戦場でようよう紐解く孫子かな
なりゆきでとある開発プロジェクトの進行管理の一端を担うことになった。「なりゆきで」、 というのは特に進行管理を指示された訳ではなく、並行して走る業務があるのに誰も調整をしないことが明らかになったので、 何の準備もなく進行管理をする羽目になったということだ。
プロジェクトの段取り経験がないので、こういう場合どこから手を付けて良いか分からない。 考えてみると、世の中にはこれまでに山ほどプロジェクトがあり、その進行管理には幾多の人々が関わってきている。 その経験知が体系化されていないはずはないし、体系化されていないのであれば非常にもったいない話だ、そう思ってプロジェクトの管理手法、 方法論を探してみた。
プロジェクト・マネジメントという工学と経営学の学際分野がそれにあたるようだ。 特にIT分野の開発プロジェクトでは必須の管理手法になっているらしい。関連書籍も随分あるし、資格まである。研究開発分野の末端にいると、 マネジメントされてばかりなので、こういう分野にはなかなか目がいかないのだが、 世の中には段取りで飯を食っている人も居るんですねと感心した。というか、段取りで飯を食う人を管理職って呼ぶのですね。本来は。
その一方、私の居る研究所にはプロジェクト・マネジメントと体系的に言えるような体系的・ 組織的な方法で段取りをするスタッフも居ないしセクションもない。もっとも、不確定要素の多い研究と、 成熟技術の組合せで成立する開発とでは予測の精度が大きく違うので、研究型のプロジェクトには既存のプロジェクト・ マネジメント型の進行管理はなじまないので、プロジェクト・マネジメントの専門家が居ないのもある意味、もっともな話ではある。
ということで、最近読み出した本がこれ。
孫子曰く、「其疾如風、其徐如林、侵掠如火、不動如山」。でも、 戦場で孫子を紐解いてる様では遅いんですけどね。
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