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2005年11月 9日 (水)

胃カメラ2

 さて、本日は大阪出張。新幹線での移動中に続きを書くとする。

 咽頭の局部麻酔後、診療台に横になる。50代後半と思しき柔和なかんじの丸顔の医師が検査を担当。

 真ん中にファイバー・スコープを通すための直径1.5cmくらいの穴の開いた鼓型の白い樹脂製のマウスピースを咥えさせられる。顔に下側にはキムタオル。そう、実験室に良くあるヤツだ。「唾液が出てきたらこれで吸い取ってください。飲み込もうとするとむせますから。」とのこと。ごもっとも。咽頭が麻痺してると液体を飲み込むのは一苦労だ。

 医師は私の顔の前にファイバー・スコープの先端を持ってくると、「最近のはこんなに細くて柔軟なんです。これを通していきますので、ご覧に慣れたらこちらの画面を見ていてください。それから、少し背中を丸め加減の方が楽ですよ。」と説明する。

 ファイバースコープの長さは見て取れなかったが、直径は5mmくらい。スコープの先端には透明な樹脂の半球が付いていて、三原色の光が交代でちらちら点灯している。光学系の関係で、CCDをあまり大きくできないので、光源を切り替えながら3原色の絵を単一のCCDでそれぞれ撮って、リアルタイムで合成しているんだろうか?目の前の液晶モニターに写る遠景は少々茶色っぽく、カラー映像には見えなかったが、パンフォーカス風にそこそこ焦点が合っている。

 医師がファイバー・スコープの先端をマウスピースの穴に通す。下の根元近くをスコープの先端が通る。味は特に無い・・・当たり前か。程なく、液晶モニターに声帯が写る。医師は、「声帯ですねー。この横を通しますからねー。右、いや左かな?」などと実況しながら、どんどんファイバースコープを送り込む。特に苦しくは無い。

 「食道ですねー。キレイですねー。ちょっと、グッと飲み込む動作をして見ましょうか。飲み込んでください。」と嚥下を促すので、数度試みる。

 「はい、良いですねー。今、胃の入り口を通りました。このままゆっくりと、一旦奥まで入れてみますねー。ちょっと空気を送りますよー」といいながら、胃の上部から空気を送りながら、少しずつ写真を撮っている。

 「大体キレイですねー。あ、でもこの辺にビランがありますね。この白い部分です。判りますか?周辺が突起になっていて頂上が窪んでいて蛸のイボのようになっているので、蛸いぼ状ビランというんですねー。こういのは、ほら、こんな風に連続的にできるんですよー。」 たしかに。ビランは、かすかに冠雪した火山でできた山脈のように見えなくも無い。

 「このまま出口まで行きますね。この辺が出口です。ここから先が十二指腸ですねー。大丈夫ですねー」 何だか観光ガイドをされてるようで妙な気分だ。おおっ蠕動してるぞ!

 「ちょっと上を見てみましょうか。はい、ここは胃が鈎の手に曲がっている分ですね。下から見上げてみましょうか。」 ファイバー・スコープの先端が180°近く曲がって、胃の天井が見える。鍾乳石は下がっていない。程なく、先端を下向きに戻した。

 「この辺が入り口付近ですねー。大丈夫ですねー。」 医師は再び、ファイバー・スコープの先端を上に向けて写真を撮った。特に、不自然な出っ張りや窪み、変色は見られない。

 「では、色素を使って色を付けてみましょう。青いのが入りますよ。はい。」 画面の下からインクのような濃い青の液体が噴霧されている。胃壁に付くと広がって、網目模様を呈する。ビランの先端は良く染まるようだ。その状態で数枚の写真を撮った。

 「では空気を抜きながらゆっくり引き出しますね。はい。」 とまた食道の壁がアップになり、声帯の脇をかすめ、下の上を滑り、フアィバー・スコープは出て行った。検査時間は正味およそ20分。

# おっと新幹線の中でバッテリーが切れそうだ。

# 移動を終えて、夜の大阪で夕食をとった後のひと時です。

 結局、生検は別として、最終的な診断は昔も今も「見ること」です。どんな高精度の測定器でも出てくるデータは概ね二次元。ファイバースコープも二次元であるには違いないが、リアルタイムの画像であることから、それをみた人の判断が非常に早く行えるという特徴がある。つまり、見損なったと思えば何度でも同じ部位の観察をやり直せる。

 今のところ画像化というのは、人の視覚というインターフェイスに直結できる究極の計測技術なのかな、と再認識した次第。

 さて、明日は今年度最後の(つもりの)法律説明会です。最後までしっかりやり遂げよう。

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