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2007年6月3日 - 2007年6月9日の記事

2007年6月 6日 (水)

それはどうなの?森永卓郎さん!

 

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バイオ燃料関連の記事を森永卓郎氏が日経BPに書いている。 ちょっと不審に思うところがあるので引用させていただくと、

 需要増でトウモロコシの価格が上がると、オレンジや大豆、小麦の生産農家がトウモロコシに転作し、オレンジ、大豆、 小麦の供給が減って、価格が高騰するというメカニズムになっている。

 マヨネーズも原料となる植物油が大豆の価格高騰で値上がりし、その余波を受けた。

とのこと。 しかし、マヨネーズの原料は私の知る範囲では大豆油ではなく、菜種油とコーン油だ。 食用油全般の値上げがマヨネーズに波及しているのは間違いないだろうから、大豆の逼迫→植物油全体の値上げ→マヨネーズ値上なのだろう。 であるとすると、飼料用大豆も値上がりしてそうなものだがどうだろう?

しかし、小麦からトウモロコシへの転作というのは現実的にあり得るのだろうか? 19年度政府売り渡し価格が上昇しているアメリカ産小麦はハードレッドウインター(HRW)というパン用小麦だ。HRWの作付け地域のうち日本向けは主にモンタナ州、 ネブラスカ州、コロラド州。ネブラスカは五大湖の南に広がるコーンベルトの東端に重なるけれども、 それ以外のHRWの産地ではこれまでのところ概ねトウモロコシは作付けしていない。 本当に小麦の生産農家がトウモロコシに転作しているのだろうか?

また以下の文章にも疑問がある。

 冷静に見てみると、値上がりしたトウモロコシ、小麦、オレンジ、 大豆はすべての米国の主力輸出農産物である。しかも、大豆や小麦については遺伝子組み換え作物がかなりの割合で使われている。

 遺伝子組み換え作物は世界において食の安全という点で懸念が高まっており、日本も輸入していない。そこで、 世界的に不人気な遺伝子組み換え作物を燃料の材料にして、 需給をひっ迫させて価格を上げるために米国が日本に対してもバイオエタノールをすぐに売れと圧力をかけたとしか思えないのだ。

私の知る限り遺伝子組換え小麦が商業ベースで作付けされている事実はないし、 ISAAAの公表データにも遺伝子組換え小麦の商業栽培の統計は乗っていない。

しかも、「日本も輸入していない。」とは、どういうことだろうか?例えば 「日本モンサントが日本で安全性確認を終えた作物一覧」 を見ていただきたい。また、古いデータだが平成11年の農林水産省の資料の別紙3に 「遺伝子組換え作物の流通実態」が記載されている。つまり、現状では国際的には「遺伝子組換え作物とそうでないものを分別しない流通」 がデフォルトになっている。

日本も10年前から遺伝子組換え作物を輸入している。確かに、わざわざ「遺伝子組換え作物」 として分別流通しているものを輸入している訳ではない。しかし、 コモディティーとしてのトウモロコシや大豆では遺伝子組換え作物とそうでないものを区別していない以上、 栽培面積に応じた割合の遺伝子組換え作物が入っていると考えるべきだろう。 ちなみに2006年度のUSDAの統計では遺伝子組換え大豆は全大豆の作付面積の89%を占める。つまり、”普通の” 米国産大豆とは遺伝子組換え大豆のことであると言って良い状況だ。 トウモロコシもややそれに近い状況で遺伝子組換えトウモロコシの作付け割合は面積ベースで61%を占める。実際の問題としては、 我が国は世界最大の遺伝子組換え作物の輸入国なのだ。

遺伝子組換え作物については、 以下のコンテンツを参照していただきたい。

http://www.gov-online.go.jp/pickup/shokuikuseminor/pickup_flash_play.html

なお、論理の展開はともかく、

日本政府がいまやるべきことは廃材やおがくずなどを材料としてバイオエタノールを生産する技術を1日でも早く完成させ、 食べ物を燃料として燃やすなどというふざけた政策をやめさせることだ。

 この政策は、わたしたちの家計に打撃を与えるだけではない。発展途上国ではこうした穀物類が生きる糧なのだ。それを燃やして値上がりさせ、 自分たちだけがもうけようという考え方は断固拒否すべきではないか。

この結論には、賛成です。


 

 

 

ちなみに、アメリカでの大豆作付けの動向は、アメリカ大豆協会のホームページで見ることができる。

http://www.asajapan.org/topics/weekly/2007_6_4.html


 好条件により2008年の大豆作付けは増大へ

 

最近の数週間は大豆の価格がコーンよりかなり活発に上がっているので、2008年の先物価格は、 大豆に比べてコーン生産の経済的環境は2007年の作付け前にあった状況よりもあまりよくないことを意味する。 今期の作付けシーズンに入る時の大豆に対するコーンの純利益の優位性は、これまでにないものであった。 2008年のコーン作付けのシグナルとなる純利益は、5月24日現在の先物価格でみると、 2007年に存在した価格よりも1エーカー当たり25ドル高かったが、現在の先物価格での2008年の大豆の純利益は、 2007年の作付け前に一般的であった価格よりも1エーカー当たり58ドル高い。

コーンと大豆の相対的生産の経済性におけるこの変化は、 米国の大豆作付け地域が今年の大きな落ち込みからいくらか回復することを示している。2008年産米国大豆の作付け増大の見通しは、 記録的、あるいは記録的に近い米国の旧穀及び新穀の在庫と重なって、ブラジルの大豆作付面積増加の重要性を弱めている。

「米国の大豆作付け地域が今年の大きな落ち込みからいくらか回復することを示している。」 とあるので2006年産については大豆の作付けは減少していたと見てよいだろう。

ちなみに小麦の政府売り渡し価格の資料は以下の通り。

http://www.maff.go.jp/www/press/2006/20061122press_6b.pdf

 

2007年6月 4日 (月)

LWWC 108-7 食品中の残留農薬試験法の現状について

食品中の残留農薬試験法の現状について

お茶の水女子大学LWWC108-7

本日のお題は「食品中の残留農薬試験法の現状について」。講師は国立医薬品食品衛生研究所食品部 根本氏。

講義内容は、ポジティブリスト制移行後の食品中の残留農薬試験法と分析法の評価、残留農薬に対する監視指導について。

食品中の残留農薬のポジティブリスト制とは、食品中に残留するあらゆる農薬等(動物用医薬品、飼料添加物添加物を含む) に対して量的基準を設定して規制する制度。

残留の基準は次の3つのカテゴリー。

  1. 人の健康を損なうおそれの無い量(一律基準)
  2. 規格が定めれれた量(残留基準、暫定基準)
  3. 人の健康を損なうおそれの無いもの(対象外物質)

これらの基準の設定の元になった考え方について説明があった。残留基準はわが国でリスク評価を終えたもの、暫定基準は評価待ちだが、 外国での評価実績があるもの。一律基準は海外でもマイナーな農薬と、移行によって想定外に検出されてしまう例に適用される。 一律基準0.01ppmの設定は、

  • まず、WHO/FAOの合同食品添加物専門家会議における香料の評価等を引用し、許容される暴露量と1日摂取量を決めた。
  • その妥当性の裏づけとしてわが国の食生活の実態を照合すると、単一の食品を1日150g以上摂取するのは米のみで、 米は国内流通を基本としており既に農薬取締法の規制の下管理されているところ。
  • また、ADIが0.03μg/kg/day未満の農薬等には不検出基準が適用されるので一律基準はこれで十分。

とのこと。

これらの基準に基づき、二種類のカテゴリーの検査方法を設定した。即ち「不検出基準」に対応した「告示試験法」と「それ以外の基準」 に対応した「通知試験法」である。最近よく聞く一斉検出法は通知試験法に当たる。なお、通知試験法には洒落た規定があって 「通知試験法と同等以上の性能を有する試験法の使用を認める」ことになっている。つまり、 日進月歩の分析法を取り込んでいける用に配慮されている。現在、LC/MSやGC/MSなどを利用した一斉試験法は7種、 個別試験法に至っては217種が通知されている。検査対象となる農薬がポジティブリストで指定されたのだから検査法もそれに対応して、 てんこ盛りになっていくというわけだ。これは、検査する方も大変です。

実際の検査体制は検疫所と都道府県が主体で、輸入食品は検疫所、国内流通の農産物については都道府県が分担することになっている。で、 講義の最後に私から質問。

Q: 最近の分析装置はLC/MS,GC/MSなど、どんどん高性能になっており、規制もそれをふまえたものになってきている。 一方で、分析機器は非常に高価になってきているのですが、機器の整備はにあたって自治体を支援する制度はないのでしょうか?

A: 特に支援制度はない。食の安全を担保する責務は自治体にもある。施策の優先順位として重要であると考えるのであれば、 財源を確保するべき。一部の自治体では体制整備に苦慮していると聞き及んではいる。

・・・だそうです。

規制行政のような全国一律の施策に対して、自治体が対応する場合、”最低限”の設備費・運転経費・ 人件費は人口100万人を切る鳥取県や島根県でも、1千数百万人超の東京都でもあまり変わらない。 検査に関わる経費全体は検査点数に応じて変わる可変部分が大きいのだが、 その一方で小さな県は大きな自治体の1/10の固定経費でよいということにはならない。人口の少ない自治体にすむ国民の安全は、 それなりでよい、ということには決してならない。

一方で、施策の優先順位について自治体のフリーハンドに委ねるのが地方自治の考え方なので、 自治体としてそう判断するのであれば国がとやかく言うことではないということだろうか。

私はここに、ダブルスタンダードを見る。食品衛生法はガイドラインではない。規制法だ。違反すれば罰則もある。だが、 その一方で強制力を持った法の執行に必要な技術面での担保を、自治体任せで良いとどうして言えるのだろうか。

# 例えば、うちの県はスピードガンが買えないので、ネズミ取りはやりませんという県があったらどうだ?

「仏作って魂入れず」という言葉を噛みしめながら、この問題を記憶にとどめたい。

 


 

本日の見聞

13時30分-15時30分、つくば市の「遺伝子組換え作物の栽培に関する情報交換会」を傍聴した。”反対派” の宇野委員は意見のポイントが会の設置の趣旨に沿わず、事務局のつくば市産業部長?からも再三釘を刺される。

座長も栽培計画を”審査、審議”するかのような発言をしており、これも田部井委員から、適切でないと修正を求められていた。

農業者の委員からは、ハーベスターの清掃のポイントはきちんと押さえるべき、あるいは、 合衆国でも何百万町歩作付けされて問題になっていない作物を、こういっては失礼だが、 こんなみみっちい試験栽培をするのに反対のどうのというのは如何なものか、という主旨の発言があった。

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