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2006年8月27日 (日)

冥王星が惑星でなくなった日

  冥王星を意味する"Pluto"はギリシャ神話の黄泉の国の王の名だ。ニュースでも喧しく伝えられたとおり、8月24日、 国際天文学連合の総会の議決によって冥王星が惑星(planet)ではなく"dwarf planet"と定義されるようになった。 教科書出版社各社では、記述内容の変更に追われているらしい。

 冥王星は人類が地上に現れる前から太陽系の一部であり、人類が滅びた後もその軌道を回り続けるだろう。今回変わったのは、その 「定義」だ。
 私は教科書の記述から冥王星を除外するべきではないと思う。むしろ、科学史に「発見」されたことが刻まれている惑星については、 何時から誰によって人類の知識に組み込まれたのかということと併せて、 今回改めて惑星を学術的に定義した結果として冥王星が惑星ではなくなったことも教科書(あるいは副読本でも良いから)に載せて欲しい。 それは、科学的知見は常に変化し続けるものであることを示す一つの実例となるだろうから。

 しかし、この報道の加熱ぶりは一体何なのだろう? 私はこれまで惑星としての冥王星を見たことが無いのでこの報道の大仰ぶりに違和感を覚えた。総理大臣候補が憲法改正を公約するほどには、 今後のわれわれの日常生活に大きな影響を及ぼすことは無いと思うのだが、 あいにくこちらの話題を一面トップで伝えた新聞社はそれほど多くは無いことだろう。

 ともあれ、10年後の学生諸君が冥王星を知らない、という事態にはなって欲しく無い。冥王星という天体が1930年、人類によって 「発見」され、太陽系の「惑星」に加えられ、76年後の2006年に”多数決”で惑星ではなくなって「dwarf planet」 に列せられたという歴史的事実は、それとして認識しておいて欲しいものだ。
 それから、なぜ今回の国際天文学連合の総会で改めて惑星の定義をしなおさなければならなかったのか? という専門家の側の事情はあまり取りざたされていない。いささか浮世離れもしており、 専門家がそれで飯を食うことの難しい天文学という市場規模の小さな学問の分野ならではの競争の問題でもあるはずなのだが、 新聞では単に観測技術の進歩によって・・・と伝えられている。これは「新しい惑星の発見者」という栄誉をめぐる生々しい問題でもあるはずだ。

 ちなみに、今私はホルストの惑星をBGMにこのエントリーを書いているが、朝日新聞によると、

東芝EMIは23日、ベルリン・フィル演奏のホルストの組曲「惑星」 に楽章「冥王星」を加えたCDを発売したばかり。ホルストの作曲当時、冥王星は未発見で、この楽章は00年に英国のコリン・ マシューズ氏が作った。同社クラシック担当の児玉洋子さんは「今後『冥王星』を加えて『惑星』を録音することはないでしょう。 貴重なCDになりました」と話す。

・・・だそうだ。新たに楽章を加えるなら、76年前に加えておくべきだったね。 残念。

 

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