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2005年5月の記事

2005年5月24日 (火)

植物ウイルス学の本は意外に少ない

 ちょっと勉強してみようと思い立って、植物ウイルスに関する教科書的な本を探してみた。昼休みにOAZOへ行き、 仕事帰りには八重洲ブックセンターに寄ってみたが、植物病理学の本や植物ウイルス分類の辞典的な本はあるのだが、 動物のウイルス病の教科書にあるような、 初期感染メカニズムや宿主の抵抗性を回避する機構について扱っている本にはついにお目にかかれなかった。 ちなみにアマゾンで調べて見ると植物ウイルスと表題にあるのは13冊。のうちこの10年以内に出版された専門書は、皆無。 みつからない訳です。出版されていないんだから。

 ともあれ、いまだホットな分野で定説がないおのか、何なのかわからないが、 私の知りたいトピックについて知見をまとめた本は見当たらない。ひょっとしたら研究する価値がないと思われているのだろうか。とりあえず、 海外の出版物を当たってみると、さすがに33件ある。世界は広い!そのうち2000年以降に出版されたものは、それでも8件。 そのうち私の要求に見合うものは、Plant Viruses As Molecular Pathogens, JA Khan & J. Dijkstra, Eds. (ペーパーバックで¥9,868!)かPlant Viruses and Virus Diseases, Bawden FC(¥13,234!)いずれも書評なしなので、はずれだと手痛い。

 他のWebPageで書評を探すとそれなりの情報が出ている。 前者の本は最新の解析技術を基におもにエンジニアリングを通じて植物ウイルスの感染機構を解明しようとするものだし、 後者は初出1964年で第四版を重ねる名著らしい。どちらもなかなか魅力的ではあるが、 当面は無料で読める専門の雑誌のレビューで勉強するとしよう。

#ちょっと高いし・・・。

2005年5月20日 (金)

コロンブスの卵・研究者の卵

 ビッグニュースだ。 韓国・アメリカの連携チームがヒト体細胞の核を卵細胞に導入して胚発生させ、そこからES細胞を取り出すことに成功した。

 体細胞クローン技術をES細胞の作成に応用したもので、ES細胞作成のために受精卵を入手する困難が避けられ、 しかも作成されたES細胞を移植治療に使用する際には移植を受ける患者本人の核を使えば、 原理的には拒絶反応が起こらないはずなので安全性が高められる。

#ミトコンドリアゲノムについてはさほど問題にされていないようだ。

 技術的な問題は次々クリアされていくが、卵細胞の安定供給は将来においても難しい問題である可能性が高い。いっそのこと献血ならぬ” 献卵”という選択肢もありうるのかもしれない。最近、 卵巣の表層細胞から卵細胞を誘導できたという話もあった。え?いつ減数分裂するの?核相はどうなっているの?と疑問は尽きないが、 体細胞から卵細胞を誘導できるのであれば、卵細胞を提供できる年齢の幅が広がる可能性がある。もっとも、 採取の際のドナーのリスクが骨髄の提供の際よりも小さくならなければ普及し得ないだろうが、 最近は内視鏡手術の技術も向上して来ているので成分献血なみになればたいしたものだ。

 これらの技術と遺伝子治療を組み合わせることができればこれまで諦められていた疾病の治療への道が開かれる。たとえば、 糖尿病の治療、生体肝移植の代替技術、神経幹細胞の移植治療、角膜移植の代替技術など。

 また、外科的な治療の選択肢も広がるだろう。骨や歯の形成と移植、自身の皮膚と同等な皮膚移植、 ひょっとしたら脂肪幹細胞の移植による豊胸などの美容整形も。

 ただ、倫理的な問題は残されたままである。たとえ体細胞に由来する卵細胞から得られたクローン胚であっても、 着床させれば個体発生する可能性のあるものについては、通常のクローン胚と同様に扱うのが妥当であろうから様々な価値観から自由ではいられない。 また、各種の規制の下で研究(や、将来的には治療)が進められなくてはならないことは言うまでも無い。

 さて、表題ですが、特に深い意味はありません。体細胞クローン+ES技術は素人目にはコロンブスの卵。それを担う将来の研究者達 (研究者の卵)に期待を寄せてます、というくらいのことです。

 ちなみに、研究者の卵はいつの日か研究者になるものですが、 コロンブスの卵はいつまで待ってもコロンブスにはなりませんのであしからず。

2005年5月18日 (水)

一罰百戒

 北九州市で農家の栽培したミズナから適用外農薬が検出され、出荷を自粛した件が報道された。

 事実関係は、 ニュースに詳しい。適用可能なコマツナの残留基準よりも相当に低濃度であって安全性に問題は無いし、 故意の散布でもないので法律にも抵触しない。

 この件については、松永和紀さんのコメントが日経Food・ Scieceの記事になっているが、なんだか歯切れが悪い。いつもは快刀乱麻のコメントで科学的でない所業を切り倒しているのが楽しみで愛読させていただいているのだが、 今回は少々切っ先が鈍っているご様子。行政の度重なるアナウンスよりも一回の出荷自粛のほうが効果があるという、 まさに一罰百戒の事例とも見えるが・・・。

 結局、北九州市当局が口をすっぱくして、たとえドリフトでも適用外農薬の検出があれば公表するといってきたことよりも、 一回の自粛による経済的損失を伴う事例の公表のほうが具体性があって効果的なPRだったと言いたいのだろうか?

 では、適用外農薬がなぜ適用外であるのかという科学的な議論 (これは単に使用実績が無いからということで薬剤の安全性とは無関係だったのだが)の不在のまま事実を公表した市当局のそもそもの姿勢や、 具体的なリスクがほとんど考えられないにもかかわらず出荷を自粛した農家の態度は批判されるべきではないというのか?いくら、 市が適用外農薬のドリフトがあれば公表すると事前に通告していたとはいえ、その判断にはそもそも科学的な根拠は無いではないか。 透明性の確保も重要だが、適用外農薬の検出、即公表という行動が、松永氏の言うように”「透明性を保って、 痛くもない腹を探られることのないようにしなければ」と筋を通した”というのであれば、それは違う気がする。私がそこに見るのは、 行政判断の不在であり、役人の保身である。法律上問題の無い事例を示して「こんなにちゃんとやってます」 と宣伝するのは仕事をきちんとやっていることをアピールするための単なるテクニックではないのか。

 私は、今回市の農政の透明性の確保の名の下に(小額とはいえ)犠牲を払わされた農家の方に深く同情する。結局、 最終的には自らの判断で出荷自粛したとはいえ、行政がプレスリリースすると言ったのであれば、 それが無言の圧力になったであろうことは推測するに難くない。古くから言い習わされている一罰百戒ではあるが、 今回もその例であると考えるならば、その考え方は生産者を馬鹿にしていると言わざるを得ない。なぜならば、それまで問題事例が多発していて、 実際に問題事例を公表したというのならともかく、今回はそもそものリスクが非常に小さく違法性も認められないのだから、 公表によっていったい何の効果があったと言うのだろうか。

2005年5月12日 (木)

インフルエンザのHA遺伝子

 今日、東大河岡先生から高病原性トリインフルエンザなどインフルエンザを中心とする新興感染症についてのお話を伺った。 スペイン風邪など、極端に病原性の高いインフルエンザウイルスの遺伝子組換え実験は、現状では国内ないではやれないので、 カナダまで行ってBSL4の実験室で”宇宙服”もどきの被り物をしてしているとのこと。あまりに不自由ではあるが、 日本でのP4実験室の扱いは”ごみ処分場”と同じ理屈で、必要ではあっても誰も来てほしくは無いという有様なので、なかなか難しい。 感染研の使用差し止め訴訟のことを思い出してしまった。

 それはさておき、インフルエンザウイルスの感染の組織特異性を決めている要因についてお尋ねしたところ「インフルエンザの増殖には、 細胞表面のHAタンパク質が開裂する必要がある。その際に細胞のプロテアーゼが働いていて、 組織によってプロテアーゼの基質特異性が違うので、HAタンパクが分解される場合にのみ増殖が起こる。」とのことでした。

 感染すると必ず再増殖がおこるのであれば組織のレベルでは、増殖と感染は一緒に考えてよいのでしょうが、 細胞のレベルで見るとHAタンパクの開裂は感染に必要ではあるが細胞内でのウイルスの増殖には必須で無いように思います。いずれにしても、 HAタンパクがどの細胞でも容易に開裂するウイルスは全身感染するということのようで、 インフルエンザには特異的な感染受容体は無いということです。

 ならば、インフルエンザウイルスはどうやって細胞に取り付き、どうやって進入するのだろう?また、 不顕在感染する場合の毒性の強弱は何で決まっているのだろう?知識が増えると同時に、疑問も増えてしまった・・・。

2005年5月 1日 (日)

躑躅咲く

近所の躑躅(つつじ)。

CIMG0228_2

直射日光の下、デジカメには眩しすぎる高コントラスト。

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