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2007年8月の記事

2007年8月30日 (木)

よく理解しない者は、よく統治できない。

あまりに腹立たしい記事なので、やや旧聞だがコピペして残しておく (新聞記事はすぐに消えてしまうので)。

以下、朝日新聞の記事。

米大統領、戦前日本とアルカイダ同列視 歴史観に批判

2007年08月24日06時49分

 ブッシュ米大統領が22日に中西部ミズーリ州カンザスシティーで行った演説は、 自らのイラク政策を正当化するため、日本の戦後民主主義の成功体験を絶賛、フル活用する内容だったが、 半面で戦前の日本を国際テロ組織アルカイダになぞらえ、粗雑な歴史観を露呈した。 米軍撤退論が勢いを増す中でブッシュ氏の苦境を示すものでもある。

 冒頭は9・11テロかと思わせて、実は日本の真珠湾攻撃の話をする、という仕掛けだ。 戦前の日本をアルカイダと同列に置き、米国の勝利があって初めて日本が民主化した、という構成をとっている。 大正デモクラシーを経て普通選挙が実施されていた史実は完全に無視され、戦前の日本は民主主義ではなかった、という前提。 「日本人自身も民主化するとは思っていなかった」とまで語った。

 退役軍人の会合とあって、朝鮮戦争やベトナム戦争の意義にも言及。すべて一緒くたにして 「アジアでの勝利」は中東でも出来る、と訴えた。だが、米メディアは「日本や韓国は国民が同質的であり、イラクとは違う」 「歴史から間違った教訓を引き出している」などと批判を伝えている。

 民主党のヒラリー・クリントン上院議員は同日、イラクのマリキ首相の罷免を要求。 9月にはイラク駐留米軍のペトレイアス司令官の議会への報告があるが、抜本的な進展は見込まれておらず、 かえって一層の批判が予想されている。

 だが、ブッシュ氏が政策転換に踏み切る兆しはない。最近は、 第2次大戦末期に登場しながら不人気に終わったトルーマン大統領に「魅力を感じている」(関係者)という。 共産主義と戦う姿勢が後世、一定の評価を得たためとみられる。

 テロとの戦いにかけるブッシュ氏だが、 今回の演説は日本を含めた諸外国の歴史や文化への無理解をさらした。都合の悪い事実を捨象し、米国の「理想」と「善意」 を内向きにアピールするものとなっている。

     ◇

■米大統領演説の日本関連部分(要旨)

 ある晴れた朝、何千人もの米国人が奇襲で殺され、世界規模の戦争へと駆り立てられた。 その敵は自由を嫌い、米国や西欧諸国への怒りを心に抱き、大量殺人を生み出す自爆攻撃に走った。

 アルカイダや9・11テロではない。 パールハーバーを攻撃した1940年代の大日本帝国の軍隊の話だ。最終的に米国は勝者となった。 極東の戦争とテロとの戦いには多くの差異があるが、核心にはイデオロギーをめぐる争いがある。

 日本の軍国主義者、朝鮮やベトナムの共産主義者は、 人類のあり方への無慈悲な考えに突き動かされていた。イデオロギーを他者に強いるのを防ごうと立ちはだかった米国民を殺害した。

 第2次大戦に着手した時、極東の民主主義国は二つしかなかった。 オーストラリアとニュージーランドだ。日本の文化は民主主義とは両立しないと言われた。 日本人自身も民主化するとは思っていなかった。

 結局、日本の女性は参政権を得た。日本の防衛大臣は女性だ。 先月の参院選では女性の当選が過去最高になった。

 国家宗教の神道が狂信的すぎ、天皇に根ざしていることから、 民主化は成功しないという批判があった。だが、日本は宗教、文化的伝統を保ちつつ、世界最高の自由社会の一つとなった。 日本は米国の敵から、最も強力な同盟国に変わった。

 我々は中東でも同じことができる。イラクで我々と戦う暴力的なイスラム過激派は、 ナチスや大日本帝国や旧ソ連と同じように彼らの大義を確信している。彼らは同じ運命をたどることになる。

 民主主義の兵器庫にある最強の武器は、 創造主によって人間の心に書き込まれた自由を求める欲求だ。我々の理想に忠実であり続ける限り、 我々はイラクとアフガニスタンの過激主義者を打ち負かすだろう。

「粗雑な歴史観」とはよく言ったものだ。しかし、 戦時中の日本は有意の若者を特攻に送り出さなくてはならないほどに追い詰められ、道義を見失っていたという点では、 現在のアルカイダと相通ずるものはあるのかもしれない。

国家の指導者が国民の生命を軽視することは国民主権の考え方に照らせば間違っている。現代の日本の価値観ではそうだ。私も、 今日の価値観に照らして間違っていると思う。

しかし、戦前は天皇が主権者であり、国民は「臣民」であった。 憲法でもそうされていた。立憲君主制のすべての国で、君主制の原理に基づいて人命が尊重されない、とは思わないが、 戦前の日本において軍人は主人のために生命を投げ出すことが良しとされた思想的なバックボーンは君主制にあったのではないかと思う。 おそらくは、そのような価値観の下で国家の権力によって特攻が進められたのだろう。

では、現在のアルカイダはどうか?自爆テロを推進する思想的背景は何か?なぜ、 それが正しいとされて政治指導者が自爆テロを推し進めることができるのか?

あいにく、私には想像も付かない。イスラム文化圏について何か語るには、 知らな過ぎるのだ。

今、アメリカは、 その基本的な理解を欠いたまま力でイラクに圧政を敷いて民主主義国家を打ち立てようとしているように見える。戦後、 明らかになったアメリカの公文書などによれば、戦前のアメリカは、日本の文化や政治、歴史的背景をよく研究していたことがわかる。 日本研究を専門にしていた知識人も居たことだろう。

しかし、今日のアメリカはそれほど他国の文化、歴史、 政治体制に深い関心を持っているだろうか?既存の体制に代わって長期間にわたって国を支配するには、国民の目から見て「前の政権よりも良い」 ということが示されなくてはならない。それができない支配は長続きしない。

自爆テロの一点から戦前の日本とアルカイダを同一視するような理解力では、 良い統治者にはなれない。絶対に。

それは、自国の統治についても言えるのだ。

2007年8月29日 (水)

続-遺伝子組換えトウモロコシ MON 863のラット90日給餌試験に関する統計分析の再評価

明日、8/30、MON 863のラット90日給餌試験に関する食品安全委員会の見解が纏められる予定。

これまでの議論の経緯を復習すると、

 
       
  1. ヨーロッパ食品安全委員会(EFSA)が、モンサントの遺伝子組換えトウモロコシ MON 863の安全性評価を行い、     問題なしと評価した。(2006.01)
  2.    
  3. セラリーニ教授らフランスの研究チームが、裁判資料で入手したMON 863のラット90日給餌試験のデータを再解析し、     肝臓と腎臓に対する毒性が疑われると論文発表。(2007.03)
  4.    
  5. EFSAは、この論文の妥当性をGMOパネルに諮問。(2007.03)
  6.    
  7. EFSAのGMOパネルは統計の専門家に委託して、その論文の解析手法を検証。     GMOパネルとしてはセラリーニ教授らの論文の統計手法に問題があると声明。(2007.06.28)
  8.    
  9. EFSAが、セラリーニ教授らの論文の統計手法には妥当性に問題があるという見解を公表。     (2007.06.28)
  10.    
  11. オランダVWAはMON863トウモロコシが安全であると確認。(2007.07.09)・・・     このあたりでEU各国政府より、MON863トウモロコシが安全であると支持する声明が続く。
  12.    
  13. 食品安全委員会 第50回 遺伝子組換え食品専門調査会で、EFSAの見解を照会。今後の検討課題とする。      (2007.07.10)
  14.    
  15. ニュージーランドNZFSAはMON863トウモロコシが安全であると確認。(2007.08.17)
  16.    
  17. 食品安全委員会 第51回 遺伝子組換え食品専門調査会で、     統計の専門家として東京理科大学大学院工学研究科教授 吉村功 先生を専門参考人として招聘(会議の参考資料2 ”MON863     の90日混餌投与試験のデータ解析についての統計家としてのコメント”・・・ただし文書は非公開)。(2007.08.03)    
  18.  

ここでに至って、明日、遺伝子組換え食品専門調査会の纏めた見解を食品安全委員会で議論して、 リスク評価機関としての見解を公表することになった。

8/30時点では、第51回 遺伝子組換え食品専門調査会の議事録がまだホームページで公表されていないので、 どのような議論があったかは定かではないが、 おそらく吉村先生のコメントに沿ってセラリーニ教授らの論文の問題点を検証する作業になったのではないかと想像する。

おそらく、再評価の結果、特に問題ないという評価結果になることだろう。

ちょっと寂しいのは、日本は生物統計、 特に医学薬学分野の統計の専門家が少ないため、こういう局面で専門家集団を組織するところまでは、なかなか行けないことだ。 大学でも薬学分野の臨床研究に対応した統計専門コースが設置され始めたのが1999年で、 まだ10年経っていない。ちなみに、バイオインフォマティックス分野では、早くも人あまりが言われているので、 専門的な人材養成の分野の絞り込みは難しい問題だということがわかる。

さて、意図せざるGM作物の混入率についてEU並を要求しているグリーンピースの諸君は、 安全性評価結果についてもEUの見解と一致した食品安全委員会の見解を支持するのだろうか?

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071209 一部MON869という表記をMON863に修正。

2007年8月28日 (火)

遺伝子組み換え作物を評価するための動物実験法-試験方法のガイドライン素案

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20070827#p3

がニュースソース。畝山さんに感謝。(検索エンジンから来る方のために、表題には”み” を入れてみました。)

科学的な視点で、健康・栄養・安全・環境に関わる問題の解決および正しい理解の普及を目指すNPO ILSIの国際食品バイオテクノロジー委員会タスクフォースが、いわゆる第2世代の遺伝子組換え作物(Genetically modified for output traitsと呼んでいる)の評価のための動物実験法のガイドライン素案を纏めた。

http://www.ilsi.org/NR/rdonlyres/D84A9349-AC08-4CA2-BAC8-B79EBE92FC41/0/OutPutTraitsFinalforWeb.pdf

これまで実用化された遺伝子組換え作物は、作物自体の生産性を高める形質が与えられてきたものだが、新しい世代の遺伝子組換え作物には、栄養組成を改善したものが含まれる。例えば、アミノ酸組成を改善した高リジントウモロコシなど。従って、動物の飼料にした場合、従来の飼料りも体重増加が早いなど、動物の成長にも影響することが期待される。

従来の遺伝子組換え作物の安全性評価では、国際的に遺伝子組換えでない作物と同等であることが評価の基準である。従って、新しい世代の遺伝子組換え作物のように、従来の作物よりも” 優れた”性能の作物は、従来の評価基準では正しく評価されない懸念がある。

例えば、こんな風に騒ぐ輩が出ないとも限らない。「遺伝子組換え高リジントウモロコシ飼料で鶏を飼育すると、従来の遺伝子組換えでないトウモロコシ飼料で飼育した場合に比較して、体重の増加に統計学的な有意差が見られた。これは、遺伝子組換えトウコロコシが家畜の健康に悪影響を及ぼし、異常な肥満を引き起こしたためである。」と。

栄養価の高い飼料を使って早く肥育したことが正しく評価されないことの方が問題なのは明らかだ。しかし、現行の遺伝子組換え作物の評価基準はそうはなっていないので、新しい世代の遺伝子組換え作物に対応した評価基準を提案する意味でこの素案がとりまとめられたのだろう。

折しも、栄養価を改善した遺伝子組換え作物についてのCODEX委員会(FAO/WHO合同食品規格コーデックス・バイオテクノロジー応用食品特別部会)の第7回会議が2007年9月24日(月)~9月28日(金)、幕張メッセ国際会議場で開かれる。今回のILSIの素案は、具体性においてCODEXの内容を遙かに先取りしているが、やがて各国の評価基準策定の際には何らかのインパクトを与えることになるだろう。

ちなみに念のために申し添えると、ILSIの動物実験法のガイドライン素案は、遺伝子組換え作物の品質を評価するためのものであって、安全性試験(毒性試験)はスコープに入っていない。

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2007年8月27日 (月)

"Pinot Noir"のゲノム

フランスとイタリアの研究チームがブドウ (Vitis vinifera cv. pinot noir) のゲノムを解読した

顕花植物では4番目、木本では2番目、果樹では最初のドラフトシーケンスだ。論文自体は、 というかどの分野でもだいたいそうなんだが、面白いと思える人以外には面白くない。・・・当たり前か。

私から見て面白いと思えるところを列挙すると、

  1. 古い時代の倍数化に関連すると見られる双子葉植物に共通のゲノムの重複の痕跡を見つけたこと。
  2. 香気成分に関連する遺伝子が多数見つかったこと。
  3. 論文の内容そのものではないのだが、 ワイン生産国であるフランスとイタリアのチームが研究していること!

一方、論文のなかにこんな表現がある。

"A striking feature of the grapevine proteome lies in the existence of large families related to wine characteristics, which have a higher gene copy number than in the other sequenced plants. Stilbene synthases (STSs) drive the synthesis of resveratrol, the grapevine phytoalexin that has been associated with the health benefits associated with moderate consumption of red wine."

「ワインの特徴に関連した大きな(遺伝子の)ファミリーがあり、 遺伝子の解読された他の植物に比べて、遺伝子のコピー数が多いのが衝撃的」って・・・そりゃ、 ワインをワインたらしめているのは原料がブドウだっていう当たり前のことで、 そのブドウの遺伝子がワインの品質に関係しているというのも当たり前のことでは・・・と思うのですが。でなきゃ、 原料の品種の違いにこだわるのは無意味ですから。

それから、resveratrol合成遺伝子の関連で 「赤ワインの適度な消費に関連した健康上の利点」と言ってますが、なにも"French paradox"を持ち出さなくっても良いのでは。

さて、 ワイン生産国であるフランスとイタリアのチームが研究していることについて言えば、農作物のゲノム解読の国際的な情勢はと言うと、 実はこんな具合。

  • お米を主食にしている日本でイネ・ゲノムを解読
  • ワインをよく飲むフランスとイタリアでブドウのゲノムを解読
  • キムチをよく食べる韓国でトウガラシと白菜のゲノムを解読中 (どちらもまだ浅漬け状態)
  • ビールをよく飲むドイツとアメリカと日本でオオムギのゲノムを解読中 (ただいま発酵中)
  • オレンジジュース生産国のブラジル、スペイン他でオレンジ(カンキツ) ゲノムを解読中(ただいま生搾り)
  • ジャガイモをよく食べるドイツでバレイショ・ゲノムの解読中 (コメントが思いつかない。ごめんなさい)

つまり、各国の重要な食料資源と密接に関連した研究ターゲットになっているのです。 予算の説明がしやすいからでしょうか・・・この他、コムギとかトマトとか、技術的に難しいものや予算の説明が難しいものも中にはありますが。

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2007年8月24日 (金)

ブドウ糖電池!

世の中バイオマスブームですが、デンプン由来のバイオ燃料にせよ、木質バイオ燃料にせよ、アルコール発酵させるということは糖を酵母に食わせて、そのおこぼれをいただくということに代わりはない。

ということは、酵母にエネルギーをくれてやるわけで、そこでエネルギーの無駄が生じる。そこで、糖からいきなり電力を取り出せれば、その方が効率が良いのではないかと考える人もいる訳で。米セントルイス大学(Saint Louis University)のDr. Shelley Minteer仕事なんかがそれ。

面白いなー、と思っていたら、昨日、SONYがブドウ糖で発電する燃料電池の試作をプレスリリース。アメリカ化学会ACSで発表とか。原理的には水素を含む有機物からプロトンを引っぺがして電子を取り出し、残ったプロトンを空気中の酸素と結合させるというところは燃料電池そのもの。電子の供給源がブドウ糖ということで、反応生成物としてはグルコノラクトンができる。グルコノラクトンは食品添加物にも使われている無害な物質なので、電池としてはきわめてクリーンだ。

だが、大量にグルコノラクトンが生成されるようになったらどうやって処理したものか・・・。ま、グルコノラクトン自体まだ、微生物にとっては十分餌になる物質なので、発酵させて水と二酸化炭素に分解させるのもアリですね。と、いうことは、やりようによっては、グルコノラクトンでもまだエネルギーが搾り取れるということでもあるのですが。

ちなみに、ソニーの試作品が現在世界最高出力(約50mW)とのことですが、いつの日か実用化されたら楽しいですね。携帯の電池が無くなりそうになったら、あわてて自販機でスポーツドリンクを買うとか、喫茶店のテーブルの上の砂糖を拝借するとか・・・。

そういえば、Back to the future 2のDr. Brownも、コーラを燃料にしてタイムマシンを動かしていたな。

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2007年8月23日 (木)

空蝉

今日は二十四節季の一つ処暑。久しぶりの雨も朝方までだがやはり涼しい。日中は曇り時々晴。

帰りがけに自転車置き場で見たものがこれ。

空蝉

自転車のタイヤで脱皮したのでしょうが、周りの地面はコンクリートで固まっている。 さてどこから歩いて来たものやら。それに、この自転車の前輪には抜け殻が2個ついていた。いつから動いていないのか・・・。

空蝉(うつせみ)を現身(うつしみ)にかけた句や歌は多々あるようです。空蝉の空しさから、 無常を連想させる歌もあるようですが、しかし、地下で鬱々とすごすよりも、 一皮剥けて短い時間でも文字通り生命を華々しく謳歌して潔く散っていく途上の一幕と見れば、私はむしろこっちの方に清清しさを感じます。

今年はアメリカでは17年ゼミの大発生の年にあたります。先日NHKの番組、「ダーウィンが来た」 を見ていて驚いたんですが、17年ゼミの生きたのに溶かしたチョコレートをかけて固めたのをお菓子屋で売ってるんですよ。 で、子供がそれを食べて「チキンみたいでおいしい!」って言ってました。 市販のお菓子に小さな虫が入ってると異物混入騒ぎになるところですが、セミくらいに大きいのが堂々と入ってて食材の一部になってると、 異物騒ぎにはならないのですね。だいたい似たようなもんですが、意図的に入れてあるのは良いらしい。

ま、日本人もイナゴや、蜂の子や、ザザムシやらを食べますし、冬虫夏草と称してカビの生えた・・・ もとい、キノコの生えた昆虫の死骸を喜んで食うのですから、あまり人のことは言えた義理ではないが、 セミの羽の生えたチョコレートってものは、わたしゃどうもいけません。だいたい、 チキンの味のチョコレートってどんなのよ。・・・てピントがずれてるか。でも昆虫の味を鶏に喩えた人は昔にも居て、かのファーブル先生も、 カミキリムシの幼虫は鶏肉に似てると書いていたかな。

ところで、棘とげの付いた爪やら足やらをそのままで食べるのは大丈夫なんだろうか。 イナゴの佃煮は棘とげの後ろ足を外すけど。それとも、ソフトシェルクラブのように、脱皮直後のまだ柔らかいのを捕まえてきて、 さっと湯がいて酵素を失活させたら硬くならないとか(外骨格が硬くなるのって酵素反応?チロシナーゼとか?)・・・どうなんだろう。

でも、蝦や蟹は平気で食えるのに、どうして昆虫はイヤなんだろう。我ながら不思議だ。 こんなのを見るとぞっとします (悪いこたぁ言わないから、見ない方がいいよっ)。

さてと、今日は昆虫ネタで終わってしまった。明日からは、また、暑くなるらしい。

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2007年8月21日 (火)

ケミカルライトによる”事故”のリスク報道について考えた

以下長文。お時間のある人以外はご遠慮ください。

「夏場になると、夜店などで売られているケミカルライトで子供がけがをする事故が増えるので、保護者は気をつけよう。」こういう主旨の記事が8月8日以降、新聞各社から報道されている。一種のリスク報道といって良いだろう。小さな記事だけに、限られた字数で読者に何を知らせるか、新聞社のポリシー、記者と編集の技術が問われる。

もともとのニュースソースは東京消防庁江戸川消防署が7月31日以降に公表したおしらせらしい(この”おしらせ”の公表の日付は確認していません)。おそらくは、このあとに続くのが、

  1. 8/7、PJオピニオン、毎日新聞
  2. 8/8、時事通信
  3. 8/8、産経新聞
  4. 8/11、朝日新聞
  5. 8/15、地方新聞 19社
  6. 8/16、共同通信、日本経済新聞

※ 読売新聞は確認できず。

新聞社によって重点を億ポイントが違っていて、その書きぶりがなかなか面白い。

時事通信は、次のように事実を述べたのみ。

ケミカルライトで負傷14人=液体が目に、誤飲も- 注意呼び掛け・東京消防庁

2007年8月8日(水)19:37

 夏祭り会場などで売られるケミカルライトが破損し、中の液体が目に入るなどの事故が2年4カ月間に東京都内で12件発生し、 14人が負傷していたことが、8日までの東京消防庁のまとめで分かった。

 負傷者の大半は子供で、同庁は発生時期が夏場に集中しているため、注意を呼び掛けている。

 ケミカルライトは棒やブレスレットなどの形状がある。使用時に軽く折り曲げると、二重構造の内側のガラス容器が割れ、 シュウ酸化合物と過酸化水素が混合し、化学反応で発光する仕組みだ。

 同庁によると、2005年4月以降に12件の事故があり、14人が負傷。このうち10歳未満が13人で、液体が目に入ったのが10人、 誤飲が4人だった。

産経新聞は保護者の取るべき対策についても、しっかり述べている。

蛍光ブレスレット、ペンライト 破損、 飛び散りけが

2007年8月8日(水)05:46

 ■都内14件、 消防庁注意呼びかけ

 夏祭りやコンサート会場などで売られているペンライトやブレスレットの形をした発光性の 「ケミカルライト」が破損して、中の液体が飛び散り、児童らがけがをする事故が東京都内で平成17年4月以降、 14件起きていたことが7日、東京消防庁のまとめで分かった。夏本番を迎え、子供たちがケミカルライトを手にする機会が増えることから、 同庁は注意を呼びかけている。

 東京消防庁によると、病院に搬送された14件のうち、11件が7月と8月の夏場に集中。 今年に入っても、東京都八王子市で7月31日、4歳の女児が夏祭りで買ったケミカルライトで遊んでいたところ、 ライトが折れて中から飛び出した液体が目に入った。女児は充血などの軽傷を負ったという。

 事故を年齢別にみると、1歳から9歳の子供が大半で、いずれも軽傷だったが、17年7月には、 板橋区の3歳の男児がライトをかじって液体を飲み、入院する事故も発生していた。

 ケミカルライトは外装スティック内に、 シュウ酸化合物と過酸化水素それぞれの液体が入った容器が封入されている。外装スティックを折って中の容器を破ることで、 両方の液体が混合し、化学反応で発光する仕組みだ。

 毒性は極めて低く、飲んでも、半数が死亡すると推定される量は体重1キロあたり17グラムで、 ケミカルライトの液体は通常3グラム程度。「誤飲しても、口をゆすいだり、水を大量に飲ませて液体を吐かせれば大丈夫」(同庁)。

 ただ、皮膚が炎症を起こしたり、飲んで気分が悪くなったりするケースもあるという。 東京消防庁は、ライトを折り曲げる際、顔から離したり、液体が顔についた際は、すぐに洗い流したりするなど、 取り扱いについて注意を呼びかけている。

一方、朝日新聞はというと、

ケミカルライトの液体でけが、子どもの被害相次ぐ

2007年08月13日15時53分

 夏祭りやコンサート会場で販売されている発光性の「ケミカルライト」が破損し、 漏れ出た液体が目に入るなどして子どもがけがをする例が相次いでいることが、東京消防庁の調査でわかった。05年4月以降、 都内で誤飲も含め14人が病院に搬送された。夏休み中の発生が多く、同庁は「強く折り曲げたりぶつけたりしないように」 と注意を呼びかけている。

 同庁によると、14人のうち13人が1~9歳の子ども。今年7月31日には八王子市で、 4歳女児が祭りで買ったケミカルライトが破損し、中の液体が飛び散って目に入り、炎症を起こした。 液体が付着した指で目をこすって痛みを訴えたケースや、3歳男児が誤飲して入院した例もある。

 ケミカルライトはブレスレットや棒の形。大手メーカーのルミカによると、 筒を折り曲げるとガラスが砕けて二つの液体が化学反応を起こし発光する仕組みという。

 中の液体は1~10グラムと少量で、毒劇物は含まれない。 飲んだ場合の致死量は体重1キロあたり約17グラム。液体が目に入ると痛みを伴う場合があるが、ルミカは 「水で洗い流せば大きな健康被害には至らない」としている。

三社三様だが、 これらの記事で取り上げられているハザード(危害)は、いずれもケミカルライトが破損し、中の液体が目に入り、炎症を起こしたことである。危害の対象はいずれも子供で、危害が生じる場合は、ケミカルライトが破損した場合に限られている。また、身体に対する影響は目の粘膜に対する刺激について述べられているが、新聞では入院した3歳児にはどのような危害があったかは述べられていない。また、 「飲んだ場合の致死量は体重1キロあたり約17グラム。」とある。

これらの記事を読んだ大人が知っておくべき情報は、まず子供がケミカルライトを破損させない安全な取扱であり、次に破損した場合には中の液体に触れないこと、触れた場合には目に入らないようによく洗うこと、そして目に入った場合にも水でよく洗うことである。また、誤飲した場合に健康被害が想定されるのであれば、その対応も必要と考えられる。何を伝えることが新聞の使命かは知らないが、朝日記事には市民が危害を未然に防止するための情報が欠けている。一方、産経新聞の記事では、ケミカルライトを折り曲げた際に破損しても中の液体が顔に付きにくくする取扱と、液体が顔に付いた場合の応急処置、そして誤飲した場合の措置を述べている。

次に、朝日新聞では「飲んだ場合の致死量」とあるが、これはケミカルライトにはヒトの致死量が明らかにされている物質が含まれていると言うことだろうか? 一方、産経新聞の記事では、「毒性は極めて低く、飲んでも、半数が死亡すると推定される量は体重1キロあたり17グラムで、ケミカルライトの液体は通常3グラム程度。「誤飲しても、口をゆすいだり、水を大量に飲ませて液体を吐かせれば大丈夫」(同庁)。」とあり、こちらも毒性の評価が先に述べられており、万一の場合の応急措置も的確に書かれている。

財団法人日本中毒情報センターのデータベースによれば、「成分はフタル酸ジブチルなどの溶剤約90%、発光物質0.16%、触媒約10%。」「商品として:マウス経口LD50 約 9g/kg 毒性はほとんど溶剤によるものと考えられるが、一つの商品に含有される液体の量は約0.05~1.5mL であり、 大きいものでも10mL 程度であるため、全量を摂取したとしても急性中毒をきたす可能性は少ない」(M70079.pdf) とある。LD505-15 g/kgの物質であれば事実上無毒(practically nontoxic) とされており、マウスにおける食塩の腹腔内投与のLD504g/kgであるであることを考えれば、 ケミカルライトの内容物の毒性は食塩の1/2程度であると言える。従って、 ケミカルライトの内容物を誤って全量飲んだとしても急性中毒をきたす可能性は少ないとする日本中毒情報センターの情報からしても産経新聞の記事における毒性の評価は妥当であろう。

一方、 上記の事例を知った市民の反応を、インターネット上のblogから抽出してみよう。

調査方法は、8月15日までの1週間に更新されたblogのうち、キーワードとして“ケミカルライト” を含むものについて1. Google ブログ検索(281件) 2. Yahoo Japanブログ検索(153件) で抽出した。1., 2.のデータは重複を許すものになっている。

  1. 総数281件、事故を含む:123件、けがを含む:69件、危険を含む:11件、 危険と事故を含む:3件、毒を含む: 3件
  2. 総数153件、事故を含む:78件、けがを含む:43件、危険を含む:37件、 危険と事故を含む:19件、毒を含む: 9件

事故に対する反応は約半数、けがに対する反応はその半分であり、 毒性に対する関心はそれらよりも相対的に低いことが分かる。以下に、具体的なエントリーを2つ示してケミカルライトの毒性についての反応を比較してみよう。

 ニュースソースが朝日新聞であることが特定できるblogの一つ、

http://jetworks.air-nifty.com/sonae_areba/2007/08/post_2a92.html

では、 「劇毒物は入っていないようですが、致死量が体重1kgにつき17g(上記記事より)とそれなりに危険ではあるようです。」 と述べられており、筆者が毒性については「それなりに危険」と判断していることが分かる。これは、 ニュースソースにおいて毒性が評価されていないことが影響している可能性がある。一方、

http://azumy.seesaa.net/article/51346516.html

では、 同様に朝日新聞の記事をニュースソースとしているが、 毒性についての判断にあたっては、 日本中毒情報センターのデータベースを参照し、毒性は主に溶剤に由来すること、 有機溶剤を多量に経口摂取すると毒性があること、 ケミカルライト自体に含まれる有機溶剤は少量であること、 高濃度の経気道摂取の場合呼吸障害があること、 ただし揮発性は低いので通常は大量に気道に吸い込む可能性が低いこと、 接触による粘膜の炎症やアレルギー性皮膚炎の可能性があること、を述べている。なお、この記事自体は、前者のblogからの情報を元に書かれている。

これらは同じ朝日新聞の記事をニュースソースとしたblogのエントリーであるが、 後者の筆者は元医療関係者とのことで毒物に対する知識水準が高く、新聞記事以外の情報源の探し方も知っているため、 新聞記事の記述によらずケミカルライトの中の液の毒性について客観的に評価できたものと考えられる。一方、 化学物質の毒性について特に知識を持たない市民は、前者のblogの筆者のように、記事の内容から「それなりに危険」 と判断するかもしれない。

つまるところ、 リスクコミュニケーションを実効性のあるものにするためには、 リスクコミュニケーションの一端にいるマスメディアと市民の教育も重要ではないだろうか。

例えばお茶の水女子大学のLWWCもまた、国内におけるキャパシティービルディングの一端を担っていると言えるが、 参加人数が少ないことや、参加者はそこから得られた知識を普及させる立場にあるとは限らないことから、 その波及効果も自ずと限定されたものにならざるを得ない。従って、今後は市民の知的基盤の底上げのためには、 市民に知識を伝えるマスメディア自体の能力開発と、教育を通じて幅広い年齢階層の市民に対して働きかける必要があることから、 中等・高等教育の段階からの教育が重要である

・・・って誰がやるのかな。相当大変です。 以上LWWC108に提出した最終レポートを再編集しました。

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2007年8月20日 (月)

戦場でようよう紐解く孫子かな

なりゆきでとある開発プロジェクトの進行管理の一端を担うことになった。「なりゆきで」、 というのは特に進行管理を指示された訳ではなく、並行して走る業務があるのに誰も調整をしないことが明らかになったので、 何の準備もなく進行管理をする羽目になったということだ。

プロジェクトの段取り経験がないので、こういう場合どこから手を付けて良いか分からない。 考えてみると、世の中にはこれまでに山ほどプロジェクトがあり、その進行管理には幾多の人々が関わってきている。 その経験知が体系化されていないはずはないし、体系化されていないのであれば非常にもったいない話だ、そう思ってプロジェクトの管理手法、 方法論を探してみた。

プロジェクト・マネジメントという工学と経営学の学際分野がそれにあたるようだ。 特にIT分野の開発プロジェクトでは必須の管理手法になっているらしい。関連書籍も随分あるし、資格まである。研究開発分野の末端にいると、 マネジメントされてばかりなので、こういう分野にはなかなか目がいかないのだが、 世の中には段取りで飯を食っている人も居るんですねと感心した。というか、段取りで飯を食う人を管理職って呼ぶのですね。本来は。

その一方、私の居る研究所にはプロジェクト・マネジメントと体系的に言えるような体系的・ 組織的な方法で段取りをするスタッフも居ないしセクションもない。もっとも、不確定要素の多い研究と、 成熟技術の組合せで成立する開発とでは予測の精度が大きく違うので、研究型のプロジェクトには既存のプロジェクト・ マネジメント型の進行管理はなじまないので、プロジェクト・マネジメントの専門家が居ないのもある意味、もっともな話ではある。

ということで、最近読み出した本がこれ。

世界一わかりやすいプロジェクト・マネジメント

孫子曰く、「其疾如風、其徐如林、侵掠如火、不動如山」。でも、 戦場で孫子を紐解いてる様では遅いんですけどね。

2007年8月 6日 (月)

お暑うございますな

お暑うございますな
通勤途中にある向日葵畑。
この時点で暑い一日になりそうな空の色ですが、日中になると本当に暑くなった。
昨日、モブログの設定をして、これが発投稿。書く道具としての携帯は、今の所あまり使い良い物ではないが、そのうち慣れるだろう。

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2007年8月 1日 (水)

稚内にて

弟の結婚式も終わり、今日はつくばに戻る。

12時15分発ANA572便で帰る予定が、稚内空港の悪天候のため、 折り返し便になる予定の機体が旭川空港へ行ってしまい・・・おいおい、今日中に帰れるのか!?と言う状況に。

すかさず14時50分発のANA574便に変更して、空港で待機。いやー待ちくたびれました。

ANA574便は機内のアナウンスによれば、定刻より5分早く到着とのこと。 「二時間半待たされた上で、5分早く着いたから喜べっていわれてもなぁー」と一人呟けば、 それを聞いた前の席のご婦人がクスクス笑っておられました。

弟の結婚式参加のため夏期休暇は消化してしまった。 休暇をとってる場合では無いのは重々承知だが身内の慶事はこれが最後かも知れないし、参加する親戚も父、叔母と私ら夫婦の4人だけなので、 ここは出てあげないと酷く寂しい結婚式になるし・・・と思い、仕事を棚上げして出ることにした。

が、案の定トラブル続出で、仕事のメールでの対応やら、 私用の携帯に電話がかかってくるやらでえらい目に合いました。羽田空港で携帯のメールに返信し、稚内空港でさらに続きを返信し、 ホテルで返信し・・・。ちっとも休んだ気がしなかった。

・・・と言う散々な休暇中の一コマ。

あざらし

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