想像も付かない。イスラム文化圏について何か語るには、 知らな過ぎるのだ。

今、アメリカは、 その基本的な理解を欠いたまま力でイラクに圧政を敷いて民主主義国家を打ち立てようとしているように見える。戦後、 明らかになったアメリカの公文書などによれば、戦前のアメリカは、日本の文化や政治、歴史的背景をよく研究していたことがわかる。 日本研究を専門にしていた知識人も居たことだろう。

しかし、今日のアメリカはそれほど他国の文化、歴史、 政治体制に深い関心を持っているだろうか?既存の体制に代わって長期間にわたって国を支配するには、国民の目から見て「前の政権よりも良い」 ということが示されなくてはならない。それができない支配は長続きしない。

自爆テロの一点から戦前の日本とアルカイダを同一視するような理解力では、 良い統治者にはなれない。絶対に。

それは、自国の統治についても言えるのだ。

2007年8月29日 (水)

続-遺伝子組換えトウモロコシ MON 863のラット90日給餌試験に関する統計分析の再評価

明日、8/30、MON 863のラット90日給餌試験に関する食品安全委員会の見解が纏められる予定。

これまでの議論の経緯を復習すると、

 
       
  1. ヨーロッパ食品安全委員会(EFSA)が、モンサントの遺伝子組換えトウモロコシ MON 863の安全性評価を行い、     問題なしと評価した。(2006.01)
  2.    
  3. セラリーニ教授らフランスの研究チームが、裁判資料で入手したMON 863のラット90日給餌試験のデータを再解析し、     肝臓と腎臓に対する毒性が疑われると論文発表。(2007.03)
  4.    
  5. EFSAは、この論文の妥当性をGMOパネルに諮問。(2007.03)
  6.    
  7. EFSAのGMOパネルは統計の専門家に委託して、その論文の解析手法を検証。     GMOパネルとしてはセラリーニ教授らの論文の統計手法に問題があると声明。(2007.06.28)
  8.    
  9. EFSAが、セラリーニ教授らの論文の統計手法には妥当性に問題があるという見解を公表。     (2007.06.28)
  10.    
  11. オランダVWAはMON863トウモロコシが安全であると確認。(2007.07.09)・・・     このあたりでEU各国政府より、MON863トウモロコシが安全であると支持する声明が続く。
  12.    
  13. 食品安全委員会 第50回 遺伝子組換え食品専門調査会で、EFSAの見解を照会。今後の検討課題とする。      (2007.07.10)
  14.    
  15. ニュージーランドNZFSAはMON863トウモロコシが安全であると確認。(2007.08.17)
  16.    
  17. 食品安全委員会 第51回 遺伝子組換え食品専門調査会で、     統計の専門家として東京理科大学大学院工学研究科教授 吉村功 先生を専門参考人として招聘(会議の参考資料2 ”MON863     の90日混餌投与試験のデータ解析についての統計家としてのコメント”・・・ただし文書は非公開)。(2007.08.03)    
  18.  

ここでに至って、明日、遺伝子組換え食品専門調査会の纏めた見解を食品安全委員会で議論して、 リスク評価機関としての見解を公表することになった。

8/30時点では、第51回 遺伝子組換え食品専門調査会の議事録がまだホームページで公表されていないので、 どのような議論があったかは定かではないが、 おそらく吉村先生のコメントに沿ってセラリーニ教授らの論文の問題点を検証する作業になったのではないかと想像する。

おそらく、再評価の結果、特に問題ないという評価結果になることだろう。

ちょっと寂しいのは、日本は生物統計、 特に医学薬学分野の統計の専門家が少ないため、こういう局面で専門家集団を組織するところまでは、なかなか行けないことだ。 大学でも薬学分野の臨床研究に対応した統計専門コースが設置され始めたのが1999年で、 まだ10年経っていない。ちなみに、バイオインフォマティックス分野では、早くも人あまりが言われているので、 専門的な人材養成の分野の絞り込みは難しい問題だということがわかる。

さて、意図せざるGM作物の混入率についてEU並を要求しているグリーンピースの諸君は、 安全性評価結果についてもEUの見解と一致した食品安全委員会の見解を支持するのだろうか?

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071209 一部MON869という表記をMON863に修正。

2007年8月28日 (火)

遺伝子組み換え作物を評価するための動物実験法-試験方法のガイドライン素案

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20070827#p3

がニュースソース。畝山さんに感謝。(検索エンジンから来る方のために、表題には”み” を入れてみました。)

科学的な視点で、健康・栄養・安全・環境に関わる問題の解決および正しい理解の普及を目指すNPO ILSIの国際食品バイオテクノロジー委員会タスクフォースが、いわゆる第2世代の遺伝子組換え作物(Genetically modified for output traitsと呼んでいる)の評価のための動物実験法のガイドライン素案を纏めた。

http://www.ilsi.org/NR/rdonlyres/D84A9349-AC08-4CA2-BAC8-B79EBE92FC41/0/OutPutTraitsFinalforWeb.pdf

これまで実用化された遺伝子組換え作物は、作物自体の生産性を高める形質が与えられてきたものだが、新しい世代の遺伝子組換え作物には、栄養組成を改善したものが含まれる。例えば、アミノ酸組成を改善した高リジントウモロコシなど。従って、動物の飼料にした場合、従来の飼料りも体重増加が早いなど、動物の成長にも影響することが期待される。

従来の遺伝子組換え作物の安全性評価では、国際的に遺伝子組換えでない作物と同等であることが評価の基準である。従って、新しい世代の遺伝子組換え作物のように、従来の作物よりも” 優れた”性能の作物は、従来の評価基準では正しく評価されない懸念がある。

例えば、こんな風に騒ぐ輩が出ないとも限らない。「遺伝子組換え高リジントウモロコシ飼料で鶏を飼育すると、従来の遺伝子組換えでないトウモロコシ飼料で飼育した場合に比較して、体重の増加に統計学的な有意差が見られた。これは、遺伝子組換えトウコロコシが家畜の健康に悪影響を及ぼし、異常な肥満を引き起こしたためである。」と。

栄養価の高い飼料を使って早く肥育したことが正しく評価されないことの方が問題なのは明らかだ。しかし、現行の遺伝子組換え作物の評価基準はそうはなっていないので、新しい世代の遺伝子組換え作物に対応した評価基準を提案する意味でこの素案がとりまとめられたのだろう。

折しも、栄養価を改善した遺伝子組換え作物についてのCODEX委員会(FAO/WHO合同食品規格コーデックス・バイオテクノロジー応用食品特別部会)の第7回会議が2007年9月24日(月)~9月28日(金)、幕張メッセ国際会議場で開かれる。今回のILSIの素案は、具体性においてCODEXの内容を遙かに先取りしているが、やがて各国の評価基準策定の際には何らかのインパクトを与えることになるだろう。

ちなみに念のために申し添えると、ILSIの動物実験法のガイドライン素案は、遺伝子組換え作物の品質を評価するためのものであって、安全性試験(毒性試験)はスコープに入っていない。

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2007年8月27日 (月)

"Pinot Noir"のゲノム

フランスとイタリアの研究チームがブドウ (Vitis vinifera cv. pinot noir) のゲノムを解読した

顕花植物では4番目、木本では2番目、果樹では最初のドラフトシーケンスだ。論文自体は、 というかどの分野でもだいたいそうなんだが、面白いと思える人以外には面白くない。・・・当たり前か。

私から見て面白いと思えるところを列挙すると、

  1. 古い時代の倍数化に関連すると見られる双子葉植物に共通のゲノムの重複の痕跡を見つけたこと。
  2. 香気成分に関連する遺伝子が多数見つかったこと。
  3. 論文の内容そのものではないのだが、 ワイン生産国であるフランスとイタリアのチームが研究していること!

一方、論文のなかにこんな表現がある。

"A striking feature of the grapevine proteome lies in the existence of large families related to wine characteristics, which have a higher gene copy number than in the other sequenced plants. Stilbene synthases (STSs) drive the synthesis of resveratrol, the grapevine phytoalexin that has been associated with the health benefits associated with moderate consumption of red wine."

「ワインの特徴に関連した大きな(遺伝子の)ファミリーがあり、 遺伝子の解読された他の植物に比べて、遺伝子のコピー数が多いのが衝撃的」って・・・そりゃ、 ワインをワインたらしめているのは原料がブドウだっていう当たり前のことで、 そのブドウの遺伝子がワインの品質に関係しているというのも当たり前のことでは・・・と思うのですが。でなきゃ、 原料の品種の違いにこだわるのは無意味ですから。

それから、resveratrol合成遺伝子の関連で 「赤ワインの適度な消費に関連した健康上の利点」と言ってますが、なにも"French paradox"を持ち出さなくっても良いのでは。

さて、 ワイン生産国であるフランスとイタリアのチームが研究していることについて言えば、農作物のゲノム解読の国際的な情勢はと言うと、 実はこんな具合。

  • お米を主食にしている日本でイネ・ゲノムを解読
  • ワインをよく飲むフランスとイタリアでブドウのゲノムを解読
  • キムチをよく食べる韓国でトウガラシと白菜のゲノムを解読中 (どちらもまだ浅漬け状態)
  • ビールをよく飲むドイツとアメリカと日本でオオムギのゲノムを解読中 (ただいま発酵中)
  • オレンジジュース生産国のブラジル、スペイン他でオレンジ(カンキツ) ゲノムを解読中(ただいま生搾り)
  • ジャガイモをよく食べるドイツでバレイショ・ゲノムの解読中 (コメントが思いつかない。ごめんなさい)

つまり、各国の重要な食料資源と密接に関連した研究ターゲットになっているのです。 予算の説明がしやすいからでしょうか・・・この他、コムギとかトマトとか、技術的に難しいものや予算の説明が難しいものも中にはありますが。

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