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2007年11月 9日 (金)

cisgenesis と intragenesis

Cisgenesis, intragenesisというのは、あまり聞いたことがない用語だと思う。

オランダ、 ワーゲニンゲン大学のSchoutenらがtransgenicに対立する概念としてcisgenicと言う考え方を提唱している。

特に遺伝子組換え作物に関わる分野で使われ始めているようだが、意味は、従来から使われた来たself cloning (セルフクローニング), natural occurence(ナチュラルオカレンス)とほぼ同義。大雑把に言えば 「自然状態で遺伝子を交換するある生物種から他の生物種へのin vitroの技術による遺伝子導入(技術)のうち、プロモーター、 イントロン、ターミネータも本来の組合せであるもの。なおかつ外来遺伝子は含まない。」というところ。いわば、”植物の遺伝子治療”だ。

この技術で作成された植物は"Cisgenic plants"と呼ぶようだ。

提唱者は、プロモーターからターミネーターまで一体として自然な状態を維持しており、しかも種の壁をrespectするものなので、 その意味において遺伝子組換え技術とは根本的に異なるものであるから、Cisgenic plantsは、 実験や栽培において現行の遺伝子組換え生物に対する法規制の枠の外に置かれるべきであると主張している。

さて、この定義に従ったところで、実体論としてそれが実現可能かどうかは議論があるだろう。どうしたら選抜可能か? アグロバクテリウム由来のT-DNAはどう考える?etc.一連の技術革新が必要だろう。

一方で、そうまでして技術を開発し、国際・国内規制を改変したとして、はたして一般消費者はCisgenic plantsをGMOではないと認識するだろうか?たとえば、極端なことを言えば、Cisgenic plantsは栽培の条件さえ整えば、 Organicの認定を受けられるだろうか?

Cisgenic plantsの製造プロセスは、客観的に見ても遺伝子組換え技術そのものになるであろうし、 そうなるとハイテクで作られた食品は”何となく気持ちが悪い”と漠然と感じている消費者を理詰めで説得できるとは思えない。また、 種苗マーケットから大企業や政府、 科学者の影響を排斥したいと考えているOrganic指向のロハスな人々に対するインパクトも望めないだろう。

となると、cisgenesisで作った作物は、栽培と食品表示についての政府の規制は従来の作物並みだが、 可能な変異の拡大幅は従来育種のそれを超えられず、消費者の側からはGMOに見える、というものになるだろう。そうなると、 技術革新と規制緩和のためのロビー活動にエネルギーを注いだ割には、あまり報われない可哀想なものになるのではないか?

・・・ということで、私は、そんなに無理矢理に外来遺伝子を排除する技術を開発しなくても、 現行技術でよりよいGM作物を作った方が良いではないですか、と思ってしまう。

なお、私はCisgenic plantsは製造過程は遺伝子組換え技術に依存しているものなので、最終的にProduct baseの評価を行った結果、十分な科学的根拠があれば、Cisgenic plantsをGMOから除外することに積極的に賛成。しかし、 現行の技術では作成にアグロバクテリウムを使えばT-DNAが残る公算は高いし、ベクターごと(場合によってはベクターだけ) ゲノムに挿入される事もあり、transgenic plantsもできてしまうので、実験段階から規制の埒外という訳にはいかないだろう。

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