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2005年1月2日 - 2005年1月8日の記事

2005年1月 4日 (火)

レトロウイルスはゲノムに眠る

 キリンビールの開発した、ヒト抗体産生マウス(TCマウス)は、ヒト染色体を持ち、そこにある遺伝情報が発現するマウスである。
 昨年末、その作成方法の大まかな手順を拝見しながら、私はあることを思い出していた。ある種の野生マウスのゲノム中には、自立増殖可能なレトロウイルスのコピーが含まれており、通常の状態では何らかのサイレンシング(おそらくは、TSG?)によって抑制されているが、実験系統のようにゲノム中にレトロウイルスのコピーを持たないマウスとの交雑後代では、ウイルスが活性化するという事例を(1)。
 ヒトのゲノム中に、マウス細胞で自立増殖可能なレトロウイルスがコードされているとは思わないが、細胞融合で異種染色体を導入する場合、組み合わせによっては思わぬレトロウイルスの活性化があるかもしれない。そして、活性化したウイルス粒子が放出されるチャンス(というかリスク?)は、融合する細胞の種がある程度近縁な方が大きいだろう。
 しかし、細胞融合後の染色体の脱落を狙うなら、あまり近縁な組み合わせでは意味が無いので、実際に実験を行なう場合には遠縁の生物種同士になるし、その場合は予想できないレトロウイルスの発生は気にしなくてもいいのだろうな・・・(インフルエンザのようにトリとヒトに感染するウイルスもあるが、少なくともレトロウイルスに関しては、宿主指向性は狭いと考えられるので)。

#ヒトゲノム中に潜んでいたウイルスが、TGSを逃れるように変異して、ある日突然人類に襲い掛かる!というのは、SFのネタとしては悪く無いかも知れませんが。

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2005年1月 3日 (月)

フグを食うことのリスク

 日本にはフグを食べる食習慣がある。日本近海で水揚げされるフグの多くは一部の例外を除いて有毒である(無毒なシロサバフグというのも居る)。中毒の原因となる毒素、テトロドトキシン(tetrodtoxin)あるいはサキシトキシン(saxitoxin)については詳しく研究されており、構造、毒性の作用機作と(半数)致死量、熱安定性、フグ体内の局在性(フグの種・生息地域等によって異なる)、自然界での生物濃縮などについて知られている。フグの毒性については世界的にも認知されており、食用にする習慣があるのは日本くらいのものであろう。
 致死性の毒があると判っているのに、それを敢えて食べるのはなぜか?それは、どのような種のフグの、魚体のどの部分にどのくらいの量と種類の毒があるかがあらかじめ判っており、それを除去して食べれば非常に美味であることが判っているからである。
 そう。「フグを食べる」という日本の食習慣は、リスク管理を正しく理解する上で非常に好都合な事例なのである。

[有害性(ハザード)]


1. フグは毒魚であるため、食べると食中毒の危険がある。
2. tetorodotoxinを摂取すると死亡する危険がある。
3. 他の魚介類同様、有機水銀やダイオキシンを含む可能性がある。
4. フグは高い。5,500円~6,000円/kg(養殖もの、2004年末、東京卸売市場)。

[利点(ベネフィット)]


1. 食べると、美味い。
2. 食べると、タンパク源になる。

[リスク評価]


1. フグの魚体に含まれている代表的な毒素テトロドトキシンの致死量は0.1-10μg/kg体重(ヒト)である(1)。
2. フグは種によって毒性が異なり、最も毒性の強いメフグの卵巣やクサフグ、コモンフグの肝臓では、2gでヒトの致死量に相当するテトロドトキシンを含むものがある(1)。その一方で、シロサバフグのように無毒な種もある。
3. 有機水銀やダイオキシンを含む可能性は否定できないが、フグの寿命や習性から考えて、他の魚介類よりもこれらのリスクが特に高いとは考えにくい。
4. 高価な魚なので、経済的に余裕が無い場合に自腹で食べるのは危険である。

[リスク管理]


1. 毒性の無い部分のみ、あるいは毒性の無い種、あるいは自然状態では毒性のある種であっても養殖方法で無毒化できるので、これらを利用することでリスクを回避できる。専門の調理師に調理してもらうべきである。
2. 石川県のフグ卵巣の糠漬のように、毒性のある部分でも適切な無毒化処理によってリスクを回避できる。
3. 経済的に余裕のあるときに食べる、あるいは誰かにご馳走になることで、経済的なリスクは回避できる。

 以上のようなリスク管理が適切に行われているからこそ、フグは市場をにぎわしているのである。BSE問題も、ヒトに対する異常プリオンのリスクを適切に管理することで解決できるはずなのだが・・・。

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